・映画と影響とメッセージと今ここ自分と(4)


明るい街並みの中にひと際目立つチャイニーズシアターも閉店のロープが張られ始めた。

落とされる照明に、見えなくなる綺羅星のごとく輝いているスターたちの手形。

街のまばゆいほどの明かりで星は見えないが、地上の星たちで埋め尽くされている不思議な街ハリウッド。

だが、スタローンにも会えず、せめてもの手形すらも見つけることができない自分がいた。

何か一つでも、関わりのあるものをこの目に焼き付けたい。

ロープ越しに、覗き込んで探すも手形は見当たらず、落胆する感情が背中をまるめた。
そして踵を返そうとしたその時、僕を映していたカメラのライトが一筋の光となり、暗闇の先にある手形を照らした。

ふと照らされた光の行方に目をやった。

そこにはあきらかに他よりも分厚い手形に、英語でこう書かれていた

“パンチを打ち続けろ”

シルベスター・スタローン

これを書いている今でも、鳥肌が立つ。

この時の僕は、まるで小説アルケミストの主人公サンチャゴのように

はたまた映画フィールドオブドリームスのレイ・キンセラのように
神からの啓示だと確信した。

正直、事実は小説よりもえなりかずきというが、まるで僕にとってのロードポーネグリフのようにも感じた。
~続く~

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