防衛省・自衛隊の会計も監査請求すべきでは

最近とある福祉事業団体への会計と自治体や国からの公金支出に関する話題が
世を賑わせている。しかしこれはこの団体や自治体、国だけではなく
防衛費についても言える話ではないかと思う。よく自衛隊の官舎や
トイレットペーパーがどうとかの話は出ているが真偽はともかく
装備品については適切に防衛費が使用されているのか?という疑問を持つケースがある。

産経新聞によれば空自機で部品の共食いが3400件も発生し現場にも悪影響を及ぼしている。
稼働率の低下も懸念されているところだが産経新聞では整備費不足を指摘している。
しかしこれは正しいのか?整備の経費に当たる維持費は
装備品購入費に比べても遥かに多い。装備品購入費は平均して16%に対し、
維持費は平均23%である。これでいて整備費不足と言われてもちょっと納得は出来ない。
さらに令和2年度の一般会計歳出予算各目明細書を見るとやはりF-35A/Bなどの調達費より
整備費が上回っている。


防衛省・自衛隊|平成29年版防衛白書|資料編|資料14 防衛関係費(当初予算)の使途別構成の推移より


令 和 2 年度防衛省所管 一般会計歳出予算各目明細書より


令 和 2 年度防衛省所管 一般会計歳出予算各目明細書より

共食い整備などの問題が発生する原因としては既に生産が終了している
F-2やF-15SJの故障によるものと考えられる。解決方法の一つは
F-15SJやF-2の部品再生産だがF-2は日米共同開発なのでロッキード・マーティンが
担当する部品を三菱重工が生産するのはコストがかかる。また三菱重工は
英BAEシステムズ、伊レオナルド社とのFCAS/F-Xの共同開発に力を入れたいから
F-2やF-15SJのコンポーネント再生産には消極的だ。

一番無難な解決方法はF-35を早急に生産し、機種転換を推し進めて
F-15SJの部品取り用機体を増やして稼働率の確保とF-15SJの早期退役、
FCAS/F-Xの繋ぎとしてF-35の再増備を図り、F-2の部品取り用機体を
増やして稼働率を上げていくしかない。今のままだと維持費だけは
ウナギ登りになるのに故障機が増えて稼働率が下がるという
不可解な現象が続く事になる。これは税金の無駄遣い以外の何物でもない。

こうした事は会計検査院や総務省行政評価局が監査すべき事案である。
そしてそれを要求するのは国民であり、軍事評論家、軍事ジャーナリスト、
軍事マニアがやるべき事。もっとも明細書の読み方については
かなり複雑な一面もあるから公認会計士に頼むのがいいかもしれない。
しかし一番チェックしなければならないのは与野党の国会議員だ。
本来はこうした事案は政治がチェックしていかなければならない。

現在防衛費の増額を巡って賛否両論が吹き出しているが
防衛費の増額の賛否や自衛隊の装備品の性能や価格をどうこう言う前に
防衛費が適切に使われているかをチェックすべきだ。
防衛費を増やそうと現状維持にしようと減らそうと
この体たらくでは税金の浪費していくだけである。
そしてただ指摘するだけでなく是正策を打ち出すのも重要な事だ。

当方は税金が正しく使われるためにF-35の再増備を支持したい。

■ソース

https://www.mod.go.jp/j/yosan/kakumoku/2020/kakumoku-ippan.pdf



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