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(感想)映画「RRR」を観て

こんにちは。とみーです。
昨日、インド映画「RRR(アールアールアール)」(2022年/S・S・ラージャマウリ監督/188分)を観てきて、超絶面白くて、これは是非多くの人に観てもらいたいと思って感想を書くことにしました。

でも、楽しみに観て欲しいので、ネタバレはしないように気をつけて書きますね。
観に行ったきっかけとしては、最近「RRRが面白い」といろんなところで聞くようになって、もともと「きっと、うまくいく(3 Idiots)」や「地上の星たち(Like Stars on Earth)」といったインド映画は大好きなので、期待して劇場にいきました。
そしたら想像以上の迫力の映像、繊細な心の交流、残酷な支配構造の歴史、パワフルなアクション、意外なストーリー展開、楽しいダンスや歌。。どこを切り取っても質の高い映画で、期待を大きく超える120%の満足度でした!
僕が観たのは、劇場公開からもう3ヶ月も経ってましたが、それでもほぼ満席状態。これからもブームが続きそうな予感です。
是非、期待して劇場に観に行ってください。

あらすじ

1920年イギリス植民地時代のインド。インド人はイギリス人からの差別と迫害に耐え、貧しい暮らしを余儀なくされていた。
ある森の部族では、イギリス兵により幼い少女が一方的に買われ、連れ去られてしまう。それを取り戻すべくデリーの街に潜入する屈強の若者ビーム。
一方インド人警察官として、イギリス兵の統治のもと、出世を目指し、少女奪還の計画を阻止しようとする不屈の男ラーマ。
相対する立場の二人は、お互いの正体を知らずに出会い、友情を深める。しかし、ある事件をきっかけに究極の選択を迫られることに。選ぶのは、友情か?使命か?

良かったところ

冒頭に書いたように、全てにおいて最高だったのですが、ここでは「ストーリー」「登場人物」「映像」に分けて書いてみようと思います。

ストーリー

ストーリーは、大変わかりやすく、どの観客の心も掴んで、笑い、怒り、悲しみ、楽しみと全ての感情を呼び起こします。長尺の作品ですが、そんなことを感じさせないテンポの良さ。
ビームとラーマの友情を育むエピソードも、インドの象徴的な風習や祭りを散りばめながら丁寧に構成されており、インド人の友情の厚さ、情の深さがよくわかります。
主人公が2人という物語の特性を活かして、ストーリ構成を工夫しているのも非常に効果的です。
一方は少女奪還の為に森を旅し、街に潜入し、きっかけをつかみ、、と順を追って緊張感のあるスリリングな展開で描きます。
一方は不屈の意思を持って、出世の為に使命を果す男が、なぜそこまでこだわるのか、、と、徐々に理由がわかってきます。
真実がわかったときは本当に感動で、涙してしまいました。
そしてインド映画といったら外せないのが、歌とダンスです。通常、唐突感があるものですが、この映画のミュージカルパートはそれがなく、物語の流れの中にうまく溶け込んで、楽しくて楽しくて本当に笑顔になれます。キレッキレのナートゥダンス、クセになりますよ〜。
しかも話の展開的に意味のあるものになっているのが素晴らしい。
全編通して全く無駄のない洗練されたストーリーで構成されていて、世の中にはこんなにすごい監督がいるのかと驚きでした。

登場人物

インド人男性はみんな髭を生やしているので、日本人の僕からすると、ちょっと人物特定に時間がかかったシーンもありましたが、2人の主人公の顔、姿、かたちはしっかり目に焼きつきました。
少し丸顔のビームと、少し面長のラーマ、とにかく2人とも性格も良く、逞しくて、かっこいいです。
2人以外で言うと、イギリス人は徹底して悪役で登場していて、これでもかと言うくらい意地が悪い行動・セリフが出てきますね。でもこの明確な対立構造が、物語としても絵的にも大成功していると思います。
そんな中、唯一優しく性格が良く、美しい白人女性、ジェニーも良かったです。
多分、欧州の人が見たら、イギリス人の悪役ぶりは行き過ぎの気もしますが、彼女の笑顔が、うまく観客の心を中和して安定させている面もあるかなと感じました。

映像

とにかく迫力があり、ダイナミックなシーンが多いです。
肉体同士の激しいぶつかりあいや、武具を使ったアクション、兵器や車両が登場する戦いなど、とにかく色々なバトルが登場します。さらには猛獣も大暴れ。
そしてそのどれも、スピード感のある映像と、スローモーションの効果をうまくミックスさせて、さらに迫力あるものになっています。
また、スケールの大きい建造物や、無数の群衆など、細部まで丁寧に作り込まれているのに感心しました。
アクションも、風景も、もちろんCGを多用しているはずですが、クオリティが高く、ごく自然に見えます。完成度の高さに脱帽です。

まとめ

と言うことで、なんかあらゆる褒め言葉を使っていて、映画のセールスマンみたいになってしまいましたが、本当にその価値がある素晴らしい作品だと思います。
今までは好きな映画を聞かれたら、「きっと、うまくいく(3 Idiots)」と答えていたのですが、今度からは「RRR」と答えようと思います。
予告編を見ると、派手なアクションだらけのゴリ押し映画みたいに感じてしまうかもしれませんが、そんな事はなく、「ストーリー良し」「人間味(ヒューマンタッチ)良し」「アクション良し」のバランスの取れたいい映画です。
是非ご覧になって、映画の楽しさを再確認してください。

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