恐竜元年:始まりの三日間の物語
12:アーシェント・祥子と皇帝とアンナトリア妃エルデスの全てを統べる皇帝は、空へと向かい切り立つ崖をくりぬき、その頂上に置かれた殿堂で多くの者達に傅かれて暮らしている。皇帝の居、エルデス宮は正門である貴族街の白き門から内部に入り、頂上の殿堂までの通路が網の目に張り巡らされ、自然の洞窟を生かして人の手で掘り抜かれた難攻不落の要塞といえた。いくつかの広間に皇家の居室、地中の奥には議会の間があり初見が迷うことは必須、その上、人工の灯の路を抜けた先に現れる頂上の部屋は、たどり着くまで