社内で誰と「戦う」のか?

はじめに

この記事は Ateam LifeDesign Advent Calendar 2022 2日目(カレンダー2)の記事です。
昨年のアドベントカレンダー投稿時に引き続き、私自身はエイチームグループでエンジニアやデザイナーの組織をマネジメントする立場にありますが、この1年で大きく弊社は再編し、私自身のミッションも大きく変わった1年でした。

詳しくはこちらでアナウンスされてますが、エイチームグループのデジタルマーケティング支援事業群を一つの会社に統合して、
一人ひとりの、暮らしの「まよい」を「よかったに」
・・をより体現できるようなサービスづくりに邁進しております。
私自身の役割としても、昨年は20名弱のメンバーと、管轄事業が2事業というサイズ感から、70名超のメンバーと管轄事業が10を超える大所帯を任されることになりました。

さまざまな異なるカルチャーだったチームが一つの組織に統合した事で、絶賛さまざまな混乱に対処している日々です。
基本的には職種問わず、非常に仲良く協力的な社風であるエイチームグループですが、職種や役割の違いにおけるさまざまな意見の相違はどんな組織であれあるものですが(そして、それ自体は健全な状態です)、一時当社の中で私が感じた強烈な違和感ある会話の文脈があり、社内に向けて発信した短い文章があります。
在籍400名ほどの当社ですが、その1/8ほどの方(50名)がこの文章にリアクションをつけてくれてそれなりに反響を呼びました。

本稿はその社内向けに投稿した文章が、社外の皆さんにとっても通ずる課題でもあるかと感じ再編した内容になります。大筋の文脈はまったく同じです。このような発信はある意味会社の空気をピリッとさせるものではありますが、こういった発信を前向きに捉えて議論が続けられる所が、私が当社が好きな理由の一つになります。

ゆるい文章ですがお付き合いください。

発信の背景

当社は2022年2月に法人として統合したものの、発足当時は元々グループ各社に点在していたチームの組織構造をほとんど変えずに寄せ集めた状態でスタートしました。各々で築いていたカルチャーはそれほど手を入れないまま、まずは新会社としてのソフトランディングを狙った格好です。

そして、本格的に会社統合の目的達成に向けて組織を再編して稼働開始したのが半年後の2022年8月。このうち、私のミッションは当社のデザイナーとエンジニア(の大半)を擁するプロダクト開発部門の組織デザインをすることと、その新組織をスムーズに滑り出す指揮をとることでした。

(以下より、実際に社内発信した文章を一部改変して転記します)

組織再編の際に聞こえた違和感あるワード

様々なカルチャーを下地にもつチームのリーダー陣や現場のメンバーたちと対話するにつけ、一部にこんな声が聞こえてきました。

「これまでは制作・開発部門が負けてしまう事も少なくなかった。上司である馬場(b_b)にはぜひ負けないよう、戦ってほしいと期待している」

言いたいことはよく分かりました。
同時にとても大きな違和感を感じました。

同じ会社で同じチームであるべきなのに(そのために会社統合したのに)
一体社内で、誰と、何と戦うのだろうか?
何か問題意識がズレているような気がしました。

チームってこうあるべきでは?

社内の小競り合いに焦点あてるんじゃなくて、
「みんなでもっと上手に議論ができる組織になる」としたほうが建設的じゃないですかね?

発信者は、自分の立場や性格上の態度や怖い顔(これは私のこと)が、
健全な議論の妨げになりうることを理解して、対案や反論を自ら促す。。とか、
脊髄反射的に激昂した態度を取ってしまって健全な議論を妨げてしまったら、気づいた時にそのことはちゃんと謝罪する(立場がどうあれですよ?偉い役職のみなさんも)とか、

対案があるなら、率直にきちんと出すとか、
事前にアジェンダに、自分の主張を文字で整理して提出しておくとか、
上司に同席してもらって、対案側の参画の仕方をちゃんと学ぶとか、
「つい負けちゃんだよね」と思う人は、それなりに上手くなるための努力があるはずです。

会議のルールやフォーマットが効果的でないなら、提案すればいいです。
提案・リクエストを理不尽に聞き入れない懐の狭い会社ではないですし、私は話を聞くことは約束します。

(ここまでが社内発信した文章です)

その後どんな議論を生んだか?

賛同のリアクションが続々届くとともに、私が管轄するデザイナー部門のマネージャー陣と対話した際に、率直に反論の声ももらいました。議題が他にもあったMTGでしたが、感情のぶつけ合いではなく、異なる視点のぶつけ合いで、私としても気付きが多い実りある時間でした。

様々な指摘や反論が複数のマネージャーからぶつけられ、そのどれもがなるほどと思わされる示唆に溢れ、頼もしいチームだなと思いました。
その中でも特に、早く社内に追加で発信したいと思った気づきがあり、その日の晩に筆を取りました。

(ここからが2日目の発信内容)

上手な議論は「目的」ではなかった

昨日の日報で書いた、「社内勝ち負けじゃなく、上手に議論ができる組織でありたい」の話。
ありがたいことにあの話を基点として、色々な人と会話させて貰いました。
会話しながら私なりに、昨日書ききれなかったことや気づきを得ました。

上手な 議論 →  より質の高い 議論
言いたかったニュアンスはこちらの方が近かったです。

議論参加者の「議論の上手さ」で結果が左右されることがままありますが、
我々が議論をする目的は、すべて会社や顧客やプロダクトをより良くするためです。
であるなら、「上手さ」の追求ではなく、限られた資源(時間やお金)の制約内でいかに「質の高い」結論に着地するか?が本当の追求点です。

その場合に、「個人の&チームの議論の上手さ」は引き続き重要な要素ですが、同様に「議論参加者それぞれの知識量や経験量」も同じくらい重要な要素です。

口先だけ上手くなって、穏やかに会話が終始しさえすれば「いい議論だった」とはならないわけで、そう誤解していたかもな、、と反省です。

(2日目発信ここまで)

おわりに

冒頭で触れそびれましたが、エイチームグループの重要な文化の一つとして、全社員ができるだけ毎日「日報」という形態で社内発信を継続している、、という活動があります。

いわゆる事務的な業務日報に留まらず、その日に得た気づきや、社内に広く問いかけたい発信、日常のゆるい話題も織り交ぜて、
書く人のカラーが色濃く出る、全社員が毎日楽しみにしている取り組みでもあります。

本稿は私の日報として社内発信した内容を、社外の皆さんにも読んでいただけるように材料を使い回して拵え直した、いわば賄い飯のようなコンテンツです。

大きな学びを得ていただく程でもないライトな内容ですが、それでも社内の小競り合いに疲れた方への示唆になっていたり、学びはなくても当社の文化に触れていただく一助になっていれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?