遠くへ行くことについて
マンションに住む弟夫婦宅に遊びに行った。
次男はまだ一歳半。歩きたい盛りで、言葉はまだ出ないがとにかく歩く。もうすぐ三歳の長男の真似がしたくて仕方がない。字も読めないのに本を開き、ゲームをやっていれば割って入ってさいころを投げ、お兄ちゃんのおもちゃを引っ張り出す。それに飽きたらと手近にある興味を引かれたものをしげしげと眺め、掴み、母親に見せたりする。
それにも飽きたらひとりで遠征を始める。誰もいない部屋によちよちと歩いていき、一人で何かを見つめている。タンスを開けようとし