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雨の中、あの人は傘も刺さずに笑顔だった。

こどもの通院の話を書いていたら、
ちょうど1年前のことを思い出しました。

誰にも言いたくないのに、誰かにわかってほしい気持ち|あずき きなこ@自分年齢で生きる @nt7d2yGm4SskyQV #note https://note.com/azukikinako/n/nadb8ef7e5c93

2020年4月、緊急事態宣言が出された頃の話です。


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その日は朝から曇天で、しばらくして雨が降り出し、病院に着く頃には結構な降り方をしていた。

ちょっと離れた駐車場に車を停めて、
次男を乗せた車イスを押して玄関に続く屋根のついた通路を歩いていると、
奇妙な光景に出くわした。


そこには高齢の女性が立っていた。
雨の中、傘も刺さずに。


え?なにやってんのこの人…


よく見ると右手にケータイ。通話中なのだ。

普通、通話中って下向いてたりするものだけど
メッチャ上向いてる!そして笑顔!


気になって目線と同じ上の方を見てみた。
ちょうど病棟の4、5階あたり。

その人の笑顔の先には、小さな女の子がいた。
こっちを向いて、同じく笑顔でケータイで通話している。
傍らにいるのはお母さんか。


その瞬間、全てがつながった。


その人は、その子のおばあちゃんなのだろう。

お見舞いに来ても実際に病室に入れるのはひとりだけ。
入院中のこどもに直接会えるのは母親だけなのだ。

それでも…

それでも元気な姿をひと目見たい。
お互い顔を見て話がしたい。
頑張ってるねって、直接励ましたい。

そう思って
とった工夫、アイディアなのだろう。


傘を刺したら
顔を見せてあげられないから…


自分が濡れることもいとわない その姿に
とてつもない「愛情の深さ」を感じ、

さっきまで「変な人」扱いで
いぶかしげに見ていた自分が恥ずかしくなった。


米米米米米米米米米米米米米米米


一見、不合理でおかしな行動の中にも、
視野を広くして、
視点を高くして見てみると

なるほどと合点がいくこと、
腑に落ちることがある。


誰かや何かの
一部分だけを切り取って
わかった気になったり
知ってるつもりになるのは傲慢だし、
本質を見誤ることになりはしないか。

そんなことを感じた出来事でした。


あれから1年。

会いたい人に会えない状態は相変わらずだけど、
だからといって人とのつながりまで
なくなっちゃったわけじゃない。

知恵と工夫で乗り切ろう!

でも、くれぐれも無理はしないでくださいね。

あのおばあちゃん、
風邪大丈夫だったかなぁ(*´ω`*)


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