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お客様は、神さま、、、、、か?

仕事をしていて、悩まされる言葉として
『お客様は、神様です!』
をよく聞かれます。
勘違いされたお客様が、間違った使い方をされて困った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
みなさんは、お客様に喜んでいただこうと思って一生懸命お仕事をされていると思います。だから、その意味も拡大解釈してしまい、微妙なズレにストレスを感じるのではないでしょうか?
こういう類のものは、一度整理しておくといいです。
整理というのも、どこからか、誰からか、正答を教えてもらってそれを覚えるというものではないです。
みなさんがされているビジネスの共通の核となるものを意識しておくだけでいいです。

そもそも、どこからきているか?ですが、
広く伝わったおおもとの話として、三波春夫さんの言葉がありました。
三波春夫オフィシャルサイトの中で、説明されています。

 三波本人が生前にインタビューなどでこのフレーズの意味を尋ねられたとき、こう答えておりました。
 『歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払ってまっさらな、澄み切った心にならなければ完璧な藝をお見せすることはできないと思っております。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。ですからお客様は絶対者、神様なのです』

https://www.minamiharuo.jp/profile/index2.html

このサイトでは、次のようにも書かれています。

 永六輔さんは三波春夫のことを「歌う学者」と呼んでくださいましたが、酒タバコは嗜まず、空き時間は本を読み、作詞やエッセイ、歴史本を書くために原稿用紙に向かっている人でした。

 笑顔がトレードマークのようでしたが、いつも人に笑顔を向けられる自分であるようにと、心がけていました。日常、腹の立つこともありますし、不愉快な思いもしますが、そのまま仕事に入ってしまっては良い舞台はつとめられません。ですから、心の持ち方のスイッチをいつでも切り替えて笑顔が出来るように、と努力していました。

https://www.minamiharuo.jp/profile/index2.htm

ビジネスをする上で、この二つの話はとても大切です。
ものを売るにしても、サービスを売るにしても、です。
ビジネスとは、価値の提供でした。(お金との交換でもあります)
お金を出すか出さないか、買うか買わないか、それを決めるのは、お客様です。そして、お客様は、その商品やサービスを買うのは、価値を認めたから買うのです。
ここで重要なのは、その価値を認めるか認めないかは、お客様だということです。いくら手をかけて、心を込めて、作ったとしても、その価値を認められなければ、買っていただけません。
だから何を価値としているのかを、お客様に聞く、というのもありますが、常にそれが正解というわけではありません。
逆に、見誤ることの方が多いです。
市場調査で、答えを聞くのは、ビジネスで成功させるには、大間違いです。
お客様は、言語化できるのは、現状に対する物しかできないからです。
また、作り手、売り手の方が、いろいろな手段、先端技術などをプロとして、知っています。
だから、改善点を指摘していいただけますが、本当に価値としているものは、言語化できていないことの方が多いです。

また、惜しい例として、作り手、売り手は、特に優等生っぽい人は、競合他社、競合商品との違いを改善したり、説明したり、します。
  ・こんなに、いいものです。
  ・こんなに、手間暇かけています。
  ・こんなに、性能がいいです。
これでは、本物のビジネスをして成功しません。
この一方通行でのやり取りは、間違ったやり方なので、伝わらなくて、
  ・こんなに、いいものなのに、、、
  ・こんなに、手間暇かけて作っているのに、、、
  ・こんなに、性能がいいのに、、、
それを思ったとしても、そういう前提は置いて、素の状態で、お客様に向かい合うことで、真の価値が見えてきます。
ビジネスの本質である、価値の提供の価値を定義することの意味は、これです。お客様が価値を判断するので、売り手側が、価値を押し売り、押し付けしてはいけないということです。

ということを、オフィシャルページからは、そのビジネスの本質を伺うことができると思います。

というところは、なんとなくそうかなぁって思っていた。
うん、そういうことだね。よくわかる。
で、終わりそうですが、ここで、よくあるご質問が、
『ということは、結局お客様は神様です、の意味は、誰もお客様には逆らえないってことでしょ。世の中の困った例は、ほとんどが、それに従わなければいけないってこと?』

ここで、重要なのは、
    企業理念、なんであなたたちの会社は、そのビジネスをしているの?
  誰を対象に、どういう状態になって欲しくてビジネスをしているの?
です。
ペルソナという言い方をされる方もいますが、そういう言い方よりも、まず、そのビジネスを始めた時に思っていた実現したい状態そのものをイメージしてみてください。
それを整理したものが、ペルソナです。
人には、価値とするものがそれぞれあります。
また、同じ人でも、何を価値としているかは、その時々や、環境、時代など、いろいろな要素で変わります。
駅の立ち食いそばやさん。忙しい中での移動時によく使いますが、すぐに出てきて、早く食べれて、あの値段で、美味しい、とても助かっていますし、幸せを感じることも多いです。
価値としているものは、食事なので、空腹を満たすということだと思いますが、付加価値として、早さ、値段、と味もあります。
一方で、ゆっくり時間をかけて食べたいフレンチやイタリアン、和食のコース料理です。
単にお腹を満たすというよりも、幸せな時間を楽しむ、というのがあります。
どちらも味がダメなら、価値として認められませんが、それ以外の占める要素がしっかりと必要だということです。
同じ人が食事をするにしても、立ち食いそばの時と、フレンチの時で、要求レベルが違います。そこで設定されている価値が違います。
とすると、みなさんは、どういう状態を実現するために、その商品やサービスを市場に提供していますか?
そのクレームと言われているものは、それに対応することで、対応を前提とすることで、本来の対象とするお客様へ悪影響が出るなら、クレームのお客様のご要望は、『対応できません』がビジネスとして正しい対応です。もちろん、言い方や接し方も重要ですし、その前に、お客様が間違えないような売り方や店作りをしておくことは絶対です。
お客様は、神様なので、言われることはなんでも聞かなければならない、は大間違いです。神様として、捉えることで、自分視点ではなく、しっかりと聞いていきましょう、です。
自分たちのビジネスへの悪影響、無意味なことは、発生させない、対応しなくていいように仕組みを作っておきましょう。

ビジネスは価値の提供です。
その価値は、お客様が決めます。
(定義は、売り手、作り手がしっかりとしないといけません)
その本当に欲しいと思っている理由をしっかりと理解して、それにあった商品やサービスを提供することです。単に売り物となっている商品やサービスだけではなく、売り方、接し方、ビジネスでの価値の提供に関する全ての項目を最適化し、高価値化していきましょう。
対象となるお客様以外の方へのアンマッチ具合が問題になるなら、それが発生しない工夫をしておきましょう。お客様も自分たちも不幸にならないように。
また、そういう時に、新しい価値を知ることができます。
同じようなものでも、対象を変えることで、そこに合わせた価値のシフトをすることで、新しいビジネスができて、広がっていくこと、広げていくこともできます。
お客様との接点は、価値の提供だけではなく、人で言うと五感、つまりビジネスにおける最も信頼性の高いセンサー、情報取りでもあります。
提供させていただく、それを買うこと、使うことで幸せを感じて欲しいと心から思えることが、もっとも基本的なことです。完全否定するのではなく、それがターゲットとしてのズレによるものであるば、しっかりと聞いてみましょう。
腹落ちさせて、ビジネスの完成度を上げましょう。
お客様からの提供した価値に対する反応をしっかりと受け止めておきましょう。
そして、価値を構成する要素を、しっかりと確認して価値の向上をしていきましょう。

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