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最も恐ろしい犯人像

最も恐ろしい犯人像とはなんだろうか?
自分なりに考えてみた。
多分、最も恐ろしいのは「動機が見つからない」ことだと思う。
「ムシャクシャしてやった」といった動機は、無差別殺人等で耳にするが、犯人のバックボーンを調べていけば納得できることが多い。
(不幸な家庭環境や、学生時代のイジメなど)
こういった犯人はメディアが適当に理由を探してくれるので、ニュースを見ている側も「そういうことか」と腑に落ちる。
しかし、犯人が

学生時代から優等生でリーダーシップもあり、スポーツマンでイケメン。
一流企業に就職後、家族を持って子煩悩。

といった一点の曇りのない経歴だった場合、どうだろう?
私達は彼の人生から、犯行に及んだ理由を推測することができない。
いくら掘っても説得力のある材料が出てこないとしたら、メディアは適当に理由を作り上げるしかない。
動機が見つからなければ、犯人像の創作にも難儀するだろう。

時間が経てば、事件は忘れ去られるが、凶行に及んだ理由は謎のままとなる。
もし、私達がこの人物と対峙した時、理解のできない怪物が世の中に存在している事実に耐えられるだろうか?

そう考えると、自分が恐れる「動機が見つからない」犯人はメディアを通した時点で存在しないことになる。
誰かが分かりやすい犯行理由を作り上げているからだ。
恐らく、テレビで専門家を呼ぶ理由は、理解できない現実を存在させないためにあるのだと思う。
答えが合っていなくても、安心のために推理役は必要なのだ。


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