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「美しい」という言葉を使わずに美しさを表現する


それはまるで、早朝に起きて小鳥のさえずりを聴きながらコーヒーを嗜むかのような、あるいは海面に輝く夕日の光を見たときの感動のような、心のちいさな波が揺れ動く瞬間であった。

「心は穏やかなのに、なぜか泣いている。」

いつだってわたしは、そんな瞬間を求めている。

その感情に身を委ねたくなるような、光も影もそなわっているような、それなのにありのままでまぶしいような。おもわず、その存在に「ありがとう」と口ずさみたくなる。

分かりやすい言葉なんていらない。意味を持った言葉もいらない。ただそこにある、この存在がそのままで生きてくれればいい。

  わたしにとっての「美しい」とは、そんな意味を持っている。


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「美しい」と言うことは、とても簡単だ。分かりやすい言葉には、分かりやすい意味が備わっている。でも「美しい」を掘り下げたときに、それはどんな瞬間であって、どんな感情であって、どんなときに言いたくなるのか、果たしてわたしはわかっているのだろうか、と思う。

これは分かりやすい言葉に対するアンチテーゼでもある。

本当に感動したり、心が動いたり、涙が出るとき、その感情にピッタリ合う言葉に出会えたことがない。それが悔しくて、なんどもなんども言葉を探すのだけど、どうしても見つからない。

それならばと、言葉を探すことを手放してみる。「美しい」という言葉だけでは到底言い切れないようなことは、もう、その言葉にあてはめることをやめてみる。

あえて言わない、ということで得られることもあるのだと知る。

これがわたしなりの、答え。

「温かで穏やかな光を見失わず、貴方が生きていけますように。」 そんな気持ちでnoteを届けています。 気に入ってもらえたら【スキ】【フォロー】 さらに【サポート】で応援して頂けるととっても光栄です。