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ターナーとコンスタブル私感メモ

ターナーは、10代の頃から才能を発揮した。

ロイヤルアカデミーの会員になったのは20代前半。

彼は、ニーズを意識するなど、早くから「画家として売れること」を考えながら手を打ってきた。

何となく憎たらしい気もするが、ジャンルとしては下位に位置していた「風景画」で立っていく、と決めたからこそ、とも言えるだろうか。

とはいえ、早い段階で、風景画家として立ち、成功を収めるための戦略を立て、実行したターナー。

対するコンスタブルは、風景画を自分の本領としながらも、一方で収入のために肖像画も手掛けている。(ちなみにターナーは、人物画は苦手だったらしい)

モチーフとして描いたのも、はるかに広がる平野地帯、サフォーク地方の田園風景をはじめ、当時のニーズには当てはまらない場所ばかり。

その「マイナーさ」もあって、アカデミー会員になったのは40代と遅い。

ターナーにとって、この出来事はどう映っただろう、と想像すると興味深い。


アカデミー会員として認められて久しいターナー。

40代半ばになって、「新会員」として、ぽっと入ってきた、同じくらいの年齢の男。

作品は、と見れば自分とは明らかに毛色が違う。

でも、独特の味がある。

意識しないわけがあるまい。


ターナーが「早熟型」なら、コンスタブルは「大器晩成型」と言えるだろうか。

この点においても対照的だが、どちらも、それぞれのやりかたで努力を積み重ねていったことは共通していよう。


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