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これから日本サッカーに期待したいこと

カタールワールドカップの決勝トーナメント1回戦、対クロアチア戦は、非常に残念ながらPK戦の末負けてしまいました。

前半終了間際という最高の時間に先制点を取りましたが、後半早くに1点を返され、その後は互いに決定機がないまま引き分け、PK戦は経験の差を見せつけられました。

私の思う勝敗の綾は、クロアチアに1点を返される前から日本の守備陣の勢いが徐々になくなり、クロアチアの攻撃陣に対して詰めることができず、何本ものパスを続けて通されていたところです。

前田大然を中心にした前線からの攻撃的な守備によって得た貴重な1点をその後の守備の緩みで手放してしまったら、クロアチアのような経験豊富な国から二度と同じような得点はできません。

負けたら終わりの決勝トーナメントでの先制点というアドバンテージを、簡単に失ってしまったのが本当に悔やまれます。


歴史からしか学べない


とはいえ、日本サッカーはワールドカップで順調に階段を上り続けているのは間違いありません。
1998年の初出場から初得点、初勝利、そして決勝トーナメント初進出、初めて日本人監督で勝利し決勝トーナメント進出、という歴史を一歩一歩刻んできました。

今回はそこに、初めて優勝国に勝利、自国開催以外で初のグループリーグ1位通過という実績が加わりました。
その間に選手もほぼ海外のリーグ所属となり、世界を知る選手がすべてを占める状況となっています。


これらの変化をたった20年ほどで成し遂げたのはすごいことで、強豪と言われるオランダ、ベルギー、メキシコなどは、初出場から70年ほど経ってもいまだに優勝することができていません。

それくらい世界の壁は厚く、イランはなんと1978年の初出場から決勝トーナメントに6回挑戦して今まで一度も進出したことがありません。

このように、8強以上に進出するショートカットはなく、どの国も長い時間をかけて少しずつその国のサッカーの歴史を積み上げて戦っています。
もちろん日本も例外ではありません。


何を加えればいいのか考える


すでに解説者や専門家の方々がさまざまな対策を考えているので、私は違う見方、特に10年単位の強化に必要なことを考えたいと思います。

また私はただの素人で、プロが言ったら批判されるような意見を言えるので、そういう視点も含めて考えてみました。

① 他競技との選手獲得競争に勝つ

少子化の時代、マイナーなスポーツは競技に必要な選手数を揃えるのが非常に難しくなり、競技間での有望選手の獲得競争が激しくなります。

以前にも言及しましたが、日本サッカーはキーパーや守備陣がまだ弱いので、身長が2m近くても動けるバスケやラグビーなどに行きがちな若者を優遇する形で獲得して育成する必要があります。

サッカーの人気と資金を背景に、他競技からでもキーパーなどの候補を引っ張ってきて育成することが大事だと思います。

② Jリーグにビッグクラブを作る

川渕チェアマンのプロ野球とは違う地元密着路線によるJリーグの飛躍は非常に評価されるべきですが、残念ながらその方向は頭打ちと言え、アジアなどでも知名度があり、地元のファンやスポンサーが多く、資金力もある8~12チーム程度が今より一段上の大きなクラブになることを目指したほうがいいと思います。

興行なので人気の差は必ず出るし、平等的思想で縛ってしまうとかえって成長を阻害する恐れもあるので、人口減が確実な地方都市ではない大都市で、幅広い活動を行えるクラブがより大きくなることを期待したいです。

それらは欧州や世界各地のビッグクラブと同様に、国を代表して多くのファンを持ち、サッカーの試合にとどまらない複合的な娯楽を提供したり、海外との交流を積極的に行うことが重要です。

③ 若い理論派・戦術家を監督に据える

メジャーリーグを題材とした「マネーボール」という映画をご存じの方もいると思います。

その主人公であるアスレチックスのビーンGMは確か30代のころ、セイバーメトリクスという選手が勝利に関与する度合いを測れる評価法に注目し、隠れた実力を持つ低年俸の選手を次々獲得し低予算でチームを強豪に押し上げました。

同様に欧州サッカーでも、監督やコーチが若くしてさまざまな新しい理論を駆使して活躍しているという話を聞きます。
それが日本でできない理屈はありませんし、いつまでも日本が弱かった時代の人々の指導に頼っていては何も変わりません。

またファンもそういう監督やコーチの登場を歓迎し、若い理論派の監督が就任したら、もし多少失敗しても近視眼的にとらえすぎず、未来への投資と考え応援し続けることが大事だと思います。


これらの強化策が実り、さらに10年単位の経験を積み重ね、それらが正しい方向に行ったとき、もしかしたらワールドカップ優勝が狙える強豪国に近づけるかもしれません。

しかしその道のりは本当に険しく、私が観戦を楽しめるあと何十年のうちに決勝に出られたらそれだけで十分にすごいと思います。
そんな日が来るといいですね。




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