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【漢法いろは塾】11月20日(第三・日曜日)の定例会に参加してきました #6

こんにちは。東です。

奇数月の第三日曜日に開催の漢法いろは塾。11月20日の定例会に参加してきました。

▼いろは塾は私の所属学会です。


始まる前に

さて。今日は講義だ。

午前中の鍼療前に、A3と大きめの用紙に講義の資料の印刷を済ませ、本駒込にある治療院で元気に鍼療。

講義には、黒のタートルネックにセットアップが勝負服。

鍼療を終えて患者さんを笑顔で見送り。

即座にパパッと着替えて、都営地下鉄三田線の千石駅は慣れた道のり。

JRの水道橋駅から徒歩2分の会場までは、三田線の水道橋駅からは、ちと歩く。

足早に、資料が傷まないように揺らさずに。

ブツブツと、今日の内容を口でおさらい。

聴講する時とは異なり、いつもより30分早くに会場入り。

鍵当番の角田先生、こんにちは。

「あれ、先生今日は早いですね~」


えぇ。私、今日は講義担当なんで。面白いですよ〜今日は。

なんてったってね、僕が一番伊藤先生に近いと思うね、金元時代の鍼医がいてね、張従っ…

「え?」

「先生、今日発表でしたっけ?本当〜?」

「あ~!」

「先生の担当は、今日じゃなくて来年の1月ですよ」


……。

あちゃ~笑。気が早かったみたいです笑。

まあ、早めの準備も悪くない!

という事で、今回の講義内容をまとめておきます。


第一部 森山先生ノート

漢法いろは塾 二代目会長である竹村先生による「森山先生ノート」の報告。

初代会長の森山先生が記した「森山先生ノート」は、古典と伊藤先生の東洋医学観に基づいて、さらにご自身の臨床経験とを重ね合わせた臨床的古典読解したものです。

現在のトピックは経絡学。

今回は、足太陽膀胱経の流注考と症候の考察でした。

やはり、経絡学を学ぶと自身の頭の中にある経絡の流れがビルドアップできますね。

臨床に出る機会が増えて、かつて学問のみで学んでいた時よりもずっと身近に感じます。

鍼灸を学ぶ上では、基本中の基本である経絡学。これは何度でもやって良い内容ですね。

足太陽膀胱経には、足の太陽経としての顔と膀胱経としての顔がある。

足の経絡は、目から頭を通り足の指先までと、長いことが特徴だ。

太陽経は、からだの背面すべてを網羅する最も面積の広い経絡。

東洋医学において、背中が持つ意味は深いし広い。

その一つには、五蔵六府に関わる「背部兪穴(はいぶゆけつ)」がある。

例えば、体温調節・代謝に関わりある、汗腺・褐色脂肪組織が最も多い、背中の上の方(肩背部「けんぱいぶ」と言います)。

ストレス・眼の疲れに関わりある、背中の真ん中上の方(肝蔵が関わり深し)。

消化器の疲れ・血糖値に関わりある、背中の真ん中ちょっと下の、腰と背中の境目らへん(膵臓(東洋医学的には脾臓)と関わり深し)

泌尿・生殖器に関わりある、The 腰(腎臓あて関わり深し)。

故に、臨床応用の範囲は広く、出番の多い経絡だ。

第二部 伊藤瑞凰先生の古典講釈解説

今回は、いつも気持ちの良い伊藤先生節をそのまま残して講義をしてくれる田淵先生が発表されました。

東洋医学の原典である『黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)』の講釈です。

東洋医学は2000年の歴史があります。DC.200年ころに書かれたとされる最古の書物です。古典中の古典です。

BC.1000年前後には、東洋医学の転換期があり多くの古典(1000年前ですからこれでも結構古典)が書かれましたが、この『黄帝内経素問』は圧倒的に解読が難しい。。

BC.1000年前後からそれ以降の古典は、ほとんど文字通り読んで意味が通るのですが、『黄帝内経素問』の時代には漢字そのものの数が少なく、一つの漢字に多くの意味を加えているので、一字一句調べながら読まないと本当の意味が読み取れないんですね。

それに加えて、臨床経験という鍵を持っていないと、濃密に凝縮された漢字の連なりを解きほぐし、漢文に埋まっている意味の箱を開けられないのですね。

今回は、『傷寒論(しょうかんろん)』という急性熱性病変に対するの書物がありますが、その元になったような条文で、熱病に関してより深い理解ができた回でした。

特に、今回のキーフレーズは「三死に一生(さんしにいっしょう)」です。

九死に一生とは、異なる意味ですね。

説明するには字数が必要なので割愛しますが、一度でも、死の間際の患者さんを診させて頂いたことのある鍼医でしたら、感じたことのあることでした。

漢法いろは塾は、みな伊藤瑞凰先生に弟子入りあるいは私淑した、姉弟子です。

みな、臨終まで携わった経験があります。

経験を聞かせて頂き、私も話しました。

これが学び。

アクセス

▼会場


次回

2023年1月15日(日)
13:30-17:00

年明け一回目は、私が担当します。

伊藤先生の臨床の考え方に直接通じているであろう歴代鍼医の中から、一人選んで私の臨床も重ねながら深掘りしていきたいと思います。

おもしろくなること間違いなし。

ご興味ある方はこちらからご連絡下さいませ。

▼問い合わせ

では、今日はこの辺で。


おまけ

前回の私の講義で説明しきれなかったところをちょっとだけ補足説明させて頂きました。

私の思う東洋医学の臨床像。

上段右のアート(感覚)は、下段赤丸の「情報を得る診察・表現する治療」と密接で、五官を司る感覚器や筋肉など、身体性と関りが深い。
上段左のサイエンス(論理)は、下段青丸の「得られた情報を分析・統合する診断」と密接で、脳による論理・想像と関りが深い。
鍼灸は、アート&サイエンスの創造性豊かな治療だという認識。

自分の感覚を磨き、冷静に考え、豊かに表現する。

まだまだ、鍼灸で色んな表現ができると思う。



今回も読んで頂きありがとうございます。ISSEIDO noteでは、東洋医学に関わる「一齊堂の活動」や「研修の記録」を書いています。どんな人と会い、どんな体験をし、そこで何を感じたかを共有しています。臨床・教育・研究・開発・開拓をするなかで感じた発見など、個人的な話もあります。

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