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緩和ケアについて

今日は、私が普段働いている緩和ケア認定看護師についてのお話しをしたいと思います。

ちょっと、コアな話で、"私には関係ない"と思う人もいるかもしれません。しかし、現在、日本の死因第一位が悪性新生物(がん)であり、2人に1人の割合でがんにかかっているといわれています。医療は、進歩していますが''がんの患者さん"は今も増えています。もしかしたら、身近にがんを患い苦しんでいる人がいれば、緩和ケアについて知っといた方がいいと思います。

みなさん、緩和ケアって聞いたことありますか?私は、患者さんに緩和ケアという言葉を伝えると「ホスピス」「最期にいくところ」「自分の状態が良くない」など、緩和ケア=最期の場所、暗い、もう死ぬんだというイメージをもつ方がほとんどです。

でも、実は、緩和ケアの考えは、そうではありません!緩和ケアは、がん、不治の病と診断された時から受けられるケアのことです。なので、緩和ケアは、病気と診断されてから、早期から受けられるものです。

病気と診断されて、早期からのケアって何があるの⁇ってなると思います。それは、精神的なケアがメインになります。

がんや不治の病を宣告されると、本人は、精神的なショックを受け、食事が喉を通らなかったり、いろいろ病気のことを考えて、夜なかなか寝られなかったり、何も手につかず、今まて楽しめていたことが楽しめなくなります。あと、だれにも相談できずに1人で抱えてしまう方もいます。(日本人特有の性質があるのかも)。

これは、正常な反応であり、誰もがショックを受けたあとに起こる生理的な反応です。最初は、先生が言ったことは、夢だったのかな、夢であればいいのに、でも、時間の経過とともに現実として病気を患っている自分があることを少しずつ認めていき、普段の日常生活に戻っていき、治療をしていくのが一般的な経過です。

ただ、実際は、病気を宣告されて、すぐに手術や抗がん剤治療が開始されるのがほとんどです。患者さん自身からすると、ショックで病気について考える時間もなく、悲しい気持ちを抑え込んだまま、慣れない入院生活、辛い抗がん剤治療がはじまります。抗がん剤治療は、以前よりも副作用は、出にくくなりましたが、それで吐き気やからだのだるさで辛い日々を送る方もいます。

病気を受け止めないまま、辛い治療がはじまりまると、精神的にまいってしてしまいます。実際がん患者さんが"うつ"になる比率は、一般の人と比較して2倍以上といわれています。"うつ"になり、自殺につながるケースも少なくありません。

最悪の事態にならないためにも、早期からの緩和ケアを受けることが推奨されています。

実際どんなケアをしているのかというと…私は、たわいもない、雑談から始まります。私は、まず、患者さんや家族と信頼できる関係が1番だと思っています。信頼関係を築いた上で、病院のことや不安に思っていること、気がかりになっていることが話していきます。精神的なケアの一つは、会話です。会話をすることで、漠然とした不安をじぶなりに整理することができます。また、心の中に閉じ込めていた不安を話すことで、気持ちも楽になります。ただ、日本人の性格もあると思うのですが、中には自分のことを話ししたくない人もいます。そういう人には、無理には話しません。ただ、いつも寄り添っていることは言葉で伝えます。そうすると、心を開いてくれる人もいます。

私は、たわいもない話がとても重要だと思っています。たわいもない話をすることでその患者さんがどういう人なのか、今までの人生の生き様、人生で大切にしてきたものがみえてきます。緩和ケアで、1番大事なのは、病気を患いながらも"その人らしい人生を送ることができる"ように支援することです。生活の質(QOL)を上げていくことが目標です。なかなか、現実は、入退院を繰り返して、抗がん剤治療が中心の生活になり、仕事ができなかったり、今まで楽しんでいた趣味を中断したりして、制限しながら生活しているのが現状です。

私は、病を持ちながらもその人らしく人生が送ることができるように、少しでも役に立てればと思い過ごしています。

がんの患者が増えてきていることを実感しています。これから、緩和ケアについて、正しい情報を発信して、少しでも安心していただければと思います。

興味がある方はチラッとみてもらえると嬉しいです。

追記 緩和ケアは、考え方の話です。この病気にはこの治療法がいいとかの話ではありませんので、治療法とかの話ではないことは、ご了承ください。