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シリーズ「盲導犬に優しいお店」(1) 京都きん家(江戸川区西葛西)

先日、脚本家の今井雅子さんご家族とご飯を食べに行った。縁あって数年来家族ぐるみで仲良くさせてもらっている。今井さんが提案してくれたのが「京都きん家」という我が家近くのお好み焼きと京料理のお店だ。

テイクアウトでお好み焼きを頼んだり、何度か家族で食べに行ったこともある。盲導犬がいることを伝えるため、夫が予約の電話をした。快く受け入れてくれ、ほっとして当日を楽しみにしていた。このお店は今井さん脚本のドラマ「失恋めし」の舞台になっている。

第三話「花咲くねぎ焼き」がこのお店で撮影された。いろんな種類の料理を注文し、6人でワイワイと食卓を囲んだ。まず、本日のお刺身、カンパちをたっぷりのスライス玉ねぎと一緒に。続いて

「これはぜひ食べよう」

と言って注文したのは、関西では有名な牛すじとこんにゃくの煮物。だしがしっかりしみ込んだ大根、こんにゃくと牛すじに散らしたネギがアクセントになって、いくらでも食べられそうな味だった。子供たちに人気だったのは、ジャガチー。
ほくほくのジャガイモの上にチーズがトッピングされていた。そして、楽しみにしていたお好み焼き。
「お待たせしました!」
元気のいい関西弁で、店員さんがアツアツの鉄板の上に出来立てのお好み焼きをのせてくれ、音からも美味しさが伝わってきた。東京で関西風のお好み焼きが食べられるのも嬉しい。子供たちのチョイスで豚玉のチーズ入り。分厚いお好み焼きにたっぷりの鰹節をかけ、ジューシーな豚肉もたくさん入っていた。さらに、ドラマにも出てきたねぎ焼きは、さっぱり醤油味。ザクザクのキャベツと豚肉に半熟の卵をからめて食べるとんぺい焼きももう一度食べたいメニューになった。どれも素材の味が楽しめて、6人でお腹いっぱいになった。そんな「京都きん家」は、盲導犬にもとても優しいお店だった。少し早く到着した私たちに、オーナーの奥さんが声をかけてくれた。

「うちにも犬がおってね。寒いやろうから待ってるとき敷物用意してありますから」

と言ってくれた。お店に入ると

「新しい物やから、他の犬の臭いも付いてないし、使ってください」

と敷物を貸していただき、私たちが食事している3時間近くエルはその上でくつろいでいた。広い席を用意してくれていて、夫の椅子の後ろに十分エルが寝られるスペースがあった。エルは

「人間の食べ物、興味なし!」

と爆睡していた。聞いてみると盲導犬を受け入れたのは初めてだったそう。

ユーザーではない私が偉そうなことを言うつもりはないのだが、こうやってエルと一緒に出かける場所が増える度に、ユーザー側のマナーの大切さを感じる。夫はよっぽど体調が悪い日を覗いて、毎日必ずエルのブラッシングをしている。出来なかった日は次の日に朝と夜二回やっていることもある。月に一度のシャンプー、毎日の歯磨き、定期的な耳掃除。いろんな場所に出かけるための日々のケアは大切だと改めて思った。当初新宿でご飯を食べようという話が出ていた時に、今井さんが盲導犬と一緒に新宿で入れるお店を調べてくれたとのこと。でも、検索しても全然出てこなかったと教えてくれた。
確かに盲導犬と一緒に行ってよかった場所の情報は少ないような気がする。せっかくな「いいこと」を残して行きたいので、これからエルと一緒に行ってよかったお店はnoteに書いていきたい。

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