第一回レヴュースタァライト座談会

レヴュースタァライトを勧めてくれた友人夫婦とdiscoadで行ったレヴュースタァライト座談会の書き起こしです。
(一部、省略または会話の流れをわかりやすくするために表現を簡略化した箇所があります)

初の試みとなる今回の座談会のメンバーは、

パルメ:文学オタク。おーかみの夫。ハチャメチャに多忙(以下:ぱ)
おーかみ:実力派オタク。パルメの妻。健康優良児(以下:お)
ミト:最近ニトリで大きなバナナのぬいぐるみを買った(以下:み)

の3名でお送りします。

主なトピックは以下の通りです。
1.今回のテーマについて
2.実績解除:ロロロを観た
3.キリンのことがわかります
4.皆殺しのばななの話
5.じゅんななの話➀
6.レヴュー全般
7.狩りのレヴュー
8.じゅんななの話➁
9.次は…………

1.今回のテーマについて「大場なな」

お「なんでばななちゃんにフォーカスしたいかっていうと、この話の重要なモチーフがたくさんあって、そのひとつひとつを紐解いていってからのほうがストーリーがわかりやすくなるかなと思って」

ぱ「うん」

お「で、重要モチーフって言ったら、みとちゃんトマトの話はしたじゃん? あとキリンとばななだと思うんだけど」

み「そうな」

お「そうなると、ばななのことを話せば、芋ずる式にキリンの話をせざるを得なくなるので」


2.実績解除:ロロロを観た

お「私たちロロロを観たんですよ」

み「おお!」

お「ロロロはね、テレビの総集編と見せかけて後半にスーパーばななタイムがあったよね」

ぱ「まずあの総集編の構成が、ばななが再演の中で聖翔祭を振りかえる感じで展開してくんだよね」

み「ふんふん」

ぱ「で、ひかりと対決して運命が変わったあたりから、ばななは当事者っていうより観てるキリン側で語るようになっていって。最後にwi(l)d-screen baroqueっていう単語はもう出てんのよ

み「やっぱばななはさ、劇場版ではキリンの代役っていうか、キリンの意思を引き継いでる感じするんだよね」

ぱ「何回も繰り返して一番みんなを観てるばななが、自分の舞台を抜けだして次の舞台に行くなら、ちょっと言いたいことあるわ、みたいな感じに見えた」

お「劇場版を観たときに、キリンとばななの……なんていうか根強さ、みたいなものって感じられるじゃん。ここ、同じサイドにいるな、みたいなのって」

ぱ「うん」

お「ロロロで完全に同じ側にいた、ってわかった」


3.キリンのことがわかります

ぱ「俺はアニメ版のキリンに関しては、”その時期の舞台少女たちの前に現れる存在”だと思う。だから別世代にまたキリンは現れるかもしんない」

ぱ「でもその先は自分たちでやっていくだよ、みたいな」

み「テレビシリーズでさ、ロンドンでひかりをそそのかしたキリンと東京に現れたキリンって同一個体だと思う?」

ぱ「うん、同一だと思う」

お「え、私、キュウべぇと同じだと思うんだけど。または攻殻機動隊のあれと同じだと思う」

ぱ「タチコマ?」

お「そう」

ぱ「別端末だけど……」

み「根源は一緒っていうかね」

ぱ「まあでも模様とか比べたらわかるんじゃない? (笑)」

お「やる? その話(笑)」

お「でもロロロを観て、キリンとばななを観たときに、映画のなかのばななの立ち回りっていうのはよりわかりやすくなった」


4.皆殺しのばななの話

お「私みとちゃんのツイートでさ、ばななが足でリズム取ってるのがノリノリでいいって言ってたじゃん」

み「はい」

お「私あれノリノリって思わなかったの。映画初見のときに、すっげー苛立ってるって思ったの」

み「ああ~~~!!」

お「苛立ってるときの仕草であれあるじゃん? しかもホントに普通に生活してると苛立ってるときに爪先トントンすることってそうそうないじゃん」

ぱ「うんうん」

お「あれがもうさ、すごく”演技がかってるイライラのアクション”っていうのかな、人に見せつけるためのイライラだと思って」

お「初見のときに「うわぁすっげぇキレてる女出てきた」って思った」

ぱ&み「(笑)」

お「私はわからなかったんだけど凄い音響の良いところにいくと、電車のなかでみんなが喋ってるときにばななちゃんが”スタァライト”っていうらしいんだよね。一瞬しんと静まって、純那ちゃんの「今は、よ」が入るんだって」

お「それを知ったらなおさら足踏みのところ、すっげぇイライラに見えちゃって」

み「うわぁ……生き恥じゃん……」

ぱ「でもどっちもわかる。ノリノリなのもあるし、ブチ切れてるのもある」

お「ノリノリって言われたときに、たしかにあの舞台で一番ノリノリなのはばななちゃんだよね、って」

ぱ「ブチ切れてる演技をノリノリでやってる(笑)」

み「まあばななはみんなが大好きだから」

お「大好き(殺)」

み「大好き(殺意)」

ぱ「あの皆殺しのときのばななの感情は、その後の決起集会で塔を立てて、カメラ目線で”おやつの時間はもうおしまい”って穏やかな声で言うじゃん」

お「うん」

ぱ「あの感情で皆殺しのレヴューやってると思ってるんだよね」

お「(笑) 非常におっかない」

ぱ「みんなを見守ってる立場で、それでもやっぱ言いたいことはあるって感じ、プラスばななの演技力爆発」

ぱ「表のトップスタァは天堂真矢とかひかりかもしれないけど、裏のトップスタァはばなな、っていうか。それが実際の現実でもこれだけばななファンを生み出してるのとリンクしてる」


5.じゅんななの話➀

み「ばななから純那への矢印のデカさがよ」

ぱ「ああ……」

み「あれさ、純那にとって大場ななとの同室生活は3年間かもしれないけど、ばななにとっては何十年とかなわけでしょ。夫婦じゃん……」

お「しかも好きな理由が愚かだからでしょ」

ぱ「才能無くて愚かで好き(笑)」

み「あれは持つ者の視点だよね」

お「なんかさ、苦しんでる人の美しさみたいなのは、残念だけどあるよね。でもそれって悪趣味っていうのも違うんだけど……」

み「傲慢さ、ではあるよね。でもさ、その傲慢さってばななが中学時代ずっと一人だったのに原因があると思ってて」

ぱ「あー、うん」

み「競いあう相手がいなかったんだよね」

お「しかもモダンバレエとか練習を始めたのも中学くらいじゃなかったっけ?」

(※大場ななは舞台に立つレッスンを始めた時期が他のメンバーよりも格段に遅い。クラシックバレエを8歳から、声楽を13歳から始めた)

ぱ「遅い方だよね?」

み「ひかりとか華恋に比べるとね」

お「彼女たちは幼稚園入ってたときだよね」

ぱ「真矢クロ、香子とかもっと早いんじゃない」

み「双葉はんも含めて生まれたときからだよね」

お「って思うとばななのさ……。その、テレビシリーズ観たときに「初めての舞台が上手くできちゃったらそこに固執するよね」ってパルメさん言ってましたけど、そこまで? って感じしない?」

ぱ「いや……わかるな」

お「わかる?」

お「あと私ばななの怖いって思ったところがさ、普通っていうか、能力があるとあれもできるこれもできる、って次の舞台をやりたくならない? それを”この舞台だけやってたい”ってなったんでしょ?」

み「ばなながさ、本当に固執してるのって(第99回聖翔祭のスタァライトという)舞台じゃなくて”みんな”の方だよね」

み「ばななって中学でずっと一人で演劇部やってたわけだけどさ、別に地元の劇団に入るとかすればよかったはずじゃん。それをしなかったのはなんでなの、っていう」

お&ぱ「うん」

み「舞台をやることよりも、誰とやるかだったんだと思うんだよね」

お「まあ一人でできちゃうからいい、ってところはあるかも知れないね、多少」

ぱ「けっこうボッチ気質ではあると思うよ」

お「あー、それはある。アニメで基本ニコイチななかでさ、純那ちゃんと絡んではいるんだけど、ばななだけ単体の抜きの絵が多い印象あるんだよね。みんなが帰省して、同室の純那ちゃんと話すシーンでようやくニコイチを認識できたっていうかさ」

ぱ「ばなな中学で脚本も書いて入賞とかもしてるけど、その”一緒に演技する相手がいないから脚本書く”ってなるのはボッチに決まってるじゃん」

み「(笑)」

お「も、もうやめろやぁ……」

(※この場にはボッチ気質しかない)

お「ボッチを辛いと思わないっていうか、いらないんじゃないの?」

ぱ「知らないんだと思う。プライドとかもあるかもしれないけど、そういう方向に喜びがあるっていうのをあんまり知らない子なんだと思う」

み「ばななのその、対人能力みたいなところになにかあると思ってて。ばななってすごいお菓子とか作るじゃん」

お「それすごい思った」

み「あれってああやって明確にみんなの役に立とうとすることでみんなの輪の中に入ろうとするのが、ばななの対人コミュニケーションのしかただと思うんだよね」

ぱ「うんうん」

お「写真撮ったりね」

み「その対人能力の低さ、みたいなものが現れたのが”私の純那ちゃんじゃない”なのかな、って」


6.レヴュー全般

お「今回のレヴューって、みんなすごくレヴューを私物化してるじゃん。だからばなな的に皆殺しのレヴューって発破をかけるっていうか、次の舞台へ行けっていうことだから、そう思うとばなな切ないって気持ちにもならない?」

ぱ「ああ……」

お「みんなで作る舞台が大好きだったばななが、次の舞台があるんだぞいけ、ってしてるわけでしょ」

み「そういう意味ではさ、みんなテレビシリーズとは真逆の方向に成長してるんだよね。テレビシリーズであんだけだらけてた香子が”忘れたんか?”って言うのってすごく意味があると思ってて」

お「ああ、一番になりたかったって言うよね」

み「まひるとかもテレビシリーズで自信をつけたからこその劇場版っていうか」

お「まひるはもう一番主人公してるでしょ」

ぱ「それはそう(笑)」

ぱ「一番自立して、一番前に出る

み「そうさせたのって華恋だと思う。まひるが”この舞台では、誰より朗らかに!”って言うのって、それが華恋が言ったまひるが持ってるものだからだよね」

ぱ「うん、そうだね。あの子ってずっと北海道でやってきたけど、”誰かのために”ではやってないっていうか」

お「お婆ちゃんに言われたから、だしね」

お&ぱ「地元じゃ負け知らず~♪」

み「それnoteに書いちゃうとJASRACが来るんよ」

ぱ「ばななの話だけど、みんなを送り出す立場になっちゃったじゃん。でもその辺は、アニメシリーズで純那と話したときにもう成仏してて、その上での皆殺しだった理由が、裏のトップスタァをずっと張ってたプライドっていうか、舞台少女としての自信と実力があるから、そこで言いたいことがあったんだと思う。wi(l)d-screen baroqueの歌詞とか」

お「あれ歌詞と斬るタイミングが一致してるよね」

お「ばななちゃんあれだよね、”私たちもう死んでるよ”って。ここななも死んでるって言ってるんだよね」

ぱ「優しい」

み「あなたたち、じゃなくて私たち、なんだよね」

お「あのあとばななちゃんもトマト食べてるし」

ぱ「そうそう、自分にも課題があるのわかってて……」

お「課題(笑)」

ぱ「課題(純那)

み「でけぇ課題だな」

お「純那への執着かぁ」

お「他のメンバーはわかりやすいっていうか、くっついてたり明らかに言い合ってたりするけどばななちゃんと純那ちゃんは割と大人っぽいっていうか。一見すると」

ぱ「狩りだから、あれは」

み「(笑)」

お「しかも純那ちゃんからばななちゃんに対する矢印はクソデカには見えない。いわゆる百合的なクソデカには」

ぱ「ああ~」

お「純那ちゃんが過去の偉人たちの言葉を使ってばななちゃんを励ますシーンあるじゃん。あのシーンでさ、いろんな言葉をもらって”他には他には”ってなって最後じゅんじゅんの言葉で笑うじゃん、そこからの映画ってなるとうわぁ、ってなるよね」

み「あれって言葉そのものじゃなくて、やっぱ純那の問題だと思うんだよね」

ぱ&お「ああ~(笑)」

お「あたしはさ、あのとき”他には”ってただじゅんじゅんとしゃべりたかっただけだと思うんだよね」

ぱ「うん……」

み「テレビシリーズで必死にトップスタァを目指してた純那の言葉だからばななは聞きたかったし、生き恥純那の言葉ではばななは振り向かないっていうか」


7.狩りのレヴュー

お「狩りのレヴューでビックリしたのが、狩られる側がばななちゃんだったってことなんだよね」

ぱ「ああ~」

お「ばななちゃんってどっちかっていうと支配者っていうか、弓を引く者ってかんじがして。じゅんじゅんはなにも知らず、一生懸命草をもぐもぐしてるシマウマ、みたいな」

み「あれって純那の武器が弓であることと関係してると思ってて」

ぱ「うん」

み「『シラノ・ド・ベルジュラック』って19世紀フランスの古典戯曲とかがいい例なんだけど、主人公の前に自惚れ丸出しで立ちはだかった貴族が、”言葉の矢尻を放ってみせましょう”って言うのね」

ド・ギッシュ やつに返答する者はいないか?
子爵 いない? 誰も? 暫く。わたくしが、言葉の矢尻を放って見せましょう。

『シラノ・ド・ベルジュラック』 エドモン・ロスタン
渡辺守章 訳 光文社古典新訳 2008年初版発行

ぱ「あー、なるほど」

み「言葉が武器である、ってことと弓が武器であるってことはイコールになってる」

ぱ「そういう、慣用句じゃないけど、イメージとして通じるものがあるってことね」

お「なげかけるもの、ってイメージもある」

み「で、純那の武器って唯一、自分の手を汚さない武器なんだよね。あとはまひるはメイスだけどメイスって結構血生臭い武器だから。そこで弓を喪って、ばななの刀を手に取って、ボロボロになりながら戦うってことが大事だったんじゃないか、と思って」

ぱ「あ、なるほど。安全圏から他人の言葉借りて攻撃してる純那が、ななの力で戦うっていうのが……」

お「でも、”返してよ”とか言ってるけど(笑) めちゃくちゃだよ(笑)」

み「いや渡したの自分やんけ、っていうね(笑)」

ぱ「足で渡してたやんけ(笑)」

ぱ「狩りのレヴューが一番スカッとする」

み「唯一レヴューの最中に成長してるんだよね」

お「私は真矢クロも成長してると思うんだよね。だから唯一って感じはしないかな。ワイルドスクリーンバロックがあって、全員が一歩進むってイメージだから」

ぱ「成長って言葉が……相手の仮面をはがす、みたいな感じなんだよね。狩り以外は」

み「ああ~。狩りだけはどろどろの生身ぶつかり合いやからな」

ぱ&お「(笑)」

お「真矢クロは正統派の舞台やってるもんね」

ぱ「明らかに新しい武器を手に入れてるのが狩りだけだっていう」


8.じゅんななの話➁

ぱ「(ばななと純那の)あの二人だけは、完全に背中を向けて別れてて、そこに帰結すると思うんだよね。決別の物語になってるっていう」

ぱ「舞台で生きる限り、いつか舞台で会おうねっていう」

お「あれだもんね香子はんの方はさ、こう、バイクの鍵の件とかあってさ、完全に遠距離恋愛のあれなんだよね」

ぱ&み「(笑)」

み「ばななって、すごくじゅんじゅんに依存してると思ってて」

ぱ「してるねぇ」

み「でもそれは”私の純那ちゃん”でしかなくて。だから歌詞で”あなた今までなに見てたの”って純那が言う感じ」

お「なんであなたちサラリーマン二人がそんなに歌詞憶えてるんだよ(笑) 聴く時間ないだろ(笑)」

ぱ&み「(笑)」

み「あのシーンで二人ともお互いに”眩しくて見えてないくせに”ってディスり合いをするわけだけど、ばななが言ってるのは過去の純那であって」

ぱ「そうだね。あの繰り返しのなかの純那しか知らないからね」

み「で純那は純那でそういうばななに”なに見てたの”って」

お「あれだよね。じゅんじゅん一番遠いところに行っちゃったしね。進路としては」

ぱ「アメリカとイギリスだもんね」

お「一人だけアメリカじゃん? ばななちゃんとひかりちゃんはロンドン? 他のみんなは国内。一番離れ離れになっちゃってるんだよね」

み「遥かなるエルドラドが最初に引かれてるけど、”いかねばならないんだ、この大海原へ!”ってセリフはさ、あれが大航海時代が舞台の劇だとしたらヨーロッパから新大陸アメリカを目指す話のはずなんだよ」

ぱ「ああー。そうだねたしかに」

み「あそこで純那が”この大海原へ!”って言うのは渡米の伏線だよな、っていう」

ぱ「あれは華恋の舞台ってだけじゃなくて、純那の舞台でもある


9.次は…………

み「ここまでで話が出てない華恋とひかり全般の話とかしたいよね」

お「ああ~。私も髪飾りの話するか迷ったの」

ぱ「神楽ひかりについては話せる」

み「俺もね~、愛城華恋には思うところが色々あるんでね。そうですね、次回はそのあたりのことを」

ぱ&お&み「じゃあまた、お疲れさまでした」


ということで、レヴュースタァライトについて好き勝手にしゃべる座談会の第一回が終了しました。
次回開催後、また同様の形式にまとめて書き起こし予定です。
また、座談会への参加者の募集も検討中です。募集開始の際は改めて告知いたしますので、レヴュースタァライトについて語りたい方がいらっしゃいましたらミトのTwitterアカウントまでご一報ください。


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