作戦通りの撤退守備 vsローマ戦
3位ローマと4位ユベントスの勝てば順位が入れ替わる重要な一戦、ローマ、インテル(コパイタリア)、ナポリ、ポルト(CL)と連戦が続いているが勝ち点を落とすことは出来ない。
第二節で対戦した時はラビオの退場の影響もあり敵地で2-2の引き分け。
お互いの布陣
ユベントス 攻撃:3-2-5、2-3-5 守備:4-4-1-1
ローマ 攻撃:3-2-4-1 守備:5-4-1
ユベントスは累積でベンタンクールが使えないのでアルトゥールとラビオのコンビ、クアドラードを休ませて左にサンドロ、右にキエーザの順足WB。
ディバラとラムジーはこの試合に間に合うことができなかった、連戦続きのマッケニーが心配。
対するローマは守備の要スモーリングが前節ヴェローナ戦で負傷交代、ペッレグリー二が出場停止、フォンセカと対立しているエースのジェコはベンチスタート。
代わりにイバニョスを3バックの中央で起用しクンブラが左HVに入る、前線にはジェコの代わりにキャプテンマークを背負うクリスタンテとレアルマドリードからレンタルで獲得したマジョラルがスタメン起用。
個人的に注目しているヴェレトゥはユーヴェに来て欲しい。
変芸自在のビルドアップ
ユベントスのビルドアップは3-2、2-3二つの形で組み立てる。
3-2で組み立てるときはダニーロが右HVで組み立てに参加しアルトゥールとラビオの2枚で前進を試みる。
3-2の中にもアルトゥールかラビオがサリーをするオプションがある。中盤一枚がCBの間に落ちて最後尾が3枚になる、この時ダニーロが内に入り残った選手と2センターを組みビルドアップを行う。
前半はラビオ、後半はアルトゥールが両CBの間に落ちてプレーしていた。
2-3で組み立てるときはダニーロの偽SBで中盤の並びがアルトゥールーラビオーダニーロの並びになる、この形は中盤から相手ゴール前でボールを保持した時によく観られる。
前線の選手はロナウドの動きに合わしてマッケニーが中央、HS、大外でプレーし縦横無尽に動き回った。
中盤の選手がCBの間に落ちる動きはサリー(サッリじゃありません)通称サリーダラボルピアーノと呼ばれています、参考にどうぞ。 https://www.footballista.jp/special/42410
作戦通りの撤退守備
ローマのゴール前での崩しは5レーンを使いポジショナルプレーを志向する。ローマの狙いはHVーWB-OHの三枚でユベントスのSH、SBを引きつけてSB裏、HSを攻略する。
3バックを起点にボールを運び相手のSHを引き付ける、中でもアンカーで使えるレベルの足元の技術を持っている右HVマンチーニが積極的にボールに絡む。
左WBのスピナッツォーラは個の力で局面を打開できるローマの崩しの核、対照的に右WBのカルスドルプはボールを持っても脅威を感じなかった。中盤2枚はビジャールが中央でゲームメイクをしながらゴール前に侵入する、ヴェレトゥは左HSでプレーしムヒタリアンが空けたスペースに飛び出す。
前線3枚はムヒタリアンが中盤まで下がって来て自由に動きスペースを作り出す。マジョラルはキエッロとボヌッチに完封され、クリスタンテは右HSに飛び出してチャンスを作り出した。
ユベントスの組織的守備はモラタが一列下がり4-4-1-1の陣形でゴール前を固める、自陣に引いて守りロナウドを前線に残しロングカウンターを狙う。
ローマが大外のレーンから攻撃を構築しようとしている中で左右非対称な守備で対応した。
右サイドではSBのダニーロがHSをカバー、キエーザが大外を担当してスピナッツォーラに対して粘り強く守った。左サイドではSBのサンドロが大外を担当してマッケニーがHSを守る。
この時マッケニーが内に絞って守備をする事によって守備に不安があるアルトゥールHをカバーすることが出来る。ベンタンクールの欠場で中盤2枚の守備強度が落ちる不安要素もあったが、モラタが下がって来て中央を固めキエッロが飛び出し守りきることが出来た。
エピローグ
試合はカウンターからロナウドのゴラッソ、ゲーゲンプレスからクルセフスキが抜け出しイバニョスのOGで2-0の完封勝利。戦略通りの撤退守備、カウンターがハマりピルロの戦略勝ちとなった。
シーズン中盤でプランBを用意できるピルロの成長にはあっぱれ、これからCLを戦う中で寝技を選択できることは大きな武器になる。
試合の中で気になったポイントはアルトゥールの弱点をマッケニーでカバーしてカウンター主攻の中でダニーロとアルトゥールがアクセントをつける。ボヌッチのロングフィードからゲーゲンプレッシングを仕掛けショートカウンターを狙う。
特にボヌッチのフィードからのゲーゲンプレッシングは継続して見てみたい。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
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