ミッドレンジシュートのシチュエーション別試投数の推移

こんにちは

※本投稿は下記記事のシリーズ物のような内容です。

もはや周知の事実ですが、昨今のバスケの潮流はミッドレンジシュートを減らす方向に進んでいます。試合や選手のショットチャートの画像、具体的な数値を元に投稿されているのをよく見かけます。

でもそういった投稿を見ていて気になるんです。

総数しか見てなくない!?

どういうことかというと、試合ごとや選手ごとのデータはよく見かけますが、シチュエーションごとに細かく分析した投稿をなかなか見かけないんです。


会社に例えるなら、売上が下がった時に「売上が下がっちゃったよ(;´д`)トホホ…」と言っているだけのように思えるんです。

会社の場合は事業部や地域etcなどで細かく切り分けて、どこで売上が下がっているのかを分析すると思います*1。

しかしミッドレンジシュートの本数に関して言うと、そうした投稿が見当たらない*2。

じゃあ自分でやるか!ということで本記事を書きました。


それでは以下、具体的な内容になります

前提

まずミッドレンジシュートのシチュエーションには何があるのかを検討する必要があります。もちろん、実際にデータが集計できる必要もあるので、今回は下記のシチュエーションを見てみることにしました。

・クラッチタイムと試合全体(クラッチタイムは残り5分で5点差以内の状況*3)
・レギュラーシーズンとプレイオフ
※他にもC&Sかpullupかなど見てみたかったのですが、データが見つからず。。。

具体的には、クラッチタイムと試合全体を比較してミッドレンジシュートの本数などになにか大きな変化はないかを見ていきます。

ちなみに、私はクラッチタイムやプレイオフのようなタフなシチュエーションではミッドレンジシュートが増えると予想しています。

データは2008-09、2013-14、2018-2019の3シーズンです(特に記載がない限りレギュラーシーズンのデータ)

また、元データやコードは下記に載せていますので、興味のある方は御覧ください。

分析~クラッチタイム~

クラッチタイムですが、実は取れるデータが総得点に占めるミッドレンジシュートの得点の割合だけでした。
本来ならFGAやFGMを見たいところなのですが、仕方ありません。
仕方ないので、ついでに2PT全体や3PT、FTの占める割合も見てみることにしましょう。
※元データはこちらから公式サイトでチェックできます。

数値は下記の通りです。

画像1

どうやらクラッチタイムではFTの得点が占める割合が高くなるようですね。

2008-09シーズンは試合全体では19.1%なのにクラッチタイムでは30.5%
2013-14シーズンは17.6%→29.8%
2018-19シーズンは15.9%→25.3%

言われてみればクラッチタイムはシュートファウル多くなりがちな気がするので、この違いは納得です。

ただ、ミッドレンジの割合が見たいのにこれでは見えづらいので、FTの得点を除いたverで比較してみましょう。

FT分を省いて調整した数値が下記です。

画像2

あまり変化ないですね

強いて言えば昔のシーズンはクラッチタイムになるとミッドレンジの得点割合が減っていますが、これがFGA減ったからなのかFG%が低くなったからなのか、それらが複合された結果なのかは不明です。

逆に、昔のシーズンは3Pの得点割合が高くなっているのは興味深いです。
私は当時のNBA事情に詳しくないので、こういう結果になる理由等が思い浮かぶ方には教えてほしいです。

シーズンごとのばらつきもチェックしてみましょう。

画像3

クラッチタイムの方が若干ではありますが、横に広がっている印象があります。
もしかしたら、クラッチタイムではチームによってミッドレンジを狙うのか、別のシュートを狙うのか、どちらかに大きくシフトする傾向があるのかも知れません。
確かに、例えばチームにKDがいたら終盤は全部任せたくなりそうですし。逆に1on1の得意な選手が少ないならチームで効率の良いシュートを目指すかもしれません。

ただ、クラッチタイムに関しては、全体的に見て大きな違いはなさそうです。

分析~プレイオフ~

続いて、レギュラーシーズンとプレイオフについて見てみましょう。
(元データはこちらで確認できます)

プレイオフに出場したチームに絞り、FGAに占めるmidrangeの試投数の割合とmidrangeのFG%をチェックします。

グラフは下記の通り。

画像4

変化がなさすぎて笑えてきます

最近のシーズンの方がmidrangeの割合が減っているのは分かるんですが、レギュラーシーズンとプレイオフでの変化なさすぎじゃないですか?
ここまで変化がないのはドン引きレベルです。
FG%も2018-19のレギュラーシーズンを除いてすべて40.0%代なのも、もはやキレイだなあという印象です。

現段階ではこれ以上言うことはないですね。


ということで、結論としては

クラッチタイムやプレイオフで、ミッドレンジを通常より活用する傾向は見受けられない

でした。


まじか


何か分析アイデアやこういう数値も見てみたいといったことがあったら、ご連絡ください。
対応可能だったら分析してみます。


Twitterアカウントです。
ちょっとした集計や分析なども載せているので、フォローしてみてください。


*1
もちろん、これ以外にも分析するべき項目はあります。外部環境など。

*2
見落としている可能性も十分あるので、ご存じの方がいたら教えていただければ幸いです。

*3
公式ページでは確認できなかったので、下記ページを参照しました



サポートしていただけるとありがたいですが、 SNS等で広めていただけるともっとありがたいです。 一緒にバスケを盛り上げていきましょう!