ずっと忙しがってる上司に、部下がすべきこと

はじめに

この記事は Ateam LifeDesign Advent Calendar 2022 6日目の記事です。
(弊社はカレンダーを複数展開しますが、本記事はカレンダー1に寄稿しています)
昨年のアドベントカレンダー投稿時に引き続き、私自身はエイチームグループでエンジニアやデザイナーの組織をマネジメントする立場にありますが、この1年で大きく弊社は再編をいたしました。

詳しくはこちらでアナウンスされてますが、エイチームグループのデジタルマーケティング支援事業群を一つの会社に統合して、
一人ひとりの、暮らしの「まよい」を「よかったに」
・・をより体現できるようなサービスづくりに邁進しております。
私自身の役割としても、昨年は20名弱のメンバーと、管轄事業が2事業というサイズ感から、70名超のメンバーと管轄事業が10を超える大所帯を任されることになりました。

エイチームグループの中でも際立って大所帯な子会社が発足して早10ヶ月が経過しました。この規模の会社再編に関わる機会というのは、いくつかの会社を渡り歩いてきた私のキャリアの中でも初めてです。
大きな希望・ビジョンの元取り組んでいることですので、非常にエキサイティングですし、同時にみなさんご想像のとおりさまざまな混乱・課題が生まれ、例年になく忙しい毎日を送っております。

そんな忙しい毎日の中で、自身の部下でもあるマネージャー各位と、それに連なるメンバー各位に向けて、先日社内発信したメッセージが本記事の趣旨です。初出はあくまでも弊社の社内向けに編んだコンテンツですが、社外の皆さんの困りごとの「腹の足し」になるようなまかないメシのつもりで本稿を再編しました。
ゆるい文章ですがよければお付き合いください。

タイトルにちょっと過激な予感を孕ませておきましたが、結構当たり前なことしか言いません。

あなたの上司(マネージャー)、”ずっと”忙しそうですか?

皆さんの周りのマネージャー、暇そうですか?
常に暇そうにスポーツ新聞を読んでいる、ステレオタイプな働かない上司像はエイチームグループではまず見かけることはないのですが、弊社社員ではないこの記事を読んでいただいている皆さんの会社ではいかがでしょうか?
あるいは、皆さんの周りのマネージャー忙しそうですか?
おそらくほとんどの方は忙しそう、、と答えるでしょう。
では掘り下げた質問で、皆さんのマネージャー(上司)が忙しそうにしていて、
皆さんにとって困ったことは起こっていませんか?
「質問や相談を気軽にしてよいか憚られ、遠慮してしまう。」
などのちゃんとした支障が出ているなら要注意です。

部下がいつも忙しがってるマネージャーに言ってほしいたった一つの言葉

チームのため、会社のためを思って、そんなマネージャーには
「もっと余裕を作ってください、困ります」としっかりリクエストしてあげて欲しいです。

プレイヤーの皆さんはある程度まとまった連続時間の確保が、生産性向上には必須です。
そんな前提があるので、「マネージャーの責務の一部を、私が肩代わりしましょうか?」を気軽に口にするのは気がひけることでしょう。
それでもマネージャーを助けられるシーンがあるなら是非力添えください。
とはいえ、皆さん個人のミッションを優先すべきと考えるならその意志は貫いてください。
ではマネージャーに「余裕を持ってください」と言う”だけ”なのは無責任な行動でしょうか?

否です。リクエストすることだけでも十分意義があります。
いろいろな問題が山積みなシチュエーションで、マネージャーだって人間ですので、ついつい、物事の取捨選択に回すキャパすら、自分のタスクで詰め込むことに終始してしまいます。

弊社のような複数メディアを運営し、マネージャーが複数のプロダクトラインをマルチで管轄するようなスタイルの職場においては、マネージャーは「自分と、チームと、会社の仕事を選別すること」の責務と権限があります。

環境の違いはあれど、会社が・職場が・上司やみなさんが、さまざまなミッションを同時並行で取り組まなければならないシーンは(極力避けたいものの)思いのほか多いことでしょう。
マルチタスクは罠がいっぱいです。一つ一つの仕事への集中はどうしても薄れてしまい、やっつけ仕事・こなし仕事に、ご自身の意図するところと反してもどうしてもそうなってしまうでしょう。

なぜ上司がいつも忙しくしてたらいけないのか?

組織の活動方針を・計画を誰よりも責任もって取り組むべきマネージャーが、部下である皆さんからの報告や連絡や相談を、数多に渡る「捌かないといけないタスクの一つ」として埋没されてしまうとどうなるでしょうか?
想像したくはないですが、さまざまな「より良い仕事をするための重要なコミュニケーションが遮断」されてしまいますよね?組織においてコミュニケーションが停滞することは、どんな職種・取り組みであれ崩壊の始まりです。

マネージャーが誰よりもテンパってるチームは、私の経験上まったくいいことがありません。私自身の経験で、プロジェクトが炎上した時に「よし、俺が徹夜してでも何とかすすめておくよ!」と自分を投入して、その後の展開が良い方向に転んだ試しがありません(私の力不足・・?でも本稿ではこういったムーブは明確な悪手である、、と決めつけて筆を進めます)

目先の多忙にかまけて思考停止してしまう罠は、私自身の自戒を込めてあちこちに潜んでます。
そんな思い込みゾーンを、メンバーのみなさんが「マネージャー、気を確かに!」の一声で脱出するきっかけになります。
同時に、皆さん自身のタスク過多の状態に対しても
マネージャーにきちんとリクエストを投げてください(自分でできる調整事項も多々あるはずです。そこは当然お願いします)

上司に「暇になれ」は、あなたにとってヤブヘビか?

マネージャーはさまざまな事象の交通整理・取捨選択の先陣を切る責務をもっています。マネージャーへ「忙しくしないでください」とリクエストすることは、そのまま「あなたに〇〇をお願いしたい」と予期せぬ仕事を増やす形で返ってくるかもしれません。

ただでさえ忙しい皆さんにとって、さらに自分を忙しくさせることは何よりも避けて通りたいことでしょう。
私としても、それでゴールだとは全く思っていません。

それでも、マネージャーに「暇になれ」を唱えることは、あなたのチームを本当に生産性高いフォーメーションに再構築するために、最初の一手として必ず行わなければならないのです。
マネージャーはチームの指揮官です。マネージャーが正気を取り戻し、チームのいたずらに業務過多な状態に冷静に目を向けて、本来そのチームが取り組むべきコトにフォーカスする意識に立ち戻ることが次に目指すべき状態です。

マネージャーが目先の苦しさから楽になるためだけに「じゃあこれを代わりにお願い」と言い始めたら、(あなたの所属するチームに本当の心理的安全性が担保されているなら)、「まずはチームの仕事を整理しましょう。その上で私の仕事が整理されたうえで、会社・チームに貢献することに繋がるなら引き受けます。それが無いのにただ仕事を誰かに付け替えるのは一旦待ちましょう」
くらいは言い返しましょう。これは喧嘩ではなく、マネージャーを筆頭に冷静さを失いつつあったチームをクールダウンさせるための重要なフォロワーシップとしての所作になるはずです。

上司が暇になってくれた後に、部下がチェックすべき上司の所作

慢性的な忙しみからチームを挙げて抜け出したその先で、
マネージャーは余裕をもった振る舞いはしているものの、先のこと(例えば半年以上、1年以上)を見据えた会話や仕込みアクションを全くリードしていないな、、と思ったら
「もっと仕事してください」と言ってしまって良いです。
先々に手に入れるべきものをきちんと見据えようとしていないなら論外、見ていたとしてそこに向けた布石を置こうとしてる仕草がないなら言ってしまっていいです。

マネージャーはチームの活動をさまざまな制約の中で破綻なくやりくりさせるための調整役であることはもちろんながら、チームが先々進んでいく方向を率先して策定し指し示すリーダーとしての役割も大きいのです。
炎上の火の手が収まっても暇していたら、容赦なく突き上げてください。

おわりに

弊社の、私の配下のマネージャーの皆さんに私自身が「暇になれ」「ちゃんと仕事しましょう」を行ったり来たりしながら問いかけています。
同時に、弊社では私自身がついつい忙しさにかまけてさまざまな所作を雑にしてしまったら即座に配下のマネージャーやメンバーの皆さんが指摘してくれます。

つねづね、社内のみんなからの指摘なくとも泰然と振る舞えるマネージャー・リーダーでありたいな、、と思う一方で、
こうやって役職などで不毛に遠慮されることなく、率直に指摘してくれる仲間に恵まれていることが、組織で働くうえでのこの上ない喜びだったりもします。
(とかいって甘えてばかりのつもりはありません。今日より明日は、もっとちゃんとしていきます)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?