マガジンのカバー画像

恐竜元年:起

26
その星は生きている星 小さく、青く、強く、か弱く 愛しい約束に抱かれ、優しい記憶を抱いて、 暗闇に眠る、美しい星……
運営しているクリエイター

記事一覧

固定された記事

恐竜元年:終わりの物語

その星は生きている星 小さく、青く、強く、か弱く 愛しい約束に抱かれ、優しい記憶を抱いて、…

片桐継
3年前

恐竜元年:始まりの三日間の物語

01:アーシェント・タツマとシン・ユェズ荒野。天を覆う蒼穹と中央に鎮座する陽に焼かれ、土の…

片桐継
3年前
1

恐竜元年:始まりの三日間の物語

02:雷竜のトゥシとヴァシェ その都市は岩と木と骨と、人の手で作られた日干し煉瓦で大きく囲…

片桐継
3年前

恐竜元年:始まりの三日間の物語

03:スグリムと独楽(こま)と六郎佐その都市の南、大通りからいくつもの小路を抜けた先、衝立の…

片桐継
3年前
1

恐竜元年:始まりの三日間の物語

04:ショウ・韻とシン・ユェズとタツマもう、日が暮れようとしていた。平凡で繰り返しであるか…

片桐継
3年前

恐竜元年:始まりの三日間の物語

05:ヴィクトリアス・シージップと華奈と独楽(こま)エルデスの北は、切り立った崖に掘りぬいて…

片桐継
3年前

恐竜元年:始まりの三日間の物語

06:ヴァシェとミササギと雷竜のトゥシ北三屋敷の一つ、バードル・ダブスの屋敷も夜を迎えていた。昼と見違うような灯りが贅沢に漏れ、月の光も星の位置もそこから見る事はできない。人が多いのだろう、ざわめかしい庭や屋敷の暗がりにはそれ以外の何の気配も無かった。 「お前は先に食ってろ。俺はバードル様と話がある。食い終わったらこの部屋に戻っているんだぞ」 トゥシは部屋に通されるなりバタバタと身を整えながら、ヴァシェに言い聞かせるように続ける。 「いいか、おとなしくしてろよ。お前は、お前の

恐竜元年:始まりの三日間の物語

07:タツマとユェズと棗(なつ)と蒔(まき)朝が来ている。聞こえてくる街の喧騒と瞼に降る陽の眩…

片桐継
3年前
1

恐竜元年:始まりの三日間の物語

08:キユラ・奥羽とロード・奥羽と六郎佐エルデスの北、ロード・奥羽の屋敷はいつもの華やかさ…

片桐継
3年前

恐竜元年:始まりの三日間の物語

09:ダブスとトゥシとヴァシェとミササギ大地からすっかり顔をのぞかせ、頂へと登り始めた陽が…

片桐継
3年前

恐竜元年:始まりの三日間の物語

10:ユェズとタツマと棗(なつ)蒔(まき)曰く「朝っぱらから歓迎の宴会もちろん酒抜き」と称され…

片桐継
3年前

恐竜元年:始まりの三日間の物語

11:独楽(こま)とスグリムと碧(みどり)起きたばかりの陽光が頂点を目指して上り始めていた。「…

片桐継
3年前
2

恐竜元年:始まりの三日間の物語

12:アーシェント・祥子と皇帝とアンナトリア妃エルデスの全てを統べる皇帝は、空へと向かい切…

片桐継
3年前

恐竜元年:始まりの三日間の物語

13:六郎佐とスグリムと独楽(こま)「紅い髪に黒い瞳、それだけがアーシェントの手がかり、か」 いつになく落ち着いたスグリを前に、一通り話終えた六郎は透き通るように佇む。判っているのは、アーシェント王族の生き残りがひっそりと小さな里で暮らしていたが、《暴君》(レックス)に襲われて全滅したらしいこと、万が一、生き残っているとするならば、その最も恐れるべきその者達は皆、同じ髪色と瞳色をもつ、という情報だけ。 「主のロード様はともかく、この情報は一郎佐だけが持つことを許された情報だ、