Public Dairy vol.10「減る/損なう/消える」

雨の続く日々に鬱蒼としていたのに、今日は嫌になる程晴れていた。
ピカピカ光る太陽の下に露出された私の腕は思ったよりも白い。

二日ぶりの日記。
湧き出るものが消え失せたので休んだ。休んだところでこれはただの独り言だから、継続性のない自分を少し恨んだだけだった。

麦の収穫を手伝ってと言われて、麻紐で結束をした。
切り口を綺麗に揃えて、グズらないくらい強く結ぶ。とてもきつく結べたと思っていたのに、
「もっときつく結べ」と父に言われて、まじで言ってんの、と目を落とした手の平に赤い跡が何本も巻きついていた。

箸より重いものを持った事がないような白くて細長い指にずっと憧れていたのに、たかが麦の結束にボロボロになるようになってしまった自分の手のひらを情けなく思った。
短い爪に厚い手の皮に不恰好で泥で汚れた指なんて嫌いなのに。

最近すごく思うことは、終わりが迫ることとか、時間がどんどん減って行くこととか、運んでた米袋に穴が空いていて、持ち上げようと運ぼうとするたびに米粒が落ちて言ってしまう感覚。
何をしても何もしなくても等しく損なわれたり、生きてるだけで消耗したり。

怖くないの?

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