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女のハゲ革命

「この~ハゲ!!!」
ある女性議員が男性秘書に放った懐かしい一言。いつの時代も、「ハゲ」と言われる対象は男性なはずだが、、おかしい。。非常におかしい
私・・ハゲてきた?正確に言えば、後頭部の右の部分が薄くなって肌が見えている気がする。

この事実に気づいたのは、30代始まりの頃。。
何気なく覗いた自分の後ろ姿を映す鏡。「え?これ肌?いやいやつむじ!つむじ!寝すぎただけ!」と誤魔化すように、少し目を細めて事実を隠蔽した記憶がある。まるで幽霊でも見てしまったかのように「あれは気のせい!目の錯覚だ。」なんてぐらいにして記憶を手動消去しようとしたところに、「あれ?あらららら、丸ちゃん禿げちゃったね」と、すでに先にハゲマラソンを完走しているハゲの先輩のパートナーハアちゃんから痛烈の一言をお見舞いされて、あれはやっぱり幽霊だったんだ・・と目が覚める。

私の髪質は、細くてねこっ毛なもんで、若い時は「桃田さんの髪サラサラできれいね~」と褒められていたタチ。髪には少しばかり自信があった。
当時の髪の悩みと言えば、夕方過ぎになると、肌油分過多なため、髪がぺったりとしてきて、ジョンレノンのようになってしまうことくらいだった。20年後には、まさかその自慢の細い髪がタンポポの綿毛のようにサラサラと飛んで行ってしまうなんて、、オーマイゴッド。

一度気になると、もうずっと自分の後頭部が気になる。とにかく、誰にも私がハゲていることに気づいてほしくない。私の後ろに立ってほしくない。「俺の後ろには立つな!」まるでゴルゴ13である。

ゴルゴ13

誰かと歩いている際は特に要注意。エスカレーターが一番苦労する。相手よりも後ろに立つのがベストだが、そのポジションを死守できなければ、後頭部を見せないよう、ずっと後ろを向いて相手に話しかけ続けるしかない。それは自分がしゃがんで相手が後ろに立っている時も同様だ。顔を上げて話し続ける。「どんだけ話したいんだよ!」と相手に思われてももはや構わない状況である。

勿論、対処法以外にも改善方法だって試した。
髪の洗い方には特に熱心になった。しっかり髪の汚れを落としてからシャンプーをしたり、乾かし方や美容液。ありとあらゆることを試した。一時的には改善するけど、また薄毛が目立ってくる。
もはやハゲと私のいたちごっこだ。きっと何とかなると思っていた頃、どこぞのハゲの方が言った「ハゲが治る治療ができたらノーベル賞ものだよ」の言葉はまさに名言で、聞いた時、膝から崩れ落ちた。果てしない闇の向こうに手を伸ばしてる自分に気づくのである。

でもこれって私だけだろうか?
最近テレビやYouTubeなどを覗くと、若い女性から同年代の女性にかけて薄毛の子が多くないだろうか?ちょっと前にある女性タレントが、出産→離婚を経てテレビ復帰した際に、私同様、頭が薄毛になっていたことを思い出す。
やっぱりハゲることはストレスからくることが多いにあるのだと思う。SNS社会を楽しんでいるつもりが、逃げられない習慣にいつしかストレスを感じ、そのストレスもストレスと気づかず溜め込んでしまった結果、ストレスが細胞を通して頭皮に悪さを仕掛けたんだな。

男性のハゲの歴史は長い。
ヨーロピアン風のおしゃれなダンディハゲや年老いた白髪が入った老眼鏡とセットの博識ハゲ、素敵な男性のハゲはたくさん存在する。
女性のハゲは歴史は短いし、なかなか楽しみ方が見出せない。

私がハゲと向き合った結果、見出した現状の答えは、ノーベル賞レベルの毛生え薬ができるまで、SNSとはいい感じにうまい距離を取って、バカボンのパパのように朗らかに生きていくよう努める事しかないのかもしれない。

そんなこと言いながらも、今日もエスカレーターで斜め下を向くのであった。





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