二十首「遠くの風」


「遠くの風」

「水きらい」っていうきみの夢の手のひらに金平糖がころがる

ごめんなさい、恐竜の日だから意味のないことも言います笑って聞いて

恋人はぷかぷぱねむり網戸から落ちてきている夏の目覚めが

きいて・きみに・あうひ・こんな・ふうに・りぼん・うまれ・じゃんぷ

ゆれる・たんぽ・ぽから・はしる・りずむ・とんで・ぽかり・ぷはあ

さくら・しべは・ふるる・るるる・おちる・までの・そらが・いたい

うみは・つきは・かるい・いつか・わたし・はだし・みせる・から

これは・あのね・あぽか・りぷす・ぽすと・へたに・ひらく・すきよ

こんな・うたの・おわり・ばかり・またね・らいせ・そして・くらし

桃光るとき感情に真夜中の霧雨降らせ約束をねむる

抜けだして早朝を歩けばカルピスの夏の水面にひかりは積もる

どんな水脈にもあるという短調の星辰に降る悲しき真珠

スコールがネイルを濡らすグラグラの嘘をつかれる心エナメル

女だから水は飲まない。女だから夏と冬しかいりません。

「アマリリス・アーカイブ」とかだせー名で折り紙ためるきみが好きだよ

一枚の硝子が散って水平線少女が風を一段飛ばす

来世では他人になれる星のないいちご畑で撃ち抜かれると

貝がらの国でもはかせ、たましいはアセロラ色の楽譜でしたよ

恐竜を最近みない砂場ではみくっすじゅーすがぶちまけられた

98年のコンピューターにさみどりの雪、映画はそれだけ

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