働きやすいエビフライ工場の話し


日曜日の朝、がっちりマンデーを見ていたら面白い会社の話をしていた。エビフライ等を作る水産物加工会社の社長さんの話で、3年間誰も辞めたパートさんがいないと言う。その業界のことは全く疎いが、おそらく水を使って寒くてキツイ立ち仕事なので辞める人が多いらしい。けれど、その会社では、自分が好きな時間に出勤して自分の好きな時間に帰ってよく、会社に行かなくても良い。しかもその連絡もしなくて良く、遅刻や欠勤などない。行きたい時に行けば良いらしい。

そんなことで、会社が回るのか。

一応工場は9時に始まるらしいけれども、多分社長さんが鍵を開け、ぼつぼつと人が集まり、来た人から順に仕事をしていくらしい。シフト制だった頃は、子供が熱を出したりしても急に休むことが難しく、我慢して子供に我慢してもらったりして無理矢理出勤していたが、この制度になってからは簡単に休めるのでとてもありがたいという女性。前の日に飲み過ぎたから次の日は会社に行かなかったなどと言う男性。それでも会社は普通に回っているらしい。そして結局、働いた時間分がお給料になるので、なんだかんだ、みんなちゃんと働くそうだ。

他にも面白いルールがある。他の人の仕事は手伝ってはいけないらしい。

同僚が困っていたら、助け合って仕事を進めるのが普通かと思ったら違った。この会社では、他の人の仕事は手伝ってはいけないそうだ。人の仕事を手伝うのが当たり前になると、助けないといけないと変なプレッシャーかかるし、助けてあげたのにあの人は助けてくれないなどと言う気持ちが芽生えてしまうものらしい。なので、できてない人がいても助ける必要はなく、自分の仕事だけをきっちりやるのが基本なのだそうだ。考えてみれば、それで良さそう。というか、むしろ、そっちが合っている気もする。


もう一つ面白いことに、工場の工程表の中で、やりたくない仕事はなにかというアンケートを定期的にとり、申告した仕事はやらなくていいそうだ。やりたくない仕事も、文句言わずにやらないといけないと思っていたが、ちがうらしい。やりたくない作業を無理矢理やっても効率が悪かったり失敗が多かったりして何も良い事は無い。自分がやりたいところだけをやればいいそうだ。パートさんは何人かいるので誰もやりたくない仕事と言うのは今のところないらしい。なんて素敵な会社!

その他のびっくりルールは、「他の人と仲良くしてはいけない。」だ。

え?仲良くした方がいいんじゃないの?と思った私が浅はかだった。社長さん曰く、仲良くなりすぎるとグループができ、そこから変な派閥に発展したりしてややこしいので仲良くしないでくださいと言う方針らしい。別に喧嘩しろと言うわけではなく、普通に話もしたりするらしい。挨拶とかは勿論するし、それで会社はとてもうまくいっているらしい。

目から鱗の経営術だ。

番組では、「なんか上手く回っているようだけど、例えば、急に注文が沢山はいったのに、その調子だと、生産目標に達しないとか困ることないんですか?」と社長さんに質問していたが、「今のところ、困ったことないので、そうなったらその時考えます。」とのことだった。欲のない社長さんだ。みんなを叱咤激励して、売上を伸ばして事業を拡大しようとは思わないらしい。というか、かつてそのやり方で失敗して、今のやり方に落ち着いたのだと思う。

私は経営のことはよくわからないが、番組を観つつ、「これでいいじゃん、というか、これがいい。」と思った。なんかいうと、元サラリーマンの夫が、そんな甘くないぞとかなんとか言いそうなので、口には出さず、心の中で思った。

残念ながら、私は経営者ではなく雇われている側なので、仕事にこのアイデアを取り入れるのは難しい。でも、普段の生活に取り入れてみよう。

毎日3食ご飯つくって、毎日掃除して、洗濯しなくても良い。なぜか、やらなければいけないと思い込んでいるが、そうでもない。ストレス無し。

夫がやらない家事を、私ばかりが沢山やって、不公平だと勝手に思うよりも、ここまでが私の仕事と割り切る。変なストレス無し。

挨拶はして、感じ悪くない程度に会話するが、必要以上に仲良くしない。これは、夫婦間で既に実践している。

先回りして心配しないで、それはその時に考える。確かに、あまり先の事を心配しすぎてもしょうがない。成るようになる。

苦手なことはやらない。(アイロン掛け等)

全てこれでいい気がする。

別に事業拡大して金持ちにならなくていい人はこれでよい。成長発展段階にある場合は、もっと欲張ってもいいのかもしれないが、持続可能なのんびり生活で良い私は、これでよし。