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ピロウズ短歌まとめ その4(2023年7月〜8月)

the pillowsの楽曲をモチーフにした短歌「ピロウズ短歌」のまとめ記事です。7月と8月にX(旧Twitter)で投稿した短歌をまとめています。

9月16日はthe pillowsの結成日なので、この日にnoteを更新しようと以前から決めておりました。Xではバスターズの皆さんが916を祝っていますので、ささやかでもその盛り上がりに貢献出来ればと思っています。時期が時期なので夏っぽさを感じさせるような歌もあったりなかったり。

バスターズの人たちはタイトルだけで曲が分かると思いますが、そうでない人はYouTubeや各種サブスクを利用して聴いていただけると、短歌のイメージも伝わりやすいかなと思います。というか、そうなっていただけることを願っています。


穏やかな休日、水面を撫でる風 素直に自由を謳歌できれば
『そんな風にすごしたい』より

『白い夏と緑の自転車~』のシングルB面曲です。この曲を聴いて直感で浮かんだイメージが、まさに「穏やかな休日」でした。短歌自体も、日曜日の昼間に布団でゴロゴロしながらふと言葉になったものです。短歌を作る時ってどうしてもあーだこーだ考えてしまうのですが、時々ちょうどいいリズムで気持ちいい言葉がスッと浮かぶこともあります。
平日は仕事に追われ余裕がなく、休日も疲労によって思うように動けないことが多々あり、その上でやりたいこともやらないといけないこともあって強迫観念じみたものによる息苦しさを感じています。余計なものややりたくないことは全部取っ払って、純粋に自分の人生を謳歌したいです。生きていくにはどうしてもお金や衣食住が必要なので、今はまだとりあえず働かなければならないのですが…。


刹那の灯 傷の深さが見えずとも手と手伸ばせば気持ちは伝わる
『ジョニー・ストロボ』より

さわおさんのBooty callツアーのアンコールにて、弾き語りで歌ってくれた曲。ファイナル公演のアンコールでバンドメンバーがステージに戻ってきた際、ステージ前方の観客たちにグータッチをしていく場面がありました。
僕はフロア端っこの前から4番目くらいの位置にいて、グータッチ出来るか出来ないかの絶妙な距離だったのですが、必死で手を伸ばしていたところにさわおさんも応えてくれた(グータッチしてくれた)のがとても嬉しい思い出になりました。
セットリストやさわおさんの熱意など、今回のツアーに込められた思いが『ジョニー・ストロボ』の歌詞にたくさん」詰まっているように感じます。しかしこの短歌は、上記のグータッチの思い出をギュギュッと濃縮させたつもりです。僕はファイナル公演だけの参加でしたが、とても良いライブでした。


昨日まで選ばれなかった僕らこそあの虹の美しさが分かる
『ハイブリッド レインボウ』より

バスターズにとっては説明不要の代表曲です。ピロウズ短歌を作る時の自分ルールとして、「歌詞の切り抜きみたいにならないようにする」というものがあるのですが、こちらは曲中の言葉を使いながら自分の解釈・その曲の”らしさ”を表現出来た力作なのではとこっそり自画自賛しています。X投稿時も、普段より多くのリアクションがいただけて嬉しかったです。
周りに馴染めなかったり何かを拗らせていたからこそ、ピロウズの曲が心に沁みた人は多いと思うんです。流石に全員がそうとは言えませんが、僕がピロウズを好きになれたのもそういった欠陥があったからこそだと思っています。音楽でも何でも、自分が美しいと思えるものに対して邪念を持たず好きでい続けたい、という気持ちで生きています。


CEO、貴方の手厚な気遣いは間に合っている だからもうこれ以上余計なことをするな
『Advice』より

怒りの感情をかなり露骨に表している曲ですね。複雑な思いを込めてライブのセトリに組み込まれているような時もありますが、実際にこの曲を生で聴くといつもブチ上がります。
察した方もいるかもしれませんが、僕がここで表現した怒りは「ツイッター(現X)の度重なる改悪」です。もっと具体的に言えば「ツイッター買収者に対する怒り」ですけどね。ピロウズとも短歌とも関係なくなるので多くは語りません。文字数が短歌の定型と明らかに合っていませんが、とある歌集で似たような構造の歌を見つけ、そこから怒りに近い感情を読み取ってゾッとしたので自分もどこかで試してみたいと思っていました。最後の言葉は、例の人に僕がぶつけたいありのままの気持ちです。


モノクロのフィルムカメラに映るのは色褪せることなかった記憶
『白い夏と緑の自転車 赤い髪と黒いギター』より

ピロウズの夏曲といえば、これが思い浮かぶ人が多いですよね。この短歌を投稿したのは夏真っ只中ですが、SNSで「どちらかというと夏の終わりっぽい」的な意見を見て、なるほどなと思いました。
僕がイメージしたのは、ありきたりですが「昔のアルバムやビデオをふとしたきっかけで引っ張ってきた」場面です。そう考えると曲そのものの時間軸は、別に夏じゃなくてもいいのかもしれませんね。他にもタイトルの言葉から、どうしても「色」の要素を取り入れたくて完成した短歌です。今年の夏はとにかく暑い!早く涼しくなってほしいけど、そうなったらなったで冬は精神的につらくなることが多いんですよね。


どしゃ降りの道に放り出された先で佇むあの子が可愛く見えた
『天使みたいにキミは立ってた』より

自分の心が弱っている時に人を好きになりやすいってよく言われますよね。この曲にもそういったシチュエーションを感じ取ってしまいます。キミだけではなく、”僕”もしっかり雨に降られている。同じような状況(絶対違うんですけどね)の中にいる女の子に特別な運命を感じ惹かれてしまう…みたいな。
個人的にピロウズ以外でも好きなアーティストの曲を基にした短歌を少しだけ作っていて、元々はその中に近いイメージのものがありました。それをピロウズの曲『天使みたいにキミは立ってた』に合わせ、アレンジを加えて完成した歌です。おおもとのモチーフになったのは、くるりの『さっきの女の子』という曲。こちらもすごく好きです。


キミとキスした夢数えて夜を越す 生き延びるただひとつの手段
『WANT TO SLEEP FOR・・・』より

1991年1stアルバムに入っている、所謂”第1期”の曲です。2004年発売のEP「TURN BACK」にてセルフカバーされています。この曲の一番好きな歌詞が1番の「うつむいた僕を支えているのは希望的観測だけさ」の部分で、無意識にそこを強調するような歌になりました。


7~8月の投稿分は以上です。日常の疲労と想像力の限界で短歌ひとつ生み出すのも前より困難になってきましたが、果たして自分はこれを1年間やり通せるのでしょうか?(ピロウズ短歌は毎週日曜日の夜にXで投稿しています。時々お休みもあり。)

残り4か月、誰に見られなくとも頑張って続けてみます。ここまでお付き合いいただいてありがとうございました。

ピロウズは今年で結成35年目に突入!


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