『帰還不能点』ふたたび

1年半ぶりの再演

さて、DULL-COLORED POP『岸田國士戦争劇集』をなんとか終えたばかりではありますが(正確には無事、ではない。コロナの影響で当初予定していたステージ数はできなかったので、なんとも悔しい限りではあるが、しかし赤白２チーム揃って千秋楽を迎えられたのは良かった、ほんとに)、8月は劇団チョコレートケーキの戦争劇６篇のうちの一本に出演します。演目は去年2月に上演した『帰還不能点』です。初演時は全ステ完売、とはいえやはりコロナの影響で客席５０％での上演だったのです(一席飛ばしの客席にはなんら科学的根拠もないので今はさほど見られなくなりましたが当時はどこの劇場もそれをやっていましたね)。そのときから通常通りの１００％客席状態で早いとこ再演したいですね、なんて座組内では実際話していたのですが、それが早々に実現できるのは嬉しいことです。しかしここ数週間のコロナ爆発(第六波？第七波？もはやよくわからん)の影響もあるのか、まだまだお席はあります(>_<)。今回はたったの７ステージです。場所は同じく東京芸術劇場シアターイースト。観てもらいたい、です。お芝居の内容としては、大日本帝国が対米戦に踏み切った経緯を戦後の官僚たちが振り返る、と書くとなんだか味気ないですが、それを演劇ならではの形で俳優が遊んだり暴れたりすることで「あの戦争は一体なんだったのか？」を自身と他者に問いかける鉄板アツアツ逆噴射闇鍋芝居です(なんのこっちゃ)。先月のダルカラ戦争劇を体感した方は、また違った角度で「戦争」を突きつけられるでしょうし、去年の初演をご覧になった方もまた別の距離感で感じていただけるものがきっとあるはずです(なにせ海の向こうで現実に戦争が始まってしまったし、元首相が銃殺されるなんて誰が想像していたでしょう？ほんとに恐ろしい世界に自分は生きているのだなと思います)。
再演というのは実際手強くて、初演のときは勢いや感覚で走り切ってたものが、時間を置いたことと、その枠組みを身体が一回潜って経験していることによって、迷ってしまったり、かえって不自由になってしまう可能性もあります。しかしだからこそきちんと遠回りができると言いますか、一回一回の稽古に深みがある気がします。例えば返し稽古のダメ出しの時に誰かがぽつりぽつりと考えてること感じていることを話し出した時の、それに対する理解がすでに深いところからスタートできるというか、疑問点やうまくいってないところを今回はどういうセッションで具現化できるのか、これを書いてる時点では初日まであと1週間はあがけるので、今年の『帰還不能点』はどうなるのか、僕自身楽しみなのです。再演という形はもっといろんなカンパニー、作品で為されると良いのにな。俳優にとっては鍛えられますよ、単純に。演劇は刹那的な爆発がおもしろいんじゃん！ていうのと同じくらい再演もおもしろいです。その刹那的な爆発が再現性を担保しつつ毎回「初めて」をやることができたら？難しいことですが、それをやることで俳優の身体や感覚は間違いなく鍛えられると僕は思っています。自分の芝居観・スタイル・直感が実戦の中で露わになるからです。ああ、とにかく無事にやれるといいな。このメンツのセッションはとにかく楽しいのよ。

公演概要

劇団チョコレートケーキ

生き残った子孫たちへ　戦争六篇

脚本　古川 健（劇団チョコレートケーキ）
演出　日澤雄介（劇団チョコレートケーキ）

2022年8月17日(水)～9月4日(日)
＠東京芸術劇場　シアターウエスト／シアターイースト

世界と環境が目まぐるしく変化するなか
自分たちの輪郭をはっきりさせるために
これまでの作品を連作で振り返ることとしました。
自分たちの今の立ち位置を確認するために。
そして、これからの時代と繋がっていくために。

生き残った子孫たちへ　戦争六篇。

●シアターイースト
8月17日（水）～21日（日）
『帰還不能点』

何故あの時、必敗の対米戦に突き進んだのか？
帰還不能点［南部仏印進駐］を越えてしまった高級文官たちの物語。
（2021年初演）

［キャスト］
岡本 篤
西尾友樹
（以上、劇団チョコレートケーキ）

青木柳葉魚（タテヨコ企画）
東谷英人（DULL-COLORED POP）
粟野史浩（文学座）
今里 真（ファザーズコーポレーション）
緒方 晋（The Stone Age）
照井健仁
村上誠基
黒沢あすか

開演時間
8月
17日（水）18時30分
18日（木）14時00分／18時30分
19日（金）18時30分★
20日（土）14時00分／18時30分
21日（日）14時00分

★タブレット字幕回
受付は開演の45分前、開場は開演の30分前

≪料金≫
全席指定　※未就学児の入場不可
■『追憶のアリラン』『無畏』『帰還不能点』『ガマ』
前売￥4,500
U25￥3,800(25歳以下。枚数限定。要証明書提示。東京芸術劇場ボックスオフィス、前売のみ取扱)
高校生以下￥1,000(枚数限定。要証明書提示。東京芸術劇場ボックスオフィス、前売のみ取扱)
4作品通しチケット￥18,000→￥16,800(各作品平日18時30分の回限定。東京芸術劇場ボックスオフィス電話・窓口にて前売のみ取扱)

■短編連続上演『〇六〇〇猶二人生存ス』『その頬、熱線に焼かれ』
前売￥2,800

≪チケットお取り扱い≫　発売日7月16日（土）10時～
感染症対策を徹底した上ですべての客席の販売を予定しております。
■東京芸術劇場ボックスオフィス
窓口（休館日を除く10時～19時）
0570-010-296（休館日を除く10時～19時）
https://www.geigeki.jp/t/

■チケットぴあ
シアターウエスト　Pコード：512-742
シアターイースト　Pコード：512-747
https://t.pia.jp/

■Confetti（カンフェティ）
0120-240-540（平日10時～18時）
http://confetti-web.com/geki-choco

≪観劇サポート≫
■聴覚障害者のためのタブレット型字幕提供サービス
対象公演：
『帰還不能点』8月19日（金）18時30分
『追憶のアリラン』20日（土）14時00分
『無畏』27日（土）14時00分
『ガマ』9月3日（土）14時00分
お問合せ：劇団チョコレートケーキ　info@geki-choco.com
※件名に［タブレット字幕申込］と明記の上
お客様のお名前（フリガナ）、ご来場日時、枚数、ご連絡先を上記メールまでお送りください。
お席は劇団におまかせになります。

■託児サービスのご案内
東京芸術劇場でご鑑賞の際には、一時託児をご利用いただけます。
ご予約受付・お問合せ：
株式会社ミラクス　ミラクスシッター　0120-415-306（平日9時～17時）
※有料・定員制。希望日を1週間前迄に要申込

≪公演に関するお問い合わせ≫
■劇団
info@geki-choco.com
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ドメイン指定受信や迷惑メールフィルタ等の設定を必ずお願いいたします。

公演詳細

次回公演 | 劇団チョコレートケーキ

どうぞよろしくお願いいたします。
東谷英人