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帰ってきたロナウドとマッケニーの可能性          vsスペツィア戦レビュー

ヴェローナ戦、バルサ戦が終わって書かなきゃいけないと思っていたnoteですが、まるまる一週間以上休むのはいけないのでスペツィア戦を徹夜で書いています。

今回はいつもと違う感じで書いていきます。今までは攻守の局面ずつ分けていましたが、今回は前半、後半と試合の流れで書いていきます。

一年以上同じ書き方だったので実験的にやってみたいと思います。

お互いの布陣

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「ユベントス」 攻撃:3-2-5 、3-5-2  守備:4-4-2

「スペツィア」 攻撃:4-3-3  守備4-5-1

ユベントスは前回のバルサ戦からラビオ→アルトゥール、クルセフスキ→マッケニーを起用した、アルトゥールのアンカー起用とマッケニーのマトゥイディロールは注目。

スペツィアはローマユース出身で将来を期待されていたヴェルディ、カリアリの印象が強いファリアスなど、少ない予算の中でレンタル移籍を駆使して戦力を整えている。

得点を決めた26番のボベガはミランからレンタルで来ている逸材、スペツィアでの活躍でミラン復帰、ステップアップを果たせるか。

陣形の噛み合わせ

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ユベントスの3-5-2に対してスペツィアは4-3-3という噛み合わせ、相手の両WGに対しては守備時に4バックに可変することで対応。

プレッシング時両WBが相手SBに対して飛び出し、オールコートでのマンマークプレッシングを狙う形。

アンカーのリッチには2トップが両CBを見ているので中盤が飛び出して対応する。

【前半】 賛否両論別れたアルトゥールとディバラの不調

試合はユベントスがボールを保持して主導権を握る、ユベントスのビルドアップは3バック+アルトゥールで組み立てる。

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アルトゥールがダイヤモンドの頂点に入ってゲームを作る形とスペツィアの前線が3トップなので、数的有利を作るためにHVが外に開きボヌッチの横に降りるサリーの2つのパターン。

アルトゥールは短い距離でのショートパス、相手を引き付けるキープ力が特徴の選手。

ピルロやピアニッチなどの縦一本のロングフィードに慣れていたユヴェンティーノからするとボールを持ちすぎるという印象。

アルトゥールは自分から決定的なパスを出すタイプというより、ショートパスと相手を引きつけるキープで相手の守備陣形を左右、上下に揺さぶってスペースを作り、ボヌッチやベンタンクールなど近くの選手が決定的なパスを出せる様に下地を作る役割。

前半のユベントスはディバラ、マッケニー、クアドラード達が絡む右サイドから崩しに行った。

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いつもは2ボランチが横に並ぶ3-2-5の布陣だが、今回は3バックの前にアルトゥールが立ちベンタンクールはバランスを取る左IH、右のマッケニーは相手のCB-SB間に飛び出して右HSを使う。

マッケニーはケディラやマトゥイディ、ビダルの様な動きだしは良かったが精度はまだまだ。

中盤がバランスを取っている左サイドはキエーザが大外に張って一人で打開する、前半はモラタが中央寄りでポスト役、クロスターゲットになっていたのでサポート役がいなくて苦しんだ。

マッケニーが果敢に飛び出す右サイドはクアドラードからマッケニーへのパス、モラタへのアーリークロスなど崩しの起点となった。

2トップに入っているディバラは右IHの位置まで下がってきて、中盤3枚の一角としてプレーする。

ディバラはメッシを目指しているのか最大の武器を活かせるシューターとしての役割より、アッレグリ末期のリンクマンとしてプレーを試みた。

怪我の影響かいつもは相手を振り切る、ファールを奪えるシーンでは、相手に捕まってしまい調整不足を感じさせた。

主戦場のバイタルエリアから下がってきて、中盤でプレーするのはチームの狙いかディバラ自身の独断か分からないが、ピルロは下がってくるディバラに対してマッケニーを飛び出させる。

キエーザは大外に張ってベンタンクールはバランスを取る左サイドを活性化させたのは、いぶし銀の働きを見せるダニーロ。

左HSにスッと入ってきて先制点の起点となったマッケニーへのスルーパスなど、要所要所上がってきて攻撃にアクセントを付けた。

試合はユベントスが優位に思われたが守備ブロックの穴を突かれた。

ユベントスのゴール前での守備はユベントスの2トップは中央のパスコースを消してサイドに誘導させる守備。

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ラムジーに代わってマッケニーが使われたもう一つの狙いは、守備時に4-4ブロックに可変するときに運動量が求められる役割なので走り回れるマッケニーを使った。

守備時にドイスボランチでプレーするアルトゥールは他の中盤の選手に比べると強度不足を感じさせた。

守備時のポジショニングに改善点が多く、同点に追いつかれたシーンではアルトゥールが締めないといけないスペースをカバー出来ずそこから失点した。

マッケニーは右SHでプレーしていたのでアルトゥールが埋めないといけない場面、セット守備に不安が残す状態ではオプションでしか使えないので、これから修正していきたい所。

【後半】 明暗が分かれたロナウドとディバラ

ユベントスは後半に入って50分過ぎにディバラに変えてロナウド、60分過ぎにマッケニー→ラムジー、ベンタンクール→ラビオを立て続けに投入した。

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主力級を後半から投入出来るので前半に試せる余裕があったのか?

これによって配置が大きく変わることになった。

前線5枚は中央にモラタが入って右HSにラムジー、ロナウドは左HSを中心に自由に動くポジション「ロナウド」。

大外の選手が張って相手の守備陣を引きつけ、空いたライン間を上手く使おうという攻め。

早速獲得当初は合わないと言われていた、モラタ→ロナウドから勝ち越しゴールを決めた、モラタが走れて落とせて守れる万能型に成長したので、ロナウドとの共存が可能になった。

ロナウドが左HSを中心にプレーをするので、相手が警戒して寄った結果スペースを得たのがキエーザ。

前半は孤立している状況で仕掛けていたので、空回りしていた印象を与えたが、ロナウド投入によって左HSを使えるようになりキエーザが躍動し終盤PKを獲得した。

試合を決めた3点目の場面では代わって入ったラビオが、ロナウドが空けた左HSを飛び出して一人で決め切った。

ラビオは個性豊かな今季の中盤の中で核となる選手、恵まれた身体を活かして攻守に貢献する働き。

今季の核となるロナウド、ラムジー、ラビオの投入で試合を決定づけたユベントス。ここまで計算した上でのディバラのメッシロールやマッケニーのマトゥイディロールの実験だったか。

エピローグ

下がってくるディバラに対しての回答はゴール前で右IHに配置すること、マッケニーを運動量を生かし攻撃では右HSへの飛び出し、守備時には4-4ブロックのサイドなど面白い起用法。

マッケニーはビルドアップ時は中盤3枚のIH、ゴール前ではロナウドが自由に動くのでモラタと同じ高さの右HSプレー、守備時は4-4ブロックの右SHで守る事になるだろう。

タスクが多く運動量でカバー出来るか分からないが、ハマったら面白い使い方。

次の試合のCLフェレンツバーロシュ戦でもマッケニーが上記の起用法で試されると思うので注目したい。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

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