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Bs大卒社会人の歴史②

前回投稿した大卒社会人投手版はこちらから!

今回は個性派ぞろいの野手編です。

前回、選手がかなり多くスクロールが面倒にも感じたため、一部選手は目次から直接選手紹介に飛べるように改良しました。

高卒・大社分離時代のドラフト

森山周 2006~12(7年)

報徳学園高→大産大→ヤマハ 2005年大・社5位

背番号0

内外野守れる俊足のユーティリティー

大石政権に移行後、代走を中心に出番が増加

2010年には外野手の準レギュラーとして、打率.331を記録

翌年は代走で一軍定着も打撃が振るわず、安達了一や小島脩平といった近いタイプの選手が出番を増やしたことで12年限りで退団。

楽天移籍後に代走の切り札として日本一を経験した。

(通算成績)476試合 536-129.241 28打点48盗塁 OPS.550

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2部ドラフト廃止後の指名選手

宮﨑祐樹 2011~19(9年)

長崎日大高→亜細亜大→セガサミー 2010年3位

背番号24

カブレラの退団に伴いT-岡田のファースト専念説も出るなど、外野のレギュラーが坂口以外確定していない状況下で1位指名の駿太(後藤駿太)、5位指名の深江と共に入団した外野手。

1年目は一軍出場なしも、2年目に初安打が初回初球先頭打者本塁打という鮮烈デビューを果たした。

2015年にはクリーンナップ起用、17年には前半戦快進撃の立役者とレギュラー定着こそならなかったが、グラウンド内外で存在感を残したムードメーカー

俊足と評されることが多いが、盗塁は苦手で盗塁失敗数は成功数の2倍

(通算成績)234試合 578-139.240 8本塁打48打点 5盗塁 OPS.649

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安達了一 

2012~(9年)

榛名高→上武大→東芝 2011年1位

背番号3

高橋周平(中日)のくじを外したのちに指名した社会人No.1ショート

レギュラーの大引が腰痛を抱えていたこともあり、即戦力としての期待が高かったが、ミスの多さと打撃不振も重なり同期で同じ内野の縞田、小島(後述)以下の打撃成績に。また、1試合だけ外野起用も。

大引が移籍して迎えた2年目以降ショートのレギュラーに定着。

入団直後は派手なプレーも多い反面、危なっかしい守備も多かったが森脇監督の指導もあって確実性がアップ、今宮(ソフトバンク)をも上回るUZRを記録する守備でも度々チームを救った。

2016年に潰瘍性大腸炎を発症し、離脱を余儀なくされる不運もあったが、2018年にはオールスターに出場するなどチームの顔へと成長した。

オリックスが指名した大卒社会人で唯一2回以上規定打席をクリアしている。

(通算成績)964試合 3080-750.244 35本塁打283打点 118盗塁 OPS.637

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縞田拓弥 2012~18(7年)

東福岡高→日大→JR東日本 2011年2位

背番号33

社会人No.1のディフェンス力を評されたショート

社会人No.1に加えNo.2もオリックスが指名する結果に。

内外野を守るユーティリティーとして、2015年には80試合に出場したが、打撃面で思うような数字を残せず、2015年以外は1割台に終わった。

引退後、スカウトに転身すると2年連続担当選手がドラフト1位で指名される快挙を成し遂げた。

現役時代一軍での盗塁失敗はゼロ

(通算成績)231試合 285-54 .189 4本塁打26打点 5盗塁 OPS.550

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庄司龍二 2012~14(3年)

背番号49

箕島高→大体大→ジェイプロジェクト

日高、鈴木、辻とベテラン捕手が多いチーム事情もあり、伊藤光(現DeNA)のライバル候補として指名されたジェイプロジェクト出身初のプロ野球選手

打てる捕手としても期待されたが、一軍出場はなく3年で退団。現在は警察官

小島脩平 

2012~2020(9年)

桐生第一高→東洋大→住友金属鹿島 2011年7位

背番号38

社会人時代に若獅子賞にも輝いている俊足の二塁手

1年目から外野での起用も含め29試合に出場。安打の約4割が内野安打と足の速さでアピール、2015年に初のサヨナラ打を放つと、翌年はセンターを中心に出番を79試合に増やした。

2017年には開幕スタメン、プロ初本塁打を記録。以降は打撃面で苦しんだが、2019年には前半戦は打率3割を超え、3番や5番での起用も。代打打率は.333と好成績

ユーティリティープレイヤーとして内外野全ポジションをこなし、2016年には不振の駿太に代わりセンター、17年は西野に代わりセカンド、19年はレギュラー不在のサードで出番を確保するなど、基本はチームの穴に臨機応変に対応する事が求められていた選手。

選手としては俊足ながら盗塁は苦手であり、直球を転がし内野安打を狙うスタイルで低めを苦手とする。

監督によって二転三転する起用法で9年戦い抜いた男は、「理想の大卒社会人下位指名」のようにも感じられる。

(通算成績)393試合 836-175.209 6本塁打56打点 26盗塁 OPS.524

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川端崇義 2012~17(6年)

東海大相模→国際武道大→JR東日本 2011年8位

球団最後の本指名でプロ入りを果たした俊足巧打のオールドルーキー

入団直後にサードコンバート案も出たが、坂口、T-岡田の離脱や赤田の不振も重なり5月以降レギュラーに定着し、規定打席に到達。オリックス・バファローズ2人目の新人100安打を達成(1人目は大引)

2年目以降怪我や糸井の加入もあり、規定打席に到達することはなかったが、左投手相手のスタメンや代打を中心に存在感を残し、6年間プレーした。

新人ながら規定打席に到達した選手は川端以降おらず、もちろん球団内で新人安打数はトップ、2019年に中川が記録目前に迫ったが、球団が高卒中心のドラフトに転換しているため「川端の壁」はこれからも多くの新人を退けるであろう。

(通算成績)366試合 1026-262.255 5本塁打73打点 21盗塁 OPS.624

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西野真弘

2015~(6年)

東海大浦安高→国際武道大→JR東日本 2014年7位

背番号39(2015~16)→5(2017~)

167センチと小柄ながら俊足と巧打が光る内野手

実戦向きとの評価を受け1年目から新人王まったなしの成績も故障で離脱、2年目には全試合に出場し、リーグトップの7本の三塁打を記録するも、17失策と後半は疲れの影響か失速

2017年からは尊敬すると話す平野恵一の背番号を継承したが、不振でレギュラーに定着を明け渡すことに。

以降は大城の台頭や、福田の加入もありサードに回ることが増加

調子が上向くと怪我をする不幸体質もあり、ここ数年はライバルに押され気味だが4番を任されるなど打撃面での信頼は厚い。

2021年は大逆襲のシーズンにできるか?

(通算成績)439試合 1434-378.264 8本塁打109打点 41盗塁 OPS.666

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小田裕也 2015~(6年)

九州学院高→東洋大→日本生命 2014年8位

背番号50

俊足が光る外野手。指名当初は西野と双璧を成すイケメンで女性人気が高い

1年目はシーズン後半からレギュラーに定着し、100打席未満ながら.800を超えるOPSを記録

翌年以降は打撃で苦しみ、代走からの守備固めが起用の大半となるが、2018年に打撃が開花

以降はスタメン、代打、代走、守備固めとあらゆる役割をこなしている。

サヨナラの場面での勝負強さや、立っているだけでサヨナラ勝ちに導く、宿敵・金子弌大から2019年唯一本塁打を放つなど「何か持ってる男」でもある。

411試合 568-136.239 8本塁打52打点 33盗塁 OPS.628

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鈴木昂平 2016~2019(4年)

東海大菅生高→東海大→三菱重工名古屋 2015年7位

背番号40

守備力の高さで信頼をつかみ取った内野手

主な出番は中島や小谷野といったベテランの守備固めが中心だったが、2019年にはスタメン起用も増加

世代交代を促進する関係上戦力外になるまで、4年連続開幕一軍入りし40試合出以上に出場している。

また、バント技術にも定評がありバントをするために代打出場をすることが福良政権では時折見られた。

守備固めが出場の大半を占めたため、打席<出場数

ちなみに打点を記録したのは1年目のみ。

(通算成績)218試合 136-23.169 4打点 OPS.417

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杉本裕太郎 2016~(5年)

徳島商高→青山学院大→JR西日本 2015年10位

背番号99

「ラオウ」の異名を持つ大型外野手

バットに当たった打球は規格外の飛距離を誇り、通算53打席目で初めて単打を放った「長打しか打てない男」は昇格直後はド派手な一発を放つも、すぐに対策されて二軍落ちすることが多く、確実性に不安を抱えていた。

迎えた2020年はバットを軽くし、コンタクトを意識する打撃スタイルに転換

中嶋監督代行が就任すると同時に一軍に昇格すると、怪我でシーズンを終えるまでに2度の4安打を含む34本のヒットを記録

コンタクトを重視しても「ラオウ」の名にふさわしいパワーは健在であった。

支配下に残る同期の社会人が杉本のみとなった中、調子の波を減らして力と技を融合した打撃で来季こそ天を握る!

(通算成績)76試合 210-47.224 9本塁打34打点 2盗塁 OPS.669

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飯田大祐 2017~20(4年)

常総学院高→中央大→ホンダ鈴鹿 2016年7位

背番号45

正捕手争いを激化させることが期待された、強肩オールドルーキー

キャンプでアピールも、教育リーグで負傷し出遅れ

入団から2年連続で怪我もあり一軍でも数えるほどしか出場できずに現役引退となった。ファームでは投手により多くの球種を要求し、若手を引っ張る役割を担っていた。

(通算成績)12試合 13-0.000 OPS.053

福田周平

2018~(3年)

広陵高→明治大→NTT東日本 2017年3位

背番号4

小柄ながら橋戸賞、日本代表選出と社会人屈指の実力を誇る遊撃手

プロ入り後は主に二塁を主戦場とする。

ボールをじっくり見るスタイルを徹底しており、ボールスウィング率が非常に低い。三振と四球の数に乖離がほとんど見られないことからも選球眼が非常に良いことがわかる。また、左投手を得意としている。

2019年にはキャプテンに就任し、規定打席に到達、30盗塁を記録するなどチームを引っ張った一方で、ISOの低さや盗塁失敗の多さといった課題も抱えた。

2020年は怪我で出遅れたこともあり三塁での出場も増加、長打が増えたことで初めてOPSが.700を超えた。

出塁能力の高さから、リードオフマンとしての期待も高いだけにフルシーズンの活躍が求められる。

(通算成績)324試合 1047-268.256 3本塁打77打点 59盗塁 OPS.669

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山足達也 2018~(3年)

大阪桐蔭高→立命大→ホンダ鈴鹿 2017年8位

背番号36

俊足がウリのユーティリティープレイヤー

1年目にはオープン戦で打ちまくり開幕スタメンを掴んだが、すぐに離脱。復帰後は福田にリードを許す形となった。オフには外野にも挑戦

3年目の昨季は内野が相次いで離脱する中で、キャリアハイの63試合出場

対左では3割超の打率を記録したが、福田の復帰後は出番を減らした。

左に強いという長所や、三塁も守れるという点は福田も備えているだけに、いかに安達や大城、福田といった二遊間を争うライバルを上回る"武器"をアピールできるかが今後の明暗を分けそうだ。

(通算成績)116試合 217-41.189 3本塁打20打点 5盗塁 OPS.517

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まとめ

在籍年の平均は5.79 中央値は6となった。

前回の大卒社会人投手のものと近い数値になった。

オリックス・バファローズという球団が近鉄とBWの合併によって生まれ、両球団の主力が混在しているチームということもあり、世代交代に苦労したという印象がある。

近鉄、BW出身の主力が衰え始めた中で、黎明期に指名した高卒選手が育っていなかったため、2011年のような大卒社会人野手の大量指名が行われたことで、堤や三ツ俣といった即戦力中心ドラフトと近い年で指名された高卒は二軍のレギュラーより先がなく、燻ってしまったのではないか。

世代交代に苦労したため現時点では、高卒の中堅がほとんどいないオリックスであるが、山足を最後に大卒社会人野手の指名はストップしており、高卒が中心となって次世代のオリックスを作る基盤は着実に整備されている。

今後の大卒社会人は、一時的に足りない部分を補う小島のような選手が必要になれば指名されるのではないか。そうなると、もちろん内、外野共にユーティリティー性が問われそうだ。

内外野守れるユーティリティー、俊足が多くを占めるオリックスの大卒社会人ではあるがドラフト方針の転換に伴い、今後どういった指名になるのかも期待したい。

参考サイト

http://pospelove.com/draft-new-buffaloes.htm