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観たもの、聴いたもの、読んだもの(2023.07)

01.書籍


01.キネマ探偵カレイドミステリー

シリーズ物で全3巻。
Kindle Unlimitedで全巻無料。
斜線堂 有紀先生が大学在学中に執筆されたライトミステリー。
映画に絡めた事件を安楽椅子探偵の嗄井戸高久が解いていく話。
作者が映画好きなのが伝わってきて、ニヤニヤする話が多かった。
特に『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に関しては、別の作品『BTTF葬送』でも扱われていたので気分が高揚した。

02.夏の終わりに君が死ねば完璧だったから

お次も斜線堂 有紀作品。
Kindle Unlimitedで無料。
こういう良作が無料で読めるのがKindle Unlimitedの魅力。
ヒロインが奇病に侵されて衰弱していくという、昔のケータイ小説で流行ったテーマ。
ヒロインの身体は徐々に黄金化していき、最後は3億円の金塊になるという設定。
貧困家庭の主人公は、献身的な愛をどう証明するか苦悩する。
ビジュアルもテーマも美しい作品なので、映像向きだと思う。
多感な時期である10代にオススメ。一番刺さるハズ。
(自分にとっては東野圭吾『秘密』が該当する)

03.なぜ名経営者は石田梅岩に学ぶのか?

久しぶりのビジネス本。
勤勉さを善とする日本人のメンタルを築いた石田梅岩に関する本。
基本的には石田梅岩のライフスタイルを紹介し、現在に活かそうという趣旨。
この本を読めば、日本人の思考がどこから来たか分かる。
無意識に存在する日本人としての意識は、どこからやって来たかを考える機会になると思う。

面白いのは、梅岩本人は特定の宗派に属していなかったということ。
彼自身は町の商人であり、本が知識の源だった。
そして、40代中盤で私塾を開いたのだが、もちろん支援する組織はなかった。
しかし、民衆を中心に評判だけでバズり、一つの勢力となってしまった。
これは今で言うYouTuberのインフルエンサー感がある。

日本の労働者たちは、なぜ悪天で電車が止まっているような状態なのに、それでも会社へ行こうとするのでしょうか。
特に海外の人々は、このような日本人の行動が理解できず、疑問を呈することが多いようです。
「会社に洗脳されていて、毎日出社しなければ精神が破綻してしまうのだろう」などと、揶揄されることすらあります。もちろん、実際は洗脳などされていません。彼らは、悪天という非常事態においても、何かを維持し、継続しようとしているのです。それはいったい、何なのでしょうか。これは、ほかならぬ「日常」です。 日常を継続することの意義は、弁舌に尽くし難いものです。

なぜ名経営者は石田梅岩に学ぶのか?

台風で出社する人を社畜呼ばわりする人がいるが、日常というシステムを維持するために出勤するという考えには驚いた。
確かに日本人の復興力を見ていると納得する部分がある。
また、特定の宗教に傾倒せず、あくまで道具として使い分ける発想も先進的だと感じた。
優れたものであれば他国の物でも受け入れる姿勢は梅岩の影響もあるかもしれない。

04.牛を屠る

と殺業の話。
北海道大学法学部を卒業後、屠殺場で9年間働いた経験を書いたもの。
ルポ目的ではなく、生活のために働くことになったのだが、本人に適正があったため腕をメキメキ上げていくところが面白い。
生き物が肉に加工されていく様子は、淡々と描かれており意外にも悲壮さはない。
あとは、職場の人間関係や仕事道具の話など、普段知らない世界を知れるのは面白い。
1999年当時の話なのだが、ナイフで牛の皮を剥ぐ話などは大変興味深かった。

02.マンガ

01.生き残った6人によると(5)

ゾンビ×テラスハウスを混ぜた作品。
ショッピングモールに籠城しながら恋愛要素も絡めているのが斬新。
実写ドラマ化もされているのだが、意外と知名度が低い。
Netflixで予算モリモリでやってくれれば伸びしろはあると思う。
最近は『ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜』が話題だが、個人的には、こちらの作品の方が好き。
ゾンビを倒す爽快感だけでなく、キャラ同士の感情の動きが丁寧に描かれているので気持ちが入りやすい。
好感を持てる主人公もGOOD。自信をもって推せる作品。

02.地元最高!

絵柄の可愛い『闇金ウシジマくん』
ヴィレッジヴァンガードが好きな人ならハマると思う。
人に推すのは躊躇するが、自分は好きな作品。
まともな登場人物が一人もいないのだが、与えられた環境に幸福を感じているところが良い。
西原理恵子の『ぼくんち』に通じるところもあるが、こちらの方が内容は薄くてギャグ寄り。
Twitterマンガから、こういう香ばしい作品が量産されてくれるのは多様化が進んで大変良いことだと思う。
ちなみに自分の推しは●ちゃん。
謎が多いキャラだけど、地元の怪異みたいな設定が良い。

03.グレイプニル(14)最終巻

着ぐるみを着て戦うセカイ系バトル。
エヴァのような鬱々とした主人公と、アスカのようなヒロイン。
主人公を誘惑するヒロインがとても魅力的で購入を決めた。
序盤の展開がミステリアスで面白かったが、ここ数巻は戦闘が大雑把なバトル物となってしまった。
展開がダラダラと続くため、そろそろ集めるのをやめようと思っていたが14巻で完結した。
ジッパーで始まり、ジッパーで終わるところは良かった。

まさかの伏線回収?

04.わたしひとりの部屋【読切】

Discordでオススメされた読み切り漫画。
私小説を漫画にしたような内容。
日常のちょっとした嫌なことや、未来への不安への解像度が高い。
純文学と言ってもいいくらい、現在を生きる若者の心理を掘り下げている。
見ていてスカッとするストーリーではないが、ゾワッとした感覚がクセになって何回も読み返してしまった。

05.日食ステレオサウンド

村上春樹の新作をマンガ化したような内容。
絵柄は星新一の挿絵を描いてた真鍋博に似ている。
うまく説明できないが、爽やかな作品だった。
町田洋はエンタメとしては分かりにくいが、何度も読むことで好きになる話が多い。
オシャレなカフェに置いてあったら「店主わかってるな」と食べログに星5を付けてしまいそう。

06.夜とコンクリート

町田洋・2本目。
本格的にこの作家が好きになった1作。
2本目の『夏休みの町』は今の時期に読むのにピッタリの話で、社会人をやってる人が読むと刺さると思う。
自分だったら現実よりもこの町に残ることを選んでしまうかもしれない。

本筋とは逸れるが、野晒にされている戦闘機はフランスのD.520あたりだろうか?
調べてみたが、機種名は分からなかった。
自分はイギリスのタイフーンだと思いこんで読んでた。
作中でフランス機と明言されてるのに。

07.惑星9の休日

町田洋・3本目。この夏で一気に3作品を大人買いしてしまった。
初期の頃の単行本。
表題作が無料で読めたので、試し読み直後に即買いした。
収録作では『惑星9の休日』と『それはどこかへ行った』が良かった。
どちらとも読後感が非常に良い。
毎年、夏になるたびに読み返したくなると思う。
それにしても作者は夏がホントに好きなんだと実感した。
初期作の方が作画に真鍋博の影響を感じる。
あとキース・ヘリングも好きなんだろうな、と劇中に登場する彫刻を見てニヤニヤしてしまった。

03.アニメ

01.るろうに剣心

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0BYPN6ZY3/ref=atv_dp_share_cu_r

旧作リアタイ世代なので、るろ剣には特に思い入れが強い。
オープニングは『そばかす』と全然違う曲調だが、自分としてはアリ。
まさか明治時代が舞台の作品にラップを使うとは予想できなかったが。
声優に関しては、剣心の声に賛否両論あるが、自分としてはアリ。
あまり違和感なし。
というか、薫殿も弥彦も旧作に近くてホントに驚いた。
起用する際には、かなり選抜したハズ。
唯一の不満としては斎藤一の声くらい。
鈴置洋孝さんがハマり役過ぎて、どうしても気になる。
話は丁寧に作られているので、完走すると思う。

02.呪術廻戦 シーズン2

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0C9TH8MT9/ref=atv_dp_share_cu_r

原作も読んでるので展開は知っているが、天元様の話は好きなエピソード。
作画は相変わらずキレイ。
『呪術廻戦』は動きの多い戦闘シーンが多いので、動画にすると映える。
それにしても闇落ちエピソードが丁寧に描かれる夏油はホントに作者に愛されている。

03.ゾン100~ゾンビになるまでにしたい100のこと~

ガンダムの後に始まったので何となく見ている。
Netflixで実写化も決定されており、宣伝に気合が入りまくっている。
やりたいことリストを消化していく流れは目的がハッキリしていて面白い。
ビジネス書にもよく書かれているが、目的意識は大切だと思う。
ゴールが見えずにダラダラ生きてる自分も見習わなければならない。
同じジャンルの『生き残った6人によると』もアニメ化されて欲しい。

04.映画

01.ビッグフィッシュ

『キネマ探偵カレイドミステリー』で登場したので、気になって鑑賞。
ティム・バートン作品は『チャーリーとチョコレート工場』しか観たことはなかったが、世界観の作り込みに驚いた。
現実と陸続きにあるようなファンタジーの表現がホントに上手い。
特に話の中盤に登場するスペクターという町が、夢の中に出てくる場所のようで美しかった。
村人は裸足で生活するので、町の入口に靴をぶら下げているのも良い。
(ちょっとホラーっぽいけど)
片目が義眼の魔女や、身長5メートルの巨人、シャム双生児の歌手など、ところどころ監督の趣味が垣間見えるところも面白かった。
ジブリの『君たちはどう生きるか』を鑑賞後に観たせいか、「宮崎駿監督にはこういう作品を撮って欲しかった」という気持ちになった。
現実×ファンタジーという作品を構成する要素が同じなので比べてしまった。

02.シン・仮面ライダー

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0C54KMP91/ref=atv_dp_share_cu_r

アマプラで視聴。
仮面ライダーはTVで全く見たことがないので、映画としての純粋な感想になる。
全体的にTVの総集編を見ている感じ。
監督がやりたいことを2時間に詰め込みすぎて、ついて行けない部分が多かった。
(専門用語とか)
あとは、かっこいいシーンも多いのだが、主人公に感情移入し辛かった。
改造前もニートみたいな生活だったらしいので、改造されたことによる喪失感が少ないせいだと思う。

浜辺美波は評判通り、綾波レイの実写版みたいで可愛かった。
キャクターの造形は良かったと思う。

シン・シリーズは全てチェックしているが、個人評価としては
ゴジラ>仮面ライダー>ウルトラマン
と言った感じ。
最初のゴジラが良すぎたせいで、他のシリーズは「アレッ?」と言った感じ。

03.君たちはどう生きるか

ネタバレ厳禁作品なので詳細には触れないが、個人的にはガッカリ・ジブリ作品。
前半1時間はワクワクしたのだが、それ以降が?のブーメラン連発。
昼過ぎの上映だったので眠りかける部分もあった。
設定に面白い要素もあったのに、活かしきれていない印象。
至る所に監督の好きなモノを感じ取れるが、エンタメとしてまとめ切れていないと思う。
やはり高齢になってアイデアを大衆向けに加工する力が衰えていると感じる。
チケット代の2,000円は、今まで楽しませてくれたジブリへのお礼としては安いくらいだと思っているので映画館へ行ったことは後悔していない。

05.ドラマ

01.どうする家康

妻子を失った家康が覚醒し、腹黒タヌキへと進化したのは良かった。
(特に家臣の前で海老掬いを披露するシーン)
また、信長が家康に対して歪んだ愛情を抱いているのは、久しぶりに面白く感じた。
完全にBL好きの方の要望に応えた形になっており、気合が入ってた。
ただ、信長はまもなく退場。
岡田信長が退場後にどうやって話を盛り上げるのか、脚本の腕が問われる時が来ていると思う。

/*追記*/
信長が退場したが、ラストは家康×信長のBLだった。
まさかNHKで信長からの熱烈なラブコールが見れるとは思わなかった。
家康に襲って欲しすぎて、下手人の顔が家康に見える展開はヤバすぎて笑った。

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