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美術覚え書き

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美術(アート)に関する様々な文章を集めています。 作品の見方、作者(画家)の面白いエピソードなど。 現在開催中の展覧会に関する記事もここに。
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記事一覧

新記事のお知らせ

日本花卉文化協会株式会社さんのマガジンに、記事を寄稿させていただきました。 https://note

過去の自分を超える

4年前、ロンドン・ナショナル・ギャラリー展に寄せて書いた、この記事が、私にとってはライタ…

見てみたい~モネとルドン

印象派の代表格で、移ろう光を追い続けたクロード・モネ。 幻想的で、時に不気味な空想の世界…

新記事のお知らせ~鈴木其一<朝顔図屛風>

日本花卉文化協会株式会社さんのマガジン「日本産の植物」に、<朝顔図屛風>についての記事を…

ロートレック展に行ってきた(メモ)

今日はロートレック展の内覧会へ。 ロートレック関連の展覧会は一昨年も取材したが、今回はロ…

ヴィクトリーヌ・ムーラン(メモ)

マネの〈オランピア〉のモデルとして有名なヴィクトリーヌ・ムーラン(画像左の母親役のモデル…

肖像画と女心~私の自慢(後編)③アニエス・ソレルの場合~乳房

王たちの結婚は、政略結婚がほとんどで、しかもカトリックの教義では、離婚も側室を持つことも禁じられていた。 愛人たちは日陰の存在であることを強いられ、かりに子供ができても婚外子とされ、王位継承権は得られなかった。 しかし15世紀、フランス宮廷では、そんな愛人を、「王に仕える存在」として宮廷で認知し、王妃に継ぐ地位、そして王妃と同等かそれ以上の待遇を受けられる存在とする「公妾」制度が生まれる。 その公妾の第1号となったのが、アニエス・ソレルだった。 アニエスがフランス王シャルル

肖像画と女心~私の自慢(中編)②スペイン王妃マリア・ルイサの場合~「腕」

②スペイン王妃マリア・ルイサの場合 「最高の名君」の次は、「最悪の王妃」をご紹介しよう。…

肖像画と女心~私の自慢(前編)①エリザベス1世の場合~「手」

たとえ自分が死んだ後も、肖像画や写真は残り続ける。 だからこそ、肖像画を描かせる時、お気…

やってみたいこと

前からやってみたいと思っている記事シリーズがある。 タイトルは、「目利き列伝」。 一言で言…

『ビジュアル版 一冊でつかむ西洋絵画』

昨年、本文執筆を手掛けた『ビジュアル版 一冊でつかむ西洋絵画』に評価がついていたのでお知…

尾形光琳《燕子花図屛風》

東京・表参道にある根津美術館には、年に1回、4月半ばからの約1ヶ月間だけ見られる作品がある…

新記事アップ~『北欧の神秘』

楽活さんに、『北欧の神秘』展(SOMPO美術館)に寄せた記事がアップされました。 スウェーデン…

テルマエ展へ行って考える

今日は汐留ミュージアムの『テルマエ』展の内覧会へ。 古代ローマの生活文化を、「入浴」を中心に紹介していこう、というコンセプトで、漫画『テルマエ・ロマエ』の作者ヤマザキマリさんも協力者として参加している。 以前、『ポンペイ』展を取材した時にも思ったが、約2000年の時間の隔たりがあるにも関わらず、古代ローマの生活と、現代の私たちの生活に、なんと共通項が多いことだろう。 その「共通項」の代表例が、「入浴」文化だ。 ヤマザキさんもおっしゃっていたし、私自身も留学中に感じていたこと