森保一とブルース・アッシュビー

旬をかなり逃していますがサッカー日本代表・森保ジャパンのカタールW杯までの戦いについて、少し書いてみようかなと思います。

ロシアW杯本戦直前、前代未聞の監督解任から始まった感もあるジャパンズウェイと森保ジャパン体制。

先行き不安な船出から東京五輪で届きそうで届かなかったメダル、なんとなくもやっとする試合だったり選手選考。
森保体制になる経緯についても納得いかない層が多数いることもあり、本戦直前となってもイマイチ盛り上がらないままカタールW杯本戦を迎えることになりましたね。

いざ大会が始まってみたら皆さんご承知の通りな結果に。
ドイツ戦、攻めに転じる場面よりも圧倒的に危ない場面の方が多くてこらアカンなあとうとうとしながら見ていたら、冗談抜きで目が覚める堂安のカットインからのズドン。
からの浅野。
それまで圧倒的に攻めていたドイツの足が止まる。
後半からのシステム変更も機能しドイツの攻撃をしのぎ切り、まさかの勝利。

ドイツに勝ったという興奮と、今までは何だったんだ?という困惑の中すやすやと寝ました。

この一戦を振り返るととある人物を思い浮かべたわけです。
それがブルースアッシュビー。
ちょっと前振りが長くなりました。


ブルース・アッシュビーってなんぞ?って方も多いかと思いますが、銀河英雄伝説というSF小説の登場人物です。

ざっくりとした設定だけ(といってもここが肝なんですが)説明すると、時間の女神が味方した男と評されています。
タイミングの計り方が絶妙というニュアンスです。

それと森保氏がどう関係するんじゃいって話ですが、アッシュビーが活躍する銀河英雄伝説外伝4巻で描かれている第二次ティアマト会戦っていう場面と描写がなんか似てるなと思ったわけです。


森保氏がW杯本戦メンバーを発表した時、記者からの質問に対してしどろもどろみたいな雰囲気だったのは記憶に新しいところ。
正直私もこれ大丈夫か?って不安になりました。

はい、ここからアッシュビーの話になります。
明確なネタバレを避けて書いているつもりですが、そういうの嫌な方はここでお戻りください。

アッシュビーは会戦前から終盤戦まで常に不可解な発言を繰り返し同僚から不満を買っていました。
「いいから俺に従え、俺に考えがある」
と言われても納得いかないものに従えと言われても、ですよね。

終始数的不利な状況で戦わされるアッシュビー軍、味方からの救援要請もすぐには応じず、見殺しにするかの態度を取ったり同僚から戦力を奪って自己の戦力を増強したりと無茶苦茶なことをするので同僚からはガチ切れされます。
それでも「俺にはわかる、俺に従えば勝てる」と自己の命令に従わさせます。

結果、終始劣勢だったアッシュビー軍は形勢逆転し大勝利となります。

ちょっとここネタバレになるんですけど、アッシュビーには敵がどう動くかわかる理由がありそれらの情報を的確に運用してたからこそ勝てたのです。


ほら、なんか似てません?
森保ジャパンとそれを取り巻く人達との関係と。

結果論でいえば、森保氏にはW杯本戦で勝つための算段があった。
それが可変システムだったり前半耐えて後半から勝負なゲームプランだったり。
物議を醸した選手選考もそれらを実践するための選考だった。
試合中何書いてるんだって言われたメモも、大一番の為のものだった。

ドイツ戦後のインタビューでは、メンバー発表時の時には泳いでいた目が
ジッと正面を見つめていました。
してやったりという感じでした。

そんな隠し玉みたいなものがあるとは知らない人達はこんなんで勝てるのか?でも蓋を開けてみたらびっくり仰天で。
そんな隠し玉があるならもうちょっと応援してたわ~って人も多かったのでは。
ある意味、隠し通せたからの結果なのかもしれません。
アッシュビーの同僚も、事の経緯を説明していたらあそこまで反発しなかったのかもしれない。


現状、本人とそのごく近い人しかどこから本戦に向けた選手選考やゲームプランを築いていたかはわかりません。
全ては本戦に向けた布石と言い続けることもないと思いますが、たまには
「俺には考えがある。黙って見てろ」ぐらい言ってもよかったのでは。


先日2年間代表監督を継続するとの報道があった森保氏。
テストマッチや選手選考で見せるものが全てでないと示した彼が、この先2年間でどういう代表チームを築いていくか要注目ですね。


ちなみに銀英伝外伝・螺旋迷宮はアマプラで視聴できます。
小説読むのだりーなーって方はこちらを是非。


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