地元へ

目を覚ませば、ご飯のにおい。

階段を降りれば。

家族がいる、当たり前の風景。

嫌いだ。

苦手だ。

一緒に息をするには、苦しくなった。

幸せから、一歩。

また、一歩。

ゆっくり。

離れた、わたし。

ひとり、宝石箱の中身を漁った。

ガラクタみたいな記憶ばかり。

毒を吐けば、逃げられた。

欲を言って、逃げた。

我慢して、爆発した。

震える。

カーテンから漏れる光は、永遠の命。

ひとり、文字を辿る。

いつだって味方、だと。

言うんだ。

苦手だ、そんなの。

愛、今日も地元へ。