安定して3Pシュートを決められる選手は誰だろう

こんにちは

バスケのワールドカップの本戦が近づいてきましたが、今回は、そんなことは関係なく、B.LEAGUEで安定して3Pシュートを決めている選手は誰なのか、検討してみたいと思います。

簡単な結論を先に述べると、こんな感じです。

安藤周人は3Pシュートの試投数、成功数ともに安定感が半端ない。ワールドカップの親善試合や本戦(出場できたら)でもその力を発揮してほしい。

金丸晃輔は試合ごとの3FGAと3FGMのバラツキが多い印象だけど、チームの戦術やメンバー構成の影響もありえる。

遠藤祐亮は、3FGAは比較的ばらついているが、3FGMは安定してる。3FG%は1位だから、3FGAがどの試合でも安定して打てるようになると凄いことになりそう。

分析に利用したコードなどは下記ページに格納しています。
興味のある方はご覧ください。


対象選手

データは2018-19のB1レギュラーシーズンです。
(データ元はこちら。このパッケージにはいつもお世話になってます。)

また、対象選手は、当該シーズンの3FGA上位15選手です。
(下記参照。F3GA_seasonとF3GM_seasonそれぞれ、は当該シーズンの3FGAと3FGMの総数)

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分析の考え方

今回は下記の観点から検討してみます

①3FGAの平均と試合ごとのバラツキ
②3FGMの平均と
試合ごとのバラツキ
※バラツキの定義は後述

①については、3FGAが多くないと、いくら3Pが安定して入るとしても意味がないですよね(毎試合1本しか打たないなら貢献度合いが低い)。

また、試合ごとの試投数がばらついていると、チームとしては不安定な試合運びになりそうです(ある試合は15本打ったのに、ある試合では1本も打たないなど。)

②についても同様です。決める本数が多く、かつ試合ごとでブレが少ないことが、安定した3Pシューターとしての条件と言えるでしょう。

また、試合ごとの出場時間にもバラツキがあります。そのままにしておくと、出場時間が少ないから3FGAや3FGMが少なくなってしまうため、これに関しては40分出場のパターンに補正します(また、出場時間20分以上の試合を対象にしています。)。

補正方法は下記です。
ある試合でX選手が30分出場して3FGAが6本、3FGMが3本の場合
3FGA(40分補正) = 6本 × 40分 ÷ 30分で8本
3FGA(40分補正) = 3本 × 40分 ÷ 30分で4本となります。
これらを、試合ごとに出場時間・3FGA・3FGMを確認して算出しています。

さて、次に今回利用するバラツキについても確認しましょう。
今回は、バラツキ度合いを表す指標として標準偏差を利用します。
詳細は下記URLを確認してもらえればと思いますが、めちゃくちゃシンプルに言うと「標準偏差が大きいほどバラツキも大きい」です。更にいうと「バラツキが大きいほど安定感がない」ということになります

この標準偏差を各選手ごとに算出することで、選手の3Pシュートに関するバラツキを定量的に把握していきましょう。

分析結果

数値の確認の前にまずはグラフを見ていきましょう。可視化は大事です。

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3FGA、3FGMともに、グラフの左側が高くて、そこから右に下がっていくような傾向がありますね(特に3FGM)

富樫勇樹が40分換算で20本以上のシュートを打っている試合があるのも確認できました。すげえ。

それでは、実際の数値についても見てみましょう。

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*1

3FGAと3FGMそれぞれで、40分換算での平均本数と標準偏差(≒バラツキ)を出しています。
また、標準偏差についてはランキングとして順位を掲載しています(上位になるほど標準偏差が小さい≒試合ごとでのバラツキが小さい≒安定しているとなります)

安藤周人は試合ごとでの3FGAと3FGMの安定感、そして高確率の3FG(3位)。言うことがありません。

金丸晃輔は3FG%は高いですが、試合ごとの3FGAと3FGMのバラツキが多い印象を受けます。
ただ、下記の記事を見るとFTは鬼のように安定して決めてそうなんですよね。

FTと3Pシュートは別物だと言われればそれまでですが、3Pシュートに関してはチームの戦術やメンバー構成などの影響があるかもしれませんので、それを加味する必要があるかもしれません。

遠藤祐亮は、3FGAは比較的ばらついていますが、3FGMは安定しています
3FG%は1位ですし、3FGAがどの試合でも安定して打てるようになると凄いことになりそうです。

また、これはおまけですが、試合ごとの3FGAと3FGMの分布も出しています。
特にここで言うことはありませんが、興味がある方は目を皿にして見てください。
(点線は、各選手の3FG%から、3FGAに対して予測される3FGMを記載したものです)

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ちなみに細かい話ですが、今回は20分以上出場の試合を対象にしていますが、その条件でも各選手最低2回は3FGAが0本で終わってるんですね
1回も打たないっていうのが個人的にはちょっと意外でした。

本文は以上です。
ご意見、ご質問、批判などありましたらどんどんお知らせください。
(敬称略)

*1
この標準偏差は、本来の数値から補正しています。
3FGAの平均が選手によって違うと厳密な比較にならないため、3FGAに関しては平均を10に、3FGMに関しては平均を3に変換し、それに合わせて標準偏差も変換しています。
元の標準偏差が含まれた表は下記です。

画像6

この計算はデータの変換についてのこちらの記載を元にしています。



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