見出し画像

SNSプランナーをたずねて3,000マイル(後編)


雪のない街、午前9時。

YouTubeで藤井風の伝説的ライブ
Fujii Kaze "Free" Live 2021 at NISSAN stadiumをかけながら顔に粉をはたく。

いい朝だ。

今日の私は、テテマーチ訪問のために
準備されていた。会うのは
ふくまさんと、タカミさんと、三島さん。

三島さんはテテマーチの取締役で、
以前から大変お世話になっている方だ。

例のじゃがりこ企画書に関してはなんと一度、
クライアントに提案までしてくださった。
こんな有難いことはない。

そんなお三方、
お忙しなか時間を作ってくださって
2時間だけお話しできることに。

予定は11時から。
ワクワクして田舎の一張羅を羽織っていると、
タカミさんからメッセージが。

「おはようございます!
本日11:00に目黒のどことか聞いてますか?」

否、聞いていない。

テテマーチのオフィスではないのだろうか。
あ、ランチするお店で待ち合わせするのか。

「聞いてないです!どこでしょうか?」
と返信。

返答が、ない。


はて、

私は今、ミステリーの世界に
迷い込んだのだろうか。

ここでタカミさんとの連絡が途絶えて、
世界から私の知り合いが次々に消息を絶って、
そして私はその謎を
解き明かしていくのだろうか。

ということは、昨日の飲みはプロローグ…?

もしかすると壮大な伏線が
潜んでいたのかもしれない。

例えばふくまさんの何気ない一言が、
場所を示すキーワードだったりとか…。


ドキドキしながら
チェックアウトを終えて待機するロビー、
午前10時17分。


通知の音!

「わたしも全然聞いてないです笑」

迷宮入り。
結局タカミさんと目黒駅で待ち合わせして、
会社に向かうことになった。

目黒駅、中央改札口。
昨日の遅刻が尾を引いて、
待ち合わせの30分前に到着。

構内のガチャガチャを物色して
時間を潰していると、
キラキラと輝くタカミさんを発見。

1年弱ぶりの再会に興奮して駆け寄る芋女。

テテマーチに向かう道中で
タカミさんにも手土産を献上。

六花亭のマルセイシリーズ。
タカミさんには直接リクエストを
聞いていたので安心だ。


「実は…会ったときから紙袋が目に入って
『あ…!』って思ってました…!」と
タカミさん。喜んでもらえて私も嬉しい。

オフィスビルに到着。
それにしてもタカミさんは今日も可愛い。

ヘアカラーもワンピースも、
リュックもネイルも全てお洒落。

エレベーターを待っている間、思わず
「タカミさん、全身可愛いですね」という
古典的セクハラを犯してタカミさんを困らす。

そしていよいよ到着、
人生2度目のテテマーチへ。
相変わらず都会的で、解放的で、お洒落だ。

ふくまさんとも合流して
フリースペースの和室で雑談。

三島さんはお忙しくて今日は
来られないらしい。残念。

前回お会いしたオカモトさんも
今日はリモートで会社にはいないそうだ。
これはまた残念。

いや、実はオカモトさんも
事前にお声がけしようとしていた。

しかし今回は『餅屋』の話が
中心になるかと思い、そのメンバーだけで
お話しした方がいいのかしら、などと
余計な気を回してしまったのだ。

これは誠に余計なおせっかいだった。

と、ちょうどその時
オカモトさんからDMが。

「あずきさん、
 今日会社いらっしゃってるんですか?」
「お会いしたかった...」

うぅっ…!私もお会いしたかった…!
藤井風の好きな曲は何ですか〜とか
コーギーのどういうところが
好きなんですか〜とか聞きたかった…!

テテマーチに来れることなんて
滅多にないのに…!!!

荒れる心を水で流し込んでいると、
三島さんが少しだけ
来てくださるという吉報が。

よかった…。
三島さんへの手土産も直接お渡しできそうだ。
だがしかし、土産のセレクトは本当にこれで
良かったのだろうか。

三島さんのはご家族で召し上がれるものが
いいかしら、と色々なパターンを考えて
みたけれど自信がない。



かまぼことキャラメル。

うん、もっと良い組み合わせが他に
あっただろうに!全体的に茶色いよ!

己のセンスに絶望しつつも、
三島さんはとても喜んでくださったので
いくらか救われる。

テテマーチ、みんな優しい…。

さらに三島さんは、
あずきみみこがもっと企業の方と繋がれる
ように協力してくれるという。

なんという有難いお話。

それなのにみみこときたら
「へへ…」とか「はは…」とか
非常に薄いリアクション。

…いや頑張って!
「こういうことしたいです」とか
「こういう企業と繋がりたいです」とか
言ってごらんよ!

12時過ぎて
空腹に負けてるんじゃないよ…!!

くっ…これは失態。

”お腹が空くと使い物にならない”という
ディーン・フジオカのインタビューを見て
「一緒だ、一緒だ!」と喜んでいる場合では
なかった。

そんな調子で私は
滅多にない貴重なチャンスを逃し、

”地震が怖すぎて調べ尽くしている間に
めちゃくちゃ詳しくなった”というタカミさん
による地震メカニズム講座を
聞いているうちに帰る時間が来てしまった。

皆さんにお見送りしていただいて
帰りの電車に乗る。

あぁ、もっと話すことを
考えてくるべきだった…。

あと朝におにぎり
もう一個食べてくればよかった…。

リベンジのために
またすぐに来ようと心に決めて
羽田空港行きの電車に身を委ねたのであった。

旅はまだ続く。






この記事が参加している募集

最後までお読みいただきありがとうございます!いただいたサポートで体にいいごはんを犬と猫に買ってあげようと思います。