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HOTEL

今まで、いろんな職業してきたけど、昔、某ホテルで働いてたことがある。
一流のサービスマンってのを、目指そうとしていた頃がある。
専門学校なんか行きもしなかったけど、パーティコンパニオンを経験して、いろんなホテルをまわり、それから配ぜん人紹介といって、結婚披露宴などのウエイトレスを紹介する事務所に入って、またたくさんのホテルを転々とした。その配ぜん人紹介所から、あるホテルに長期勤務することになって、その勤務が終える頃には配ぜん人紹介所をやめ、そのホテルで働かせてもらえることになり、私は宴会スタッフではなく、ロビーで働くことになった。
平日の夜は別で毎晩夜中まで働いていたので、平日は早朝から夕方、週末は昼から夜中終わりまでの勤務だった。

その頃のわたしは、接客業以外にしたことがなくて(小遣い稼ぎでなら新聞配達や厨房もあるが)、接客業は私の天職だと思っていたし、それ以外で働くことはないだろうと思っていた。

新しいホテルの建設計画があると、いろいろ引き抜きがかかる。客をごっそり抱えたレストランの支配人やソムリエだけでなく、サービスマンにも声がかかる。大阪にリッツできるときも、USJができるときも、東京ディズニーリゾートに、アンバサダーホテルができるときも、海外に有名ホテルができるときも、いろんな人が引き抜かれていった。

そんな人々を見ながら、かっこいいな、と憧れを抱いていた私は、それから一流のサービスマンになるために経験をつむ為に、チャンスを求めて、新しいホテルの建設ラッシュだったオリンピック前のオーストラリアに行った。だが、結局は私の情報収集不足で、ビザの関係でホテルでは採用してくれる☆のついたホテルは一軒もなく、結局はあるベンチャー企業が経営していた、一件のレストランにたどりついた。
そこでは私は、サービスする人ではなく、サービスする人をマネージする、店の経営をするほうの人間になってしまって、やっぱり、マネージするにはまだ早すぎると、もっと勉強したいと、4年でその店をやめてしまった。

レストランで働きながら、ホテルの学校にも通おうかと思いもしたが、やはりどう考えても時間的に無理で、結局はそこで断念してしまった。

もしもあの時、きちんと勉強していたら、そのあとはホテルで働けていたと思う。でも、もしも、なんてことは、存在しないんだから、考えてもしょうがないんだけど。

でもやっぱり、ホテルマンって、本当に大変だけど、すごい、いい仕事だよなあ、と、先日、東京の「帝国ホテル」の特集をしていたあるテレビ番組を見て、思いました。

18 Jan 2006

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