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ココ・ファーム・ワイナリーに行ってきました

栃木県足利市にある「ココ・ファーム・ワイナリー」に行ってきました。数年前にネットで記事を読み、訪れたことのある友人からも

「すごくいい場所だったよ」

と話を聞いて、行ってみたいと思っていた場所でした。ここは、1950年代に特別支援学級の担任の先生が、山を買い取り、知的障害のある生徒たちと一緒に開墾したブドウ畑が始まりです。40年ほど、知的障害のある人たちが、それぞれの役割を持ってワインを作っています。作られたワインはファーストクラスの機内で出されたり、2000年7月  九州・沖縄サミット晩餐会をはじめとする数々の場で出されています。ココ・ファーム・ワイナリーの成り立ちについてはこちらに詳しく書かれています。

どうやってこの場所ができたのか、普段飲んでいるワインがどうやって作られているのか知りたくて行ってきました。

当日は天気も良く、東京から電車で1時間ほど、あっという間に足利市駅に到着。駅からはタクシーで20分ほど行ったところが、ココ・ファーム・ワイナリーです。タクシーを降りると、鳥の鳴き声と草のにおいが漂ってきました。東京から違う場所に来たんだなと感じる瞬間です。カフェに向かって歩いていると、たくさんの人の話し声や、キッチンカーからカレーや肉料理のいいにおいで早くもワインのテイスティングが楽しみになってきました。カフェで予約をしてからは、早速テイスティングへ。ワイングラスと、5杯飲めるチケットを購入しました。普段一度に何種類ものワインを飲み比べることがないので、10種類以上あるワインの説明を聞くのも新鮮でした。それぞれの特徴を聞きながら、どれを飲もうか考える時間も楽しかったです。
音楽の生演奏を聞きながら、好みに合ったものを時間をかけてゆっくり味わいました。香りの特徴も楽しみながら、すっきり爽やかなもの、甘くフルーティーなもの、渋みのあるもの、と味わうことができました。テイスティングが終わった後は、予約していたカフェでランチをしてから、ワイナリーの見学へ。スタッフの方がワイナリーを案内してくれながら、ワイン造りの様子やワイナリーの成り立ちをお話ししてくれる50分ほどの見学ツアーです。

ブドウ畑の様子

ブドウ畑で気持ちいい風や鳥の声を聞きながら、ワイナリーができるまでの様子を聞かせてもらいました。無農薬でのブドウ栽培、本来は機械でやる作業も手作業で行っています。スパークリングワインには天然の酵母が使われているとのこと。自然と共存しながら、丁寧な手作業での様子をたくさん聞かせていただきました。

創立者の言葉で印象的なものがあります。

「かわいそうな人が作ったかわいそうな物なら、一度は買ってもらえるかもしれない。でも、二度目はない。一流のものを作れば何度でも買ってもらえる」

というものです。40年前にこんな考え方を持って実践し続けていた人はそういなかったのではないでしょうか。40年前と言えば、母が私を出産した頃です。今とは比べ物にならないぐらい世間の「障害者」への風当たりは厳しかった時代です。それぞれができることを見つけて実践し、形にして、今もそれが評価され続けていることがすごいなと思います。ブドウ畑から一転して醸造所の中はひんやりした空気でした。
エアコンなどは使わずに、自然の温度とのこと。普段飲んでいるワインがどうやって作られているのかも詳しく知ることができました。スタッフの方のお話しがとても上手で、ワインの作り方を全く知らなかった私はすっかり引き込まれて聞いていました。

醸造場の様子

一つ一つの作業を丁寧に進めている様子も教えていただきました。こんな風に作られているワインなら何度でも買ってみたいし、誰かにプレゼントしたいなと思いました。

見学の後は、お土産のワインと娘にマスカットジュースを買って帰りました。美味しいワインを味わえて、元気になるお話が聞けたこの場所にまた訪れたいと思います。

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