しりとりシリーズ〜リンドバーグ
“しりとり”の“り”から繋がって、次は“リンドバーグ”
フッと頭に思い浮かんだワードを出してみたが、困った。
俺はリンドバーグという人をよく知らない。
よく知らないので、微かな記憶とペットボトルのキャップから溢れんばりの想像力で、リンドバーグを語っていきたいと思う。
絶対、Google先生には頼らんぞ。すぐウェブだなんだと頼るのは現代人のいけない習慣だ。
リンドバーグは…たしか冒険家だ。
飛行機に乗って世界中を旅したドリーマーだ。
けしからん、何で稼いでいたのだろうか。飛行機に乗って旅をしていただけで稼いでいたのだ。まったく。
1916年前後、アメリカのウィスコンシン州あたりの生まれで、幼い頃、おそらく両親が離婚。母に連れられて、オクラホマ州の方へ移住。母の再婚相手から酷い虐待を受け、心を閉ざす。
自分を解放してくれるもの、唯一の逃げ場が“飛行機を見ること”であった。
自由に空高く飛んでいる飛行機を見ると、自分も空を飛べるような気がした。この悲しい現実から飛び立てるような気がした。
リンドバーグは高校へ行かず、日がな空飛ぶ鉄の塊を眺めては、ため息をついていた。
ある日、リンドバーグは一人の男と出会う。この出会いが、後の彼の人生を大きく動かす人物となった。
マイケルである。
誰がなんと言おうとマイケル。マイケルなのだ。
彼はリンドバーグに飛行機のいろはを教えた。
リンドバーグが26歳くらいになる頃には、飛行機の“匂い”を嗅いだだけで、それがどこの工場で作られたものか、はもちろん、どこを飛んできたかまでわかってしまうほどになっていた。
ある日、マイケル(87歳)はこう言った。
「50年前、遥か海の向こう、日本という国に恋人を残してきた。いつか自らが乗る飛行機で彼女を迎えに行き、キスをするのがこのわしの夢じゃった。だが、わしはもう歳じゃ。リンドバーグよ、わしの代わりに飛行機に乗り、彼女を迎えに行ってくれんか」
そう言ってマイケルは息をひきとった。
前立腺がん、とか、そんな感じだった。
リンドバーグは、マイケルの夢を飛行機に乗せ、世界に旅立つことになる。
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後に、彼が「今すぐKiss me〜」と歌ったシングルが日本でスマッシュヒットになったのは皆の知るところである。
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