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徒然日記~オリジナリティについて

創作術の本などを開くと、ちょくちょく出てくるのが、「オリジナリティ」という言葉。
誰かの真似ではないものーーーオリジナルが大事、と。
この「オリジナリティ」の単語に長くとらわれ続けてきたようにも思う。
自分ならではのもの。
自分にしか書けないもの。
それは一体何か。
その答えは、嫌というほど、誰かの真似を積み重ねた上で、ようやく見えてくるものではないのか。

伊藤若冲も、最初は狩野派から入った。
狩野派の基本は、絵手本をひたすら真似すること。
マスターさえすれば、誰でも一定のレベルまで達するし、絵師集団(カンパニー)としても、一定のクオリティの作品を提供し続けることができる。
つまり、どれほど上手く、手本の絵を再現できても、狩野派の枠組みの中で息をしているに過ぎない。
そう考えた若冲は、狩野派の源流と言うべき中国絵画に目を向けた。
何百枚と模写を重ねた末、「真似ばっかりじゃ仕方ない」と結論に至った。
そして自分ならではのモティーフ、自分が心動くものを探し求め、ついに鶏へと行き着いた。


オリジナリティが大事云々は、理屈としてはわかる。
でも、それを見いだすための、具体的な修行方法(写経など)についてもちゃんと言及して欲しかった。
今さら言ってもなんだが(笑)

だが、最近、日記本を読んでいて、「ありふれている」日常でも、丁寧に向き合い、積み重ねていく中で、何か見えてくるもの、書きたいものが導き出せてくるのかもしれない、と思った。
自分の過ごす「1日」こそ、オリジナルの究極とは言えないだろうか?

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