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Shakespeare in the Parkに行ってきたよ!

こんにちは、ニューヨーク在住女優、筒井あづみです。ニューヨークの夏の風物詩と言えば、"Shakespeare in the Park"。セントラルパークにある屋外劇場で毎年夏にシェイクスピアの芝居が上演されるのですが、なんとチケットはただ!毎年素晴らしい俳優さんが出演するのです。

去年はやはりコロナの影響でこのイベントはキャンセルになってしまいましたが、コロナ以前はチケットを入手するには、劇場のチケットオフィス前で数時間並んで待つか、ネットで抽選に申し込むか、でした。3ヶ月ほど上演は続くので、チケットあたったよ!という人の話は割と聞いていたものの、私は今まで一度も行ったことはありませんでした。

コロナでの中止を経て、この夏復活した "Shakespeare in the Park"。ニューヨークがいよいよ通常運転に戻ってきていることを感じられる一つの大イベントです。今年はチケットオフィスで並んでチケットを入手するという手段はなくなり、ネットでの抽選のみとなりました。

ネットの抽選にあたって観に行ったという話をいくつかの筋から聞いていたので、もしや、今年はいつもより当たりやすいのかもしれない、と思い、ネットで抽選申し込んでみました。

毎週火曜日と金曜日に次週の分のチケットの抽選に申し込めるのですが、3回ぐらいははずれました...。しかしあきらめずに申し込み続けると4回目でやっと、当たりました!

劇場はセントラルパーク内の Delacorte Theater。野外劇場と聞いていたので、もっと野外フェスみたいなステージを想像していたのですが、全然違いました(笑)

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相当しっかりしたセットです。

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Social distancingにも配慮し、隣は空席になっています。なんと、前から2列目というものすごくいい席でした!

今年の演目は "Merry Wives of Windsor" (ウィンザーの陽気な女房たち)。実は2年前に私は別のプロダクションでこの演目に出演した経験があるので、特に興味がありました。フォルスタッフという間抜けな悪者が出てくる陽気なコメディーです。

今回の Shakespeare in the Park は全員黒人俳優というキャスティングでした。しかも舞台はニューヨークのハーレム。アフリカンドラムを使ったり、衣装や話し方もすべてアフリカンアメリカンの人々の文化を反映したものになっており、シェイクスピアの言葉のリズムとアフリカンアメリカンの人々のリズム感が合わさった、非常に新しく、そしてエネルギッシュな芝居でした。

ハーレムのアポロシアターに行ったときも思いましたが、アフリカンアメリカンの人たちのエンターテイメントのパワーってすごい。観客を巻き込み、ものすごいエネルギーを作り出します。ハーレムの教会に行ったときもそうでしたが、じっと大人しく座って見させてくれません(笑)

芝居がかなり終わりに近づき、あとは大円団を迎えるだけ!となったとき、ぽつぽつと雨が。しばらくすると芝居の途中でアナウンスが入り、「雨のためしばらく中断します」と。雨が降ると舞台が滑って危ないので、役者を守るためにこういう判断は早めにするというのがルールです。

しばらく待ちましたが、雨が上がる気配もなく、残念ながらそのまま中止となってしまいました。

天候によるキャンセルは屋外劇場にはつきもの。夏のニューヨークの天気は予測しづらく、急にどしゃぶりになったり、雷雨になったりします。私たちも2年前の公演でパフォーマンスの途中に急に降りだしてそこでストップ、キャンセルとなったときもありました。

余談ですが、屋外でシェイクスピアをやっている劇団はニューヨークにいくつかあって、以前にそれぞれの劇団の代表が集まってフォーラムをしていたのですが、そこで聞いた話によると、20年も前からやっている劇団は、芝居の途中で何か危険なことがあればそこで中止にするための掛け声を決めているそうです。役者は芝居に入り込んでいると周りの状況が見えなかったりして危険なので、そういった配慮が必要なんですが、ある掛け声は「観客の中に銃を持った人がいる!今すぐ避難せよ!」の意味なんだそうで、幸運にもこの掛け声を使ったことはこれまで一度もないそうです。

そんなわけで昨日のシェイクスピア公演は中途半端に終わってしまいましたが、今週で終わりなので、リベンジは難しいかなぁ。また来年、観に行きたいと思います!






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