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Kindergartener(6歳)の生徒さんへの英語チューターレッスン

アメリカDC郊外に駐在帯同で暮らしている私ですが、ご依頼を受けるベースで、駐在家庭のお子さんのESL Tutor(英語の家庭教師)をしています。

実際にそのお子さんが英語で困っている事実があり(あるいは自信をなくしていたり)、ご本人がレッスンに意欲的で、私がお手伝いできることがあると確信できる時にのみ、レッスンをお受けするようにしています。
(なんだか偉そうに聞こえますが・・理由は逆で💦  理由は、私の英語なんてたいしたものじゃないので、、と気後れしてのことです)

特に、低年齢のお子さんのレッスンは、普段はお受けしないことにしています。その理由は、低年齢のお子さんの場合には、意識して英語を「学習」するのではなく、母語のように学ばずに習得する形にできるチャンスがあるためです。学ばずに身につけた語学の方が強いのです。(ただし年齢が上がっていきアカデミックな語学力をつける際には勉強も必要です)

でも、今現在、Kindergartenの学年(日本での年長〜小1)の生徒さんのレッスンを受け持っています。

ご相談を受けた時、生徒さんのご両親にも、キンダーさん(当時キンダー前の保育園生)には私のレッスンは基本的には必要ないと思う旨をお伝えしているのですが、それでもいくつかの理由からレッスンをご希望されていて、それならば、ご本人が英語に自信を持てるようになるまでやってみましょう!ということでお受けしました。

さて、日本語でも会話はぽつぽつと、英語に関しては、アルファベットは読めるけれどフォニックスやらは全く知らない(アルファベットが読めるだけでもすごい👏)、という段階の当時5歳の生徒さん。年齢から言って当然ですが、集中力もそんなには続かないし、やりたいやりたくないがはっきりしているので、気が向かないアクティビティはスルーしがち😅 

そんなキンダーさんのレッスンではどんな取り組みが有効で、どんなふうに英語力をアップしているのか、試行錯誤の部分もありますが、だいぶ英語力もつき、何よりご本人に自信がついてきたようで、低年齢のレッスンではどんなことができるのか、経験から少しシェアしてみたいと思います。
(日本では小学1年生の2人グループ、3人グループにレッスンしていました)

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夏休み前から、とりあえず9月のキンダーガーデン入学まで、ということでスタートしたものの、9月以降も継続のご依頼をいただいて、現在17回のレッスンをしています。

まずはじめに今現在の状況から。

数行の文章を、フォニックスを理解してきちんと読むことができています👏

サイトワードも、すでに30単語以上覚えました!新しく入った here や all にはまだ戸惑いがあるものの、これにも2、3回のレッスンの間にきっと慣れていくと思われます。

いまKindergartenがスタートして3ヶ月です。Mathはさらに得意で計算も素晴らしく早いので、おそらくアカデミックにはクラスメイトよりも進んでいるくらいだと思います。(アメリカではKindergartenとGrade1をかけてフォニックスを学ぶカリキュラムです)

ただ、もちろん日常会話としての英語は、クラスメイトのように生まれた時から英語で暮らしてきたわけではないので、何気ないおしゃべりや指示ひとつとってもまだわからないこともあり、苦労されているとは思います。
アカデミックな内容を先取りして自信をつけると同時に、日常の会話を少しでもストレスなくしていけるように、基本的な言いまわしになれたり、言いたいことを表現する方法をレッスン内で練習しています。

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レッスンでは、英語をまったく知らない状態であっても、初回のレッスンから、文章で意味のある英語を発することから始めます。

名詞を覚えるようなことはしません。(色とか動物とかフルーツとか)

コミュニケーションって、単語(名詞)を知っていればどうにかなる、と思う方が多いと思うのですが、実際は、名詞は指差したりイラストにしたり、どうにかなるんですよね。それをどうしたいのか、動詞の部分が実はコミュニケーションにいおいては一番大事なのです。(動詞も単語ですが、ぽつっとした1単語のままではなく、主語とつなげて、さらに助動詞的な部分も含めてはじめて言いたいことが伝わります)

レッスンではだから、どんな年齢やレベルであっても、「動詞部分を含んだ内容を伝える文章」で学習していきます。
例えば、この生徒さんの初回レッスンでは、こんな学習をしました。

I see.....

キャラクターが、見ているものを言う動画を見て、自分でもレッスンをしている部屋の中にあるものを英語で表現していく。(I seeの翻訳をする必要はなし、動画を見ればわかるわけで、そんなふうに、日本語に変えずに動作そのものに英語で名前をつけていくことが後々助けになります)
(ちなみにこの当時のレッスンはゲストルームで行っていたのでベッドがありました💦)

 I see bed
 I see computer
 I see chair

(ここでは冠詞の a が抜けていても直さず、こちらが言い直す際には入れて話します。"Yes, you see a bed. You see a computer! Great job!")
小さなお子さんでも、大人ならなおさら、日本人は元からいろいろなモノを英語で言えるんですよ。(👏)

名詞の単語ひとつでは意味をなさないものの、こうして動詞を含んだ一文にすることで、実際に何かを伝える表現としての使えることばを増やしていくのです。

次にレッスンで集中して使った表現は、こちら。

Can I have.... ?

この時この生徒さんの興味関心は車とレゴ。
我が家にもまだ息子が使っていたレゴがあったので、大量のレゴの入ったプラスティックボックスの前で会話します。(Legoは商品名であり、レゴブロックひとつを指す名詞はblock(s)が正しいかもしれませんが、この時点では生徒さんのわかりやすさ等を優先しています)
私が質問し、生徒さんが私にその数のレゴを渡してくれます。(渡してくれるようにジェスチャーすることで、Can I have?で「もらえる?」の意味であることを学びます)
今度は生徒さんに色と数を指定して「何色のレゴいくつちょうだい?」という文章を言わせます。すかさず渡すときの「どうぞ」も付け加え、真似られうようにしていきます。

 Can I have a red lego? ーSure, here you are.
 Can I have two blue lego? ーHere you are.

こんな会話をそれなりに繰り返し(好きなものは飽きない笑)、最後に、
 So, can you make something with your lego?
と言い、脈略なく獲得した手元のレゴを使ってお互いに作品を作ります。
私は大したものが作れないのですが、生徒さんはありあわせの色と形でチャチャっと素敵な作品をつくるんですよこれが!驚いたり、褒めるときの英語にも、こうして自然に触れていきます。

こうして、日常使うであろう表現の英語でのやりとりを身につけていきます。

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フォニックスはたくさん教材があるのでほかにも良いものがあると思いますが、私のおすすめはこれらです。

まずフォニックスとはどんなものか、歌でざっと音を覚えるPhonics Song 2

つづいて、同じ音がいろいろな単語に入っていることを認識する練習

音をつなげて意味のある単語をつくっていくことに慣れていくには、Starfallで少しずつたのしく練習

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耳で聴きつつ情景をみて、どんなことを言っているのか想像する訓練として、アニメーション絵本はとても役立ちます。Little Foxから。このお話可愛いんです💛


もちろん他にもいろいろなマテリアルやゲームをしながら英語ということばをなんとなく理解し、使えるようになっていっているわけですが、最近は、絵を見て状況を説明するPicture Descriptionも上手です。

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初回のレッスンで、I seeを扱いましたが、繰り返し同じ表現も取り上げます。こう言う時に使えるんだ、と感じてもらったり、少しずつ前後に表現を足して、言えることを増やしていきます。

Kindergartenが始まって3ヶ月、4半期がちょうど終わったところですが、学校では問題なく授業も理解できているそうで、少しずつ、お友達とのコミュニケーションも取れるようになってきているそうです☺︎

レッスンでも45分間、集中して取り組めるようになってきました。やはり、何をしているのかわからないことって誰でも集中できないものですよね。きっと今は、英語のフォロー時間と、そしてどんなことをするのかもある程度わかってきて、安心してきちんと取り組めているのかな、と思います。

自信がついたところで私のレッスンはいつ終了していただいてもいいのですが😅
とにかく駐在で突然連れてこられた子どもたちが、アメリカで少しでも楽しく暮らせるように、、自己肯定感を失わずに済むように、、私ができることは小さいですが、ほんの少しでもお手伝いできたら、と思って、tutorレッスンを行っています。


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