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大地震発生直後に帰宅難民にならないための備え(1)

私たちは、街中を歩いているときにとつぜん大地震に遭うリスクが無きにしもあらずです。この時、公共交通機関が止まって帰宅や帰社できず、着の身着のままどこかの軒下で一晩待機するしかない状況に置かれるかもしれません。

私はこのようなリスクを想定し、自宅のある郊外から都心にでかける時にはいつも心がけていることがありますが、これを説明する前にまず、次のような想定をすることから始めたいと思います。

東京の渋谷付近を夕方4時頃歩いていた時、震度7クラスの大地震が起こる。この時の状況を次の6つの側面から推定してみる。

①人の流れ
膨大な数の人の流れが渋谷駅の中心に向かう。その時、あちこちの狭い通りでは群衆雪崩が多発し、多くの人が犠牲になる可能性がある。救急車を呼んで救助に来てもらえる可能性はほぼなし。人々はパニックに陥り、右往左往しつつ渋谷中心部で滞留するしかない。その間にも震度5~6クラスの余震が頻発する。

②路上の様子
あちこちのビルの側壁や屋上に設置された看板、街路上のLEDパネル等が落下し、路上の群衆を直撃。倒れた電柱が道を塞ぎ、転倒したスタンド型の看板、自動販売機、その他意味不明なありとあらゆるものがガレキとなって路上を埋めつくす。停電が起これば日が暮れるにしたがって周囲は真っ暗になり、避難を阻む要因となる。

③建物・施設の被害
新しいビルは倒壊はしないと思うが、古い雑居ビルなどは倒壊を免れないだろう。高層のビルやマンションの上階では波打つような大きな揺れがおさまらず、具合の悪くなる人や負傷者が続出する。飲食店街を中心に散発的に火災やガス爆発が発生。地震の衝撃で水道管が破裂し、路上や地下鉄、地下道のあちこちで冠水が見られる。

④通話状況
音声通話は輻輳のため、まずつながらない。携帯各社が災害時に無料解放するWifiでしのぐしかないが、Wifiでは輻輳は起こらないだろうか?

⑤公共交通
JR、地下鉄全線、路線バスはほとんどすべて運休。駅の構内に避難しようとしても締め出される。頼みの綱のタクシー乗り場にはおそらく1キロ以上の大行列ができるだろう。しかも道路の寸断や通行止めが無数に発生するため、タクシーを捕まえても簡単には自宅には戻れない。

⑥その他考えたくない複合リスク
この大地震がゲリラ豪雨のさなか、あるいは気温40℃の熱波の中で起こったらどうなるだろう。一度にすべて考えると思考停止に陥るから、この⑥については、ここでは考えないことにするが、複合災害が起こるリスクはゼロではない。

これらは首都直下地震や南海トラフ巨大地震にも当てはまると思います。以上のことを念頭におき、個人でどこまで命を守る備えが可能かを次回考えてみます。

第2回へ続く

※ ヘッダー部の画像は下記URLよりお借りしました。
https://www.artofmanliness.com/skills/outdoor-survival/survive-human-stampede/

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