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ノヴァーラ戦から考えるピルロユーヴェとは

2019-2020シーズンの総括を一週間前に書いて、今週末には2020-2021シーズン開幕という中で高速で書いていこうと思います。

先日行われたノヴァーラ戦を見た感想と来季の展望になると思います。

ノヴァーラ戦の布陣

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スタートは3-4-1-2で攻撃時は3-2-5、守備時は4-4-2に可変するシステム。

3バックの一角のダニーロが入り同サイドには攻撃的なクアドラード、逆サイドのキエッロの前にサンドロが入る。

中盤にはフィジカルに優れた2人がスタメン、トップ下には覚醒が期待されるラムジーと2トップにはロナウドとクルセフスキの並び。

ピルロ式3バック

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HS=中央とサイドの間のスペース、HV=3バックの左右のCB

ユベントスは大外を両WBが使い右HSはクルセフスキ、左HSと中央のレーンをロナウドの動きに合わせてラムジーが動く3-2-5の陣形。

ユベントスの組み立ては3バック+中盤2枚で前進を試みる、WBが大外に張って幅を作る。

HV+CH+WBの3枚を起点に前線3枚にいい形で供給したいユベントスは、2トップのクルセフスキは右HS固定で上手くライン間で受けようとして、ロナウドはいつもの左サイドから中に入ってくる形で自由に動く。

この陣形でキーマンとなるのがトップ下のラムジー、攻守に渡って動き回ってロナウドが空けたスペースを使う。

このポジションには攻守で動き回れる運動量、前線と中盤をつなぐリンクマン的な役割を求められる。

ユベントスは大外に張ったWBが相手守備陣をスライドさせて、ライン間を流動的な前線3枚が使いコンビネーションで崩していく狙い。

3バックとWBの組み合わせ

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ノヴァーラ戦の守備の形はトップ下のラムジーが左サイドに移動、左WBのサンドロが一列下がって3バックがスライドする。

3CBの一角にSBの選手を置くことによって守備時に4バックに可変することが出来る。                             近年攻撃的SBと守備的SBのコンビが流行っている(パリのベルナトーケーラー、バイエルンのデイビスーパヴァール)

トップ下ラムジーが4-4ブロックのSHに落ちてきて、イタリア人監督が重視する「バランス」を取る。

来季の展望

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今までノヴァーラ戦について書いていましたが、今週末から始まる来シーズンの展望に触れていきます。

GKは守護神シュチェスニーと経験豊富なブッフォンの2枚看板、第3GKのピンソーリョはピッチ外での活躍に期待。

守備陣は4バックか3バックかまだ分からないが、ここでは3バックを軸にしていきます。

3バックの中央には最終ラインのレジスタボヌッチ一択、アンカー不在の中でビルドアップに優れたボヌッチにアンカーの役割をさせる。対人能力に不安があるボヌッチを中央でカバー役として使うことで欠点を補える。

HVには本職CBの選手と本職SBの選手を使う形になるだろう、キエッロ、デリフト、デミラル、ルガーニなど本職CBの選手と本職SBのサンドロ(左)、ダニーロ(右)の組み合わせ。

可能性が高いのは左HVにキエッロを置いて右HVにはダニーロの2人になると予想されている、まだ3バックに適応してないデミラル、デリフト、サンドロなどが慣れてきたら逆の配置も考えられる。

理想はデミラルが晩年のバルザーリのようにSBに対応できたら、左からデリフトーボヌッチーデミラルというBBCを思い出させる並びになってほしい。

中盤2枚にはゲームメイカーのアルトゥール、自慢のプレス耐性のラビオ、身体能力に優れたマッケニー、器用貧乏から万能型になってほしいベンタンクールの4枚。

アンカー不在を2ボランチで解決しようという狙い、攻撃時は崩しの起点、トランジション時には強度を求められる。

両WBには同サイドのHVとの補完性が要求される、例えば右サイドは本職SBのダニーロなので下がる必要が無く攻撃的な選手を使える。

左HVにCBの選手起用されると予想されているので、必然的に左WBはSBをこなせる守備力が必要になってくる。

怪我によって残留が濃厚となったベルナルデスキがユーヴェで生き残るためには左WBしか無いだろう、右WBでは逆足となり中に入り込む傾向があるので利き足の左サイドを推薦したい。

WG出身WB-ベルナルデスキ(左)、クアドラード(右)

SB出身WB-ダニーロ(右)、サンドロ(左)、ペッレグリー二(左)。クアドラード(右)

トップ下には前線と中盤をつなぐリンクマンになれる運動量豊富な選手が理想、稼働率に不安があるラムジーと期待のクルセフスキを使いたい。

2人とも運動量豊富で守備時にSHをこなせる守備力を兼ね備えている、ロナウドが自由に動くのでロナウドとの相性も重視されるポジション。

2トップの左はロナウドの聖域、右にはディバラを推したい。その理由は3-4-1-2のトップ下で使うには強度不足、運動量不足になってしまう。

本来ディバラは同じトップ下適正でもシューター型なので4-2-3-1のトップ下で使いたいが、3-4-1-2のトップ下ではゲームメイカーやリンクマンとしての役割を求めるため適正ではない。

3-4-1-2に組み込むなら逆足2トップの右側で使いたい、ロナウドが自由に動くので右HSに固定する形になるが、ディバラーロナウドを共存する為にはこれがべストだと考えられる。

今夏のメインターゲットとなってる新しいCFについては、現在ジェコ、スアレス、ジルーの名前が挙がっているがジェコが一番可能性が高い。

スアレスがパスポート問題によってCL登録まで間に合わない可能性があり、ローマーナポリ間でのミリク移籍が成立したという話が出ている。ミリクがローマ移籍を拒否した場合は代役のジルーになるだろう。

新しいCFに求められるのはポストプレーとロナウドに並ぶターゲットとしての働きが期待される。2人ともポストプレーに優れていて次世代への繋ぎとしては勿体ない選手。

ベンチには負傷が多いコスタをスーパーサブとして使いたい、ユーヴェに少ない局面を打開できるドリブラーなので、ジョーカーとしては重要なカードになるだろう。

エピローグ

最後に今季のピルロユーヴェに注目する点は3バックとWBの組み合わせ、トップ下の選手のタスク、ロナウドの相棒候補の3つ。

不安な所はトランジション時のカウンター対策と替えが聞かない選手の負傷。

仮に敵陣で3-2-5で攻めるときにHV脇、WB裏のスペースをどのようにカバーするかという点については、HVにデリフト、デミラルなど対人能力とスピードに優れた選手置くのがベターだと思う、対人に難があるルガーニだと地獄を見るだろう。

2ボランチの選手にフィジカルに優れカウンターを止める防波堤になる選手を置く選択肢もあるが、マッケニーの成長と適応次第ではスタメンで使われる可能性がある。

ピルロユーヴェでコアとなる選手はボヌッチ、クアドラードになると予想。

3バックの中央が天職の鉄人ボヌッチが負傷するのは考えられないが、仮に負傷した場合4バックに戻すことになるだろう。クアドラードは右WB、SBの両方をこなせるため、こちらも3バックには必要不可欠な選手。

ノヴァーラ戦を見た中で不安より期待が高まる内容だったが、ピルロ新監督の元悲願のリーグ10連覇を達成できるか楽しみなシーズンになるだろう。

筆者の予想はセリエA1位、コパイタリアベスト4、CLベスト16

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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