大腸内視鏡日記(2)いよいよ本番編

検査日。病院の予約は10時、自宅から約20分の場所にあるので9時半前に自宅を出れば良い。逆算したら8時半ぐらいまで寝ていても大丈夫、と下痢での睡眠不足を補うべくうとうと。8時半にまた「お腹いてえ」となってトイレへ。いや〜この腹痛嫌だわあ。便は順調に下痢に向かっている。そして量も減ってきた。


10時前に病院に着くと処置室へ。私以外3名がすでに下剤の服用を始めていた。おそらく時間差で来させて、早く終わった人から検査に回すのだろう。検査可能なのは13時からなので、十分に時間がある。私がきた段階で、一人の男性はほぼ終了間際といった様子。あとの二人は苦戦中という感じだった。いずれも私よりはずいぶん年配の方々だ。下剤はモビプレップ。量が少なくて良いやつで、チェイサーのように水をわきにおいて飲んでいく。味は梅っぽい、すっぱい&しょっぱい感じの人工的な味。飲めなくない。少なくともスポーツ飲料のような甘さがないのは助かった。以下、タイムライン。一杯は約180mlです。


10:07 モビプレップ一杯目スタート
10:24 モビプレップ二杯目スタート
10:41 お水インターバル
10:47 モビプレップ三杯目スタート
11:03 モビプレップ四杯目スタート
11:15 お水インターバル
11:21 モビプレップ五杯目スタート
お水飲みながら…
11:36 モビプレップ六杯目スタート
お水飲みながら
排尿、排便、りきんだらちょっと粘液でた
11:43 モビプレップ六杯目飲み終わる(ここまででおよそ計1リットル)
排便、濁った黄色い水
11:49 モビプレップ七杯目
排便、濁った黄色い水
排便、みてもらった、まだまだ
12:16 もうちょいかー
排便、あまり変わらず
12:35 排便、かなり透明に!もう一息。
12:38 排便、完全に透明な、おしっこのような水の便。これで完了!あとはお水を飲む。


前夜の下痢がきいたらしく、思ったより楽にお腹のなかがきれいになった。この間、腹痛もほとんどなく、ただ便意だけがあった。ウォシュレットを弱くしてできるだけお尻をきれいに保ち(腸液でひりひりしてくるので)、この段階まではほとんど肛門の痛みを感じずにすんだ。しかし、どんどん体が冷えてきて困った。手はだんだん冷たくなるし、トイレも処置室もうっすら寒い。湯たんぽが欲しいレベルである。看護士さんにOKをもらったあとは、ひたすら水を飲み、時々トイレに行きながら呼ばれるのを待った。結果的に、四人のなかで二番目に抜けた私、検査着に着替え、14時近かっただろうか、ようやくスタート。腕に腸の動きを止める注射を打ち、いざ始まった。のだが…!!!


痛い。痛すぎる。挿入してしばらくすると、下腹部にめちゃくちゃ痛いところがあって、信じられないぐらい痛い。このまま腸がどうにかなるんではないかという痛さだ。ある程度のところまで進めてもらったが、もうどうしようもない痛さ。身体に悪いとしか思えない。カメラを進めるたびに同じところがずっと痛くて、うめき声が出るレベル。ことわっておくと、私は痛いのには強いタイプだ。が、これはちょっとまずいと本能的に思う痛さだった。先生は優しく真面目そうな女性だが、なんだか慌てているし、看護師さん2名も微妙に息が合わないように見える。先生曰く、「腸が伸びるので痛い」ということで「伸びないように」お腹を押さえたり、押さえてもらったり。しかしそんなことをしても気休めにもならない。体勢を変えると余計に痛いし、もうどうしようもないということになったとき、「おそらく病変だったとされる部分はカメラが通過しているので見られています。ここまでにして、あとはCTで見るという選択にしますか?」と言われた。まさかの「途中でやめる」選択肢!!衝撃を受け、ちょっと考えたがそうしてもらうことにして、カメラを戻してもらうことになった(しかし戻していても痛い)。


腸はピンク色でとてもきれいなのだが、結腸あたりで6ミリ程度の小さなポリープが見つかった。すぐ取ろうかという話になったのだが、そうするとCTができない可能性があるとのことで、急いでCTの先生に確認。やはり両方するのはよくないという、内視鏡医とCTの先生の判断が出た。内視鏡医曰く「すぐにどうこうというタイプのものではないし、今はこのままでも大丈夫でしょう。CTで奥にポリープがあったら、どちらにしてももう一度内視鏡でとることになると思います」とのこと。そうですか。もう痛いしあまり考える気力がない。こんなに痛いのに、奥まで内視鏡を入れるなんてちょっと考えられないが、とりあえず今日は入れないわけだから、とぼんやり安堵する。虚血性腸炎でむくんでいた部分は、きれいになっていて完治していると言ってよいようだった。


カメラが抜けてもしばらく下腹部の違和感があった。血圧が痛みで下がっていないか、看護士さんがさっと計ってくれる。痛みを我慢できずすみませんでした、と言ったら、先生の方も痛いを思いをさせて申し訳ありませんでした、と言ってくれた。個人差だが女性には多いんです、とのこと。それで結局次回以後はどうすれば?と聞くと、鎮静と痛み止めしかないようだ。これぐらい痛ければ、鎮静を入れてもいいと思いますと言われた。鎮静は胃の内視鏡で何度かやったことがある。ほとんどぼうっとしていたら終わったので、非常に楽だったが、強い薬を使うことを思うとあまり望ましいものでもない。


さて間髪入れずに向かいの部屋でCT。男性の先生が登場(おそらくさっき顔が見えなかった、内視鏡医と相談していた人)。段取りとしては、お尻に管を入れて(また入れるのかよ)ガスを注入し、膨らませて撮影する。お腹が張るが、ガスは二酸化炭素で、腸壁から吸収されるので楽ですと。さっきもお腹が張ったと思いますが、と言われたけど、お腹が張った痛みなんかさっきは全然わからなかった。体がこわばったままだがなされるがまま、さっき処置についてくれた看護士さんにまた管を入れてもらう。管は細いし、たくさん入れないので楽勝。なかでバルーンのようなものが膨らみ、腸内にガスが充満していく。お腹が張って少々痛いが、はっきりいってさっきの苦痛に比べたら大学生と幼稚園児ぐらいの差!どんとこいである。何度か姿勢を変えて、息を吸ったり吐いたり止めたりして、終了。普通のCT検査。


着替えて、主治医と面談。写真を見ながら話をする。「カメラ、入らなかったねえ。癒着しているのかな?」とのこと。まあ婦人科由来でもそういうことはあるわけだし、原因はわからない。「ポリープは6ミリだから早いうちに取った方がいいとは思いますよ」「でも病変だったところはきれいになっているので、とりあえずよかった」で、CTの結果は5日後に、とのことになった。やれやれ、いつまでたってもすっきりとはさせてもらえないものだ。


お腹が空いたので、時々行く紅茶屋でボリュームのあるサンドイッチを食べて、ダージリンティを飲んだ。なんだか情けなくて悲しかった。私が悪いわけでもないし、誰のせいでもないのだが、どうしてこうなっちゃうんだろう、というような気持ちになった。単にすごく痛くてびっくりしたからかもしれないけど、しょんぼりして、ちょっと涙が出そうだった。


時々便意があってトイレに行くと、さっきの水みたいなものの続きがちょっとずつ出た。なんだかとても疲れた。とりあえず、見えた範囲に問題がほとんどなかったことはよかったと思う。結果はまた次回。

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