後ろ髪引かれる夜 2

パブロフの犬という実験をご存じだろうか?
 犬にベルを鳴らしてえさを与えると、ベルを鳴らしただけで、犬がだ液を分泌するようになる。ロシアのパブロフ(1849〜1936年)が実験で発見した生理現象のことなのだが、
 
僕にとっていのパブロフドッグの一つは新幹線だ。
 
僕はよく駅内にあるスタバを利用する。
 
なぜ?
カウンター席もあり、そこから駅に行く人を観察できる。
改札口は面白い。
出会い、別れ、そして自分をどこかに運んでくれる。
それに新幹線に乗るのが大好きだ。
鈍行と比べて早い。いちいち止まらない。
座席が横じゃない。
 
なんせ、空港とは違って待たないし。高所じゃない。
そして大体、新幹線を利用する=楽しいこと、場所に行く機会が圧倒的に多いからだ
 
だから新幹線の駅にあるスタバで逃避行した想像をよくする。
 
今回も楽しいことで乗った。
いざ北へ!
 
新幹線大好き。
 
今回ライブ会場になる場所は、杜の都 仙台
駅すぐ近くのオサレなバーだ。
 
ビアガーデン風に開かれた空間。
早速一番前を確保。
 
緊張し、はやる気持ちを抑えるためにスマホを何度も見るたびに電池残量が減り、反比例するように不安が増す。
 
シャレオツでアーバンな仙台は自分に不釣り合いで、挙動不審になる。
 
スーツから新幹線内で、バントTシャツに帽子に着替え準備完了だったはずの自信が揺らぐ。
 
連れがいたほうがいいのか?
自分しかバンドT着ているやついないぞ。
 
などと脳内でおしゃべりを繰り返し、表情は冷静さを装い、追加でコーラのお替りが増える。
 
しかし、時間がたつのが早い。
ついに来たっ!!!
 
出囃子が鳴る。
胸の鼓動が高鳴る。

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