・素直にごめんなさい【ついに捕まえた】後編


ふと、先日の犯人から話しかけられた。

「私、このオフィスではトイレの扉を開けておくのがここのルールだと思っていました」
【い、いま!何故このタイミング】

すぐに分かった。
完全に嘘である。
目線もどこか僕の目とは違う方向にあり、またあの笑みに似た
いや、今回はどこかこの言い訳メイビーで勝利を確信したような口角の上がり具合だった。

何故見破れたか!
なんせ、しまっている時が大半&あけてあるときはトイレ特有のにおいがオフィスに漂ってくるので入口の扉を閉めてトイレ内の窓を開ける、もしくは換気扇を回せばいいだけだからだ。

確かに扉が開いている時がある、しかしそれはトイレに誰も入っていないという前提だからである。

僕はもちろん扉を閉めて用を足す派ではあるが、この言い訳に開いた口の方は開いていた。

この犯人、僕に言われてから数日間考えて考えて、その熱いバイヴを僕に、先述した言い訳を伝えた結果がこれだからだ。

・・・・・

・・・

・・

偉そうに聞こえるかもしれないし、僕もできた大人じゃないから言えた口ではないが
素直にごめんなさいをいえるおとなになりてぇなと思った。

見た目は大人気持ちは少年!!!【ACといういみではない】
キュイーーーン!バタム!【重い木製の扉が閉まる音】

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