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サウナ後の「タコ唐とマグロ、ビール」はなぜ中毒性があるのか

サウナで失ったカロリーとミネラルを回収する。

サウナやスーパー銭湯にはレストランが併設されていることがある。サウナの後に、そこで食べる食事のことを最近の愛好家は「サ飯」と呼ぶそうだ。私のサ飯はすっかり下記メニューでルーティン化している。

タコの唐揚げ、マグロのブツ、ビール

小さなタコの唐揚げが、紙の敷かれた小籠にコロンとお行儀よく座っている。よく見ると、縁がジュクジュクうずいている。緑のパセリを愛で、となりの黄色いレモンをちゅーっと絞って、お箸でチマチマ拾って食べる。揚げたて。ハフハフ。しこしこ美味しい。タコがなければ、鶏なんこつの唐揚げ。このチマチマ感じが大切(肉肉しいそれはちょっと重いのだ)。

口の中が熱くなったら、冷たいもので冷やす。まずはビール。そして、しっとりしたマグロのお刺身が欲しくなる。一反木綿のようなベロンとした短冊型のお刺身でなく(それはそれで美味だ)、雑にぶった切られたマグロが気軽でいい。小鉢に入ったマグロに、そのままお醤油をチャチャッとぶっかける。

マグロぶつは駿河健康ランド(静岡県静岡市)で出しているものが別格だ。駿河湾に面した施設だけあり、海鮮がとにかくおいしい。さらに、ここのマグロは山かけもある。鮮やかなマグロの赤に、真っ白なとろろのコントラストは眼福。

家に帰るまでが遠足。ビール、タコ唐、マグロまでがサウナだ。

スンドゥブを食べにサウナに行く

韓国には独自のサウナ文化があるようで、その歴史は約500年ほどあるという。都内には、韓国人が経営するコリアンサウナがいくつか存在する。そして、たいていは韓国料理が楽しめる。

サウナに韓国料理屋がついていたら、必ずスンドゥブを食べるようにしている。あの鉄鍋(トゥッペギというらしい)のなかに、マグマのようにグツグツに煮えた赤いスンドゥブ。サウナで体の外を温めたて、今度は体の中から温める算段だ。

アダム・アンド・イブ(東京都港区)には、韓国人の家に来たようなアットホームなレストランがある。韓国式床暖房(オンドル)があったか~い座敷に座り、ママ(と呼びたくなる韓流おばちゃん)にスンドゥブを注文。

まずサービスの副菜小皿がぞろぞろと運ばれてくる。数種ナムルやキムチ、韓国のりなど。副菜パレードのあとに、主菜のスンドゥブがグツグツとご登場。鍋を上からのぞいて、もくもく眼鏡を曇らせて(なお私はコンタクトである)、銀色の持ち手の長いスプーン(スッカラというらしい)でご飯をちょっとすくって、赤いスープにちょいとくぐらせる。ハフハフ。辛丁度いい!

胃腸の中でカプサイシンが燃えている。そこにビールを投入してキューっと冷やす。サウナの後にまた汗をかく(追い汗と呼んでいる)。爽やかな中毒性に放心状態となる。あのスンドゥブを求めて寒い夜はサウナに足が向く。

またお会いしましょう。



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