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「豊かさ」は再現できるんだった

"豊かさ"を忘れていた。

やがてわたしは、再び鬱っぽくなった。「っぽく」と書いたのは、本当にそうだとはまだ診断されていないから。精神科の先生もわたしも、疑ってる段階だからだ。

前回鬱になったときの療養中、わたしは様々な方法から「豊かさ」を見つけ出したはずだった。なにもしない中に、友達と夜中まで語らったり雲を眺めたり、コーヒーを飲んだりする時間に、究極の幸せが隠れていること。その時間たちがわたしにとっての「豊かさ」であることを、わたしは忘れていた。仕事をきちんとこなすこと、評価されることばかりに集中して、豊かさを置いてきぼりにした。なんてことだろう。

療養中、よく絵を描いていた。わたしの家にはいくつかの絵が飾られているから、遊びに来た友達は決まって興味をもってくれる。ひとつひとつ説明していくうちに、そのときの感情を思い出すみたいに振り返る。それがとても楽しかった。

絵を描いて、文章を書いて、友達と語ってコーヒーを飲んで、散歩をしながら空を眺めて。そんなちっぽけなことだけれど、それがわたしの「豊かさ」の形なのだ。ただ生きているだけで、お金をかけず、それを再現できるのだ。

やろう、豊かさの再現を。それが今のわたしに最大限できることなのだから。

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