【あくねこ考察】あくねこ世界そのものについて

本記事は旧版です。新バージョンを作ったのでぜひそちらをご覧ください。

新版はこちら


悪魔執事と黒い猫1.5周年おめでとうございます!
ep3-3が公開されて恐怖に震える主の皆様こんにちは。
今までふせったーにてあくねこに関する考察を行ってきましたが、
文字数が多すぎるのと、ふせったーだと強調・画像挿入等ができずとんでもなく見にくいことから、今後はnoteにてやっていこうと思います。
ふせったー君は悪くありません。私の使い方がふせったーに合ってなかっただけ…

本稿は、「悪魔執事と黒い猫」における世界設定について考察していく記事です。


注意点

◆本稿で引用している文章は、悪魔執事と黒い猫アプリで実装されている各種ホーム会話やストーリー等からの引用です。
◆本稿で掲載している画像は、特記事項がなければ、悪魔執事と黒い猫アプリで実装されている各種ホーム会話やストーリー等のスクリーンショットおよび悪魔執事と黒い猫公式YouTube動画のスクリーンショットです。
◆本稿では、各種カドスト・おでかけ有料部分のネタバレを含みます。
◆筆者は、すべてのカドスト・思い出を回収していません。そのため既存カドスト・思い出で開示済みの情報でも知らない=言及していない情報があるかもしれません。(教えていただければ全力で取りに行きます!!!)
◆本稿では、可能な限りメタ推理を行わず、ゲーム内で開示されている情報だけで考察を行っています。

お願い事項

★ご意見・情報・ツッコミ等はコメント、twitterやお題箱等でお願いします!
https://twitter.com/azukibar_nekko
https://odaibako.net/u/azukibar_nekko

考察の前に

考察内で用いる用語・略称等

現実世界:「悪魔執事と黒い猫」をプレイしている、我々の現実の世界≒主様が元々いた世界
あくねこ世界:デビルズパレスのある世界
知能天使でない天使:下級天使
天使らを創り出した存在:創造者
ep〇-△:メインストーリー〇章△(例:ep2-1→メインストーリー2章1部)

考察のベースにしている情報は?

メインストーリー:3章6部まで
イベントストーリー:水龍の唄まで

今回の考察の対象

あくねこ世界そのものについて。

更新日

更新箇所は★でマークしています。
また、誤字脱字等による更新は随時行っているためここには記しません。
2023/07/11 初稿
2023/07/28 ep3完了による更新


考察

1.あくねこ世界における「国」について

バスティンやミヤジの過去エピソードで「隣国との戦争」というワードが出てくる。
だが、ep2.5にて、グロバナー家とサルディス家の戦争が起きるかも、ということについては「国どうしの戦争」という表現は用いられなかった。
また、ミヤジの執事ストーリー「救ってくれた男」にて、「隣国との戦争」について言及されている。この戦争は「宗教の違いによる対立」が原因と言われているが、中央・東地方において宗教的特徴の描写がないことから、この戦争は南地方に限ったものと推測できる。
(教会は点在しているが、どれも放棄されているか、別の使い方をされている)
また、ベリアンがこの世界を主様に紹介するとき、中央東西南北「地方」という言い方をしたことから、あくねこ世界の「国」は非常に小さい単位と推測される。
そしてその「国」どうしが戦争を行っていることから、「国」は私兵および戦争を行う決定権を有している=「国」内の一定の支配権を有していると考えられる。これにぴったり当てはまるのが現実世界の「豪族」という存在。

2.あくねこ世界は現実世界とリンクしているか?

結論:している。
仮説②の中で一番あり得そうなのは②-1'。ただモロに〇ウシカなので違っていてほしい。

仮説①:していない。
あくねこ世界は完全な別世界である。

根拠:
天使、悪魔の存在。また、天使や悪魔のもつ異能。また、西の地域に住む小人族?の存在。現実世界には存在しない。
反論:
「とんかつ」「ゴエティア」「英国式」「バレンタイン(聖ウァレンティヌス)」「ハロウィン」「ビスクドール」「畳」「和菓子」「茶道」「醤油」「お賽銭箱」…
現実世界に存在する数々の要素があくねこ世界にある。中央の風習・特徴は過去の主様が持ち込んだ可能性がないとは言い切れないが、東の大地の風習・特徴とされるものは別の主様が持ち込んだものと仮定するのは不可能である。
もちろんあくねこ世界でも現実世界と同じような発展を遂げたと言えなくもないが、天使襲撃が数千年前に起こり、そこからは現実世界とは全く異なる発展をしていったはずで、
下記仮説②内で述べたいくつもの起源を考えると、今の主様が「見たことがある…」とまで言えるような似方はしないと考えるのが妥当。

仮説②:している。
あくまでリンクしているというだけで、仮説①で述べた現実世界に存在しないものは、天使出現とともに現れたか、元々あくねこ世界にしていたと仮定する。

仮説②-1:
あくねこ世界は現実世界の遠い未来の世界だが、天使出現をきっかけに文明が後退した世界である。

根拠①:
現在のあくねこ世界にないはずなのに、言葉だけが残っているものがある。
ムーと主様がベリアン、ロノに食事マナーを教わるとき、

ムー「ていこくしきの作法はばっちりです!」ロノ「いや、英国式な。」

ベリアン恒常カドスト「マナーの勉強会」第2話

というやり取りがある。
「英」という名前の国があることは言及がない。それ以前に国名は何一つ明かされていない。
反論:
過去の主様から教えてもらった可能性がある。
反論への反論:
悪魔執事は道具として見られていることから、プライドの高い貴族たちが自らの格式を決定づけるマナーを、悪魔執事たちから教わろうとするだろうか?

根拠②:
悪魔執事をもってして「古い」と言わしめる現実世界の要素があること。
ep1にてムーが空から降ってきたとき、ロノはムーを見て黒豚と勘違いし「本棚にあった古いレシピにあったとんかつを作ってみたい」と発言した。
現実世界におけるトンカツの起源はフランス料理のコートレットなる料理だが、トンカツという名前・調理法で定着しだしたのは日本の昭和初期。
トンカツがレシピとしてあくねこ世界にあり、かつ「古い」ということは、少なくとも現実世界とつながりがあり、かつ長い年月を生きる悪魔執事が「古い」と表現するほど年月が経っている必要がある。
反論:
仮説②-1の反論に同じ。ロノがパレスにくるはるか以前にいた主様から教えてもらったレシピをまとめてあったのをロノが発見したとか。

根拠③:
現在の、あるいは超越した科学力がないと判明・作成し得ない物の存在があること。
古の塔は今の主様も知らない材質で作られ、雲を突き抜けるほど高い。
現在の技術で雲を突き抜けるほど…となると軌道エレベーターが思い浮かぶが、あれは宇宙上からケーブルを垂らしてケーブルに昇降機を取り付ける系の建造物なので、「塔」となるにはブレイクスルーが必要。
また、ホーム画面での執事との会話で、「ホルモン(20世紀に発見)」「ビタミン(19世紀に命名)」などの、現実世界では近年になって発見・命名された用語を使用している。
そのため、あくねこ世界は、少なくとも一度は超越的科学技術力による文明社会を経ていると推測できる。
反論:
後述するがベリアンは天使出現前から存命の人物である可能性が高い。その場合上述の超越的科学技術力による文明社会を知っているはず。
ではなぜ感謝祭のとき自然を眺めて「昔から何も変わっていない」と言ったのだろう。山の向こうに建造物の一つでもあっただろうに…

根拠④:
天使1体の襲撃でも一つの集落の文化・技術を失わせるほどの被害が出ること。
イベントストーリー「Butterfly forest」にて、天使に襲われた村の文化が失われつつある様子が描かれている。さらにep1にて、天使はたった1体であっても討伐に多くの人間の犠牲があったとフェネスが語っていたことから、天使出現後多くの文化・技術・情報が失われていき、現在のあくねこ世界の文明水準にまで後退してしまったと推測できる。
反論:
天使出現後大幅に文明が後退したとしても、その科学力の名残どころか、電気すら使う様子が見られないのは明らかにおかしい。「Horizon Zero Dawn」のように、機械の残骸が残った遺跡などがあってもよさそうなものだが…(汚染地域にあるのか?)

【参考】現在の自然と過去の失われた技術の産物が共存している様子については、4gamer.netにて公開されている「Horizon Zero Dawn」の以下のスクリーンショットが参考になる。

仮説②-1'
あくねこ世界は現実世界の遠い未来の世界だが、一度文明リセットが発生した世界である。
あくねこ世界は、「古の塔」を作れるほど発展したが、何らかの理由で時の人類は絶滅寸前まで数を減らした。結果として文明リセットが発生したが、その後生き残った人類により文明の再構築が行われた。その過程で何らかの理由で天使が登場し、現在のあくねこ世界の形に至る。

根拠:
概ね上記根拠①~③に同じ。古いレシピや技術、風習、マナー等については何らかの形で時の人類が残した記録から得られたものだろう。
古い塔は、時の人類が天使を作成するため、あるいは人類居住可能地域を守るために創り出したと想定。(古の塔については後述)
一旦文明リセットが起こったのならば、ベリアンが自然を眺めて「昔から変わっていない」と言うのも矛盾しない。長い時間の中で自然が復活したのだろう。
反論:
古の塔が残っていて他の超技術の産物が一切出てこないのはやはり不自然。(汚染地域の描写に期待)

仮説②-2:
あくねこ世界は第三者の空想上の世界である。

根拠:
あくねこ世界のベースが現実世界のヴィクトリア朝時代(西暦1837~1901年)のものと思われること、ホーム会話やイベントで多々登場する文化や各種用語が現代的であること、それにも関わらず電気技術のないことのギャップが論理的に説明できない以上、現実世界をベースに「創られた」世界である可能性がある。
(以下、あくねこ世界を創った人物を第三者と呼称する)
第三者はヴィクトリア朝の文化やその中の貴族的生活に憧れがあり、浸ってみたいという願望があったのではないか。
一方、ヴィクトリア朝であったとしても、ハッキリと目に見える形で現代技術とわかるものは相容れないため取り入れられず(電気)、そうでないもの(健康知識、スイーツ)は取り入れられたので、文化と技術のギャップが起こっているのではないか。
(例えば現代の我々にとって「清潔に保つこと」は病気にかからないための重要な手法の一つで常識だが、現実世界でおそらく初めて消毒という概念が医療現場に導入されたのはまさにヴィクトリア朝時代初期~中期であり、かつ、細菌と病気の関係が科学的に立証されたのはヴィクトリア朝後期である。要するに、「清潔に保つこと」は、ヴィクトリア朝においては黎明期であり、常識であるとは言えないのである。)
あくねこ世界が数千年に渡り技術の発展が起こっていないのも、「ヴィクトリア朝時代の文化を実現した世界であること」という、第三者にとって絶対のルールがあるため、発展が起きていない。
反論:
空想世界に浸るのに、天使や悪魔や魔女族、小人族などの現実世界にない要素は不要なのでは。
反論への反論:
「第三者」の精神が不調をきたしたために起きた現象と考えられないか。

3.古の塔とは

事実:
ベリアンはかつて複数の古の塔に赴いたことがあり、かつ間近まで近づけている。そして扉が開くかどうか試したことがある。

根拠:

ミヤジ:扉…のようだね。しかも、かなり大きいな。
ベリアン:それは、他の古の塔でも見られる特徴ですね。
ベリアン:扉のようですが固く閉ざされていて開くことはありません。

一回目の7番目の塔の外観調査時のベリアンのセリフより

仮説①:
創造者によって創られた、天使生産のための施設。場合によっては、創造者の冷凍睡眠施設。

根拠:
【あくねこ考察】天使について → 4.天使たちを創ったのは誰か?を参照されたし。

仮説②:
汚染を食い止めるための結界である。

根拠:
【あくねこ考察】天使について → 5.天使の素体、あるいは材料は何か?の仮説で述べた、天然資源を材料としたときの項目を参照されたし。

★4.災禍の監獄

ep3-5 災禍の監獄 全体像

そこに広がっていたのは、言葉を失うような光景だった。
闇の様に真っ黒に染まった湖…。
その周りには一切の植物が生えておらず…。
生き物の気配すらしない。
まるで崩壊した終末世界を体現しているような、おぞましい場所だった。

災禍の監獄を見た主の感想

主様の感想とグラフィックが合ってないというツッコミは一旦忘れることにしよう。(水面綺麗だし緑もある…。)
ここでは災禍の監獄は主様の感想の通りの状態と仮定して進めていく。
真っ黒に染まった、というと石油やタールなどの化学物質流出による汚染を思い浮かべるが、主様はにおいについて言及していない。また、この後ラト奪還のため監獄に乗り込む際に舟で監獄まで渡ったが、特段障害があったという記述がないことからも、まず油系の汚染ではないこと、においがある物質による汚染ではないことがわかる。
なら単純に真夜中だから黒いのでは?と思うが、満月が近い状態で観察した結果「真っ黒な湖だ」と言っているので、光の反射を吸収するような物質が混ざっているのかもしれない。(筆者はこの辺りの知識に乏しいので、有識者からのご意見お待ちしています。)
また、周りに一切の生き物の気配がしない、植物もないとあることから、やはり水中は何らかの有害物質で汚染されていて、かつ周辺の土壌も同様に汚染されているか、微生物すら生き残れないぐらい土壌が瘦せている可能性が非常に高い。

災禍の監獄は、あくねこ世界のほとんどを占める「人の住めない環境」にあるとep2でベリアンが説明していたので、他の居住不可地域も同様の状態であるとわかる。
この状態と、居住可能地域を比較すると、天と地ほどの差がある。
何が境目になっているのか、何をもってこの2つの環境が区切られているのか、この居住不可状態は伝播してこないのかどうか、ep4以降の描写が待たれる。
(個人的には、古の塔が結界になっているのでは?と感じている。ただの思い付きだが。)

★5.絶望への誘惑

幼少期のラトに放火を決意させた「???」と、アレクの感謝と断末魔

ラトが放火を決意するに至った、「???」の一連のセリフやその後のアレクの感謝のセリフは一体誰が発したものだろうか?

①.実験体の子供、あるいはラトが実際に発したセリフ、またはラトの妄想の産物である
その場では発していないが、これまでの生活の中でこれらのセリフを発していた可能性は十分考えられる。ラト自身もそのように考えていたとしてもおかしくはない。一緒に逃げだそうという一世一代の提案を、最も親しいアレクにも断られ、辛い記憶が思い出された、という可能性は十分あり得る。
最後のアレクの感謝は、ラトの妄想の産物ではないだろうか。そうでなければ現実に耐えられない。

②.何らかの超常的存在が外部から唆した
放火の準備が整っている状態のラトに、「早く殺して」「自由にして」と、懇願するセリフを発して、本来助けるはずだった仲間の子供たちやアレクを自らの手で殺させることで、後にこのことを自覚した時、確実に絶望に落とすよう、何者かが仕向けた可能性はないだろうか。
また、ep2.5でテディが療養先の病院で見た悪夢も、兵士は「「また」お前だけ助かったんだな」と、かつてのテディの絶望を想起させるようなセリフを発した。
絶望的状況にある人間に、確実に絶望を感じられるようにするため、何らかの超常的存在が悪夢や妄想を見せている可能性はないだろうか?
②-1.悪魔
今のところ、悪魔に人類全体を抹殺したいという願望は描写されていないので、可能性は低い。(契約により縛り付けられている状態から自由になりたい、そのために契約者に死んでほしい、と考えている?)
テディの件は、元々兄の代わりに生き残ってしまった、という負い目も重なって、ラトと同じく自ら妄想したのではないか。
②-2.天使
絶望することでラトの様に暴走し周りを巻き込むことで、旧人類の殲滅により近づけるようになるため、メリットはある。が、ラトのように周りを確実に巻き込めるパターンが多いか、と言われると、疑問が残る。
②-3.人類に味方する何者か
人類にとっては、悪魔執事の素質がある人間を生み出すという明確なメリットがあるので、天使をどうにかしたいと考えた何者か(ゴエティア様?)が、深い絶望に陥りそうになった人間に干渉するような何らかの超常的手段を現在に至るまで継続させている、かもしれない…

③.元々人類の内側に存在した悪魔が、内側から唆した
悪魔は、自由な状態の悪魔を無理矢理捕まえて縛り付けているのではなく、元々あくねこ世界の人類の内側にいた存在と仮定する(☆thx @MariaHaniel)と、悪魔が人間から自由になるため、絶望に陥れ、自死を選ぶよう唆したのではないか。
事実、各執事のホーム会話にて、天使によって家族を失った人間が自死を選んだことについて言及する会話が存在する。これはもちろん本人の精神力の問題で悪魔関係なしにそうなってしまう場合もあるだろうが、内側の悪魔が唆した結果そうなった、というケースはないだろうか?
反論:
イベントストーリー「Butterfly forest」では、村長のキノタが失われつつある祭りの復興に何十年と取り組むも、ついには成功せず、さらに気づけば母親が認知症を発症し息子である自分のことを忘れられていた。
絶望するに十分な状況がそろっているにも拘らず(事実、村を訪れた主一行に諦めから「余計なことをするな」と何度も釘を刺していた)、自死や心中などの、悪魔が唆しそうな状況に至っておらず、またそのような幻覚に苦しむシーンもない(ないだけかもしれないが…)。
このことから、内側に悪魔がいる説は、少なくとも人類全体に共通する特徴ではない可能性が高い。ただキノタ氏は何十年もの間ほぼ独力で復興に尽力した精神力の持ち主なので、唆しを意に介さなかった説もなくはない。
なお、キノタ氏を前述の「人類の味方」が唆さなかったのか?は、悪魔執事には戦闘力も求められるため、壮年となってしまったキノタ氏は対象外だろう(復興尽力中は唆してたかもしれないが)。

★6.イースト諸侯同盟

ep3にて、災禍の監獄で行われていた人体実験が明るみになり、サルディス家は4大貴族を除名となった。
東の大地は、それまでサルディス家に反乱を起こしていた小貴族らが「イースト諸侯同盟」を発足し、彼らの合議にて治められることとなった。
しかしながら、彼らがすんなりまとまったとは考えにくい。
サルディス家は少なくとも悪魔執事出現前より東の大地を納めており、後に語られたミヤジの加入時期からも考えて最低でも2000年の歴史を持つ貴族であり、我々の世界でいうと、一つの王朝に相当する。
我々の世界で王朝が廃される際には、その王朝に代わる別の王朝が興ることが多かったが、この度、サルディス家に代わる別の貴族がトップに立たなかったということは、サルディス家が長きに渡って東の大地全土を治めてきた正当性・権威・軍事力・ノウハウに相当するものを、どの小貴族も持ち得ていなかったということである。
そうなると、どこかの小貴族が全土を統治しようとしても、まず統治自体が非常に困難なこと、困難であるため他の大貴族にとってはまさに今が東の大地を征服する好機であることから、守りのために一時的に同盟を組んだのではないか。
中央の大地に友好的態度を取っていることが何よりの証左である。
そして、多数の貴族の合議で決めるといっても、結局のところ力の強い貴族の発言権が強いことには変わらないため(強力な地盤を持つ貴族ほど、他の貴族に対して裏から圧力をかけることなど容易だろう)、いずれサルディス家に代わる新たな東の大地を代表する貴族が台頭してくるだろう。これまで大貴族による独裁を長く続けてきたが、人民も貴族も、そう簡単にその慣習から自ら変わっていくことは難しい。
今悪魔執事や中央の貴族にできることは、またサルディス家の様に野心溢れる貴族が台頭してこないよう、グロバナー家なしには東の大地を治め得ない、となるよう、今のうちから様々な援助・交易を行っていくこと…だろうか?

★7.サルディス・フブキの逃亡

ep3にて、災禍の監獄の件が明るみになった際、フブキは囚われの身となったが、護送中に行方をくらました。
フブキの信奉者によるものとの予想がなされ、ユーハンは「我が身可愛さに」と評したが、おそらくそれだけではないだろう。
イースト諸侯同盟が瓦解した際、数千年統治を行ってきたという歴史を「正当性」として、再びサルディス家を筆頭貴族として担ぎ上げるための神輿として、フブキは確保された可能性はある。人体実験の件についても、結局は勝者が歴史を作るので、イースト諸侯同盟を制圧した後からなら何とでも言える。
他にも、フブキは歴代サルディス家遺した記録を読み漁ってきた人物の中で、唯一の所在不明な人物である。その記憶を目的に攫われた、と言う可能性も大いに考えられる。
いずれにせよ、フブキの身柄の確保は重要事項だと考えるが、今は統治で手一杯と言うのもその通りだろう。今は、上記の危険性をイースト諸侯同盟に打診し、何とか確保に人員を割くよう要望する以外に、現状取れる手立てはない。(グロバナー家も捜索部隊を出しているとのことだが、土地勘がないとかなりつらいだろう)

★8.過去の遺物

主の思考:
 箱の中には、一本の鍵が入っていた。
 まるで鍵そのものが、宝石でできているのではないかと思えるような…。
 そんな美しい光沢を帯びた黒い鍵だ。
(略)
ミヤジ:
 これは、一体いつの物だ…。
 箱の劣化具合からして、かなり昔のものみたいだが…。
(略)
ルカス:
 私も、初めてこの鍵を見たとき…。
 何の鍵なのか分かりませんでした。
 しかし、この鍵の頭に刻まれた紋章を見て…。
 私は、これがベリアンに関係あるものだと思ったのです。
(略)
ルカス:
 この紋章は、ベリアンの物と一致しているんですよ。
(略)
ベリアン:
 これは…。
 お父様…。
 いえ…。
 ゴエティア様がお作りになられた鍵です。

ep3にて、「過去の遺物」を目にした各々の語り

①何のために造られた鍵か?

①-1.古の塔の扉を開ける鍵である
一般的に「鍵」は錠前を開けるために存在する。
この世界で、遺物であるこの鍵に対応する錠前が何かと言えば、同じく遺物である古の塔が連想される。
悪魔執事の数は16人、世界に存在する古の塔も16基。
可能性としては十分考えられる。
ただそうなると、古の塔もゴエティア様が造ったと考えられるが、古の塔はフェネスが知る限りどの歴史書にも存在の記述がない。
この世界の歴史が、天使出現→悪魔との契約方法確立→魔導服の発明という順序だとすると、天使の出現は絵画が残っているのに、古の塔が歴史書に記述がない理由が説明できない。

①-2.悪魔との契約の儀式に用いる祭具である
悪魔は、契約者の精神力によって、文字通り鎖で縛り付けられている様子がep3-5で描写された。
その鎖を繋ぎ合わせているもの、封印をしているものの錠前が、この鍵ではないだろうか。
ただこの鎖は現実に存在するものではなく、契約者の心の中で、契約者の精神力によって具現化されているものである。
従って、現実にあるこの黒い鍵は、悪魔との契約の際、悪魔を鎖で縛り付ける契約の儀式のどこかの段階で、心の中の鎖による封印を完了させるための儀式用祭具なのではないか。
またこの仮定が正しいのなら、ベリアン以外の全員が鍵を見ても思い当たることがなかったこと、ベリアンがこの鍵を探していたこと、サルディス家領地内にある災禍の監獄から見つかったことに驚愕していたことも説明がつく。
悪魔との契約は、デビルズパレス外で行い、数カ月かけて行うもの、命がけの行為であること、以外の情報は、契約者にすら情報が明かされていない。
明かされない情報の中には、儀式手順・儀式用祭具の存在もあって当然である。
また、後にベリアンから、ベリアンの契約している悪魔「ベリアル」は、ベリアンの育ての父であるゴエティア・クライアンの契約している悪魔でもあったことが分かった。このことより、悪魔の力は継承できる、あるいは一度自由になったとしても再度別の人間と契約を結ぶことが可能だとわかる。
そうなると万が一ベリアンが死ぬことがあった場合、祭具が契約に必要ならば、ベリアルとの契約は行えなくなってしまう。
悪魔の総数についてはまだ公開されていないが(十中八九72柱だろうが…)、減ってしまうこと自体が人類にとっての損失であり、さらにベリアン自身にとっても、地下室に幽閉した「彼」を生かし続けるためにも、鍵の確保を望んでいたことは自然である。
そして、この鍵がサルディス家領地内から発見されたことも、鍵が悪魔執事に深く関係するのならば驚いて当然である。サルディス家は、数千年の長きにわたり悪魔執事を擁してこなかった。

②なぜ災禍の監獄から見つかったのか?
現時点では描写がなさすぎて何とも言えないが、当時の中央と東は天使という共通の敵に対して結託できていて、万一にも鍵が天使あるいは利己的な人間に見つからないよう、災禍の監獄という天然の要塞の中に隠匿したのではないだろうか。

★9.あくねこ世界における宗教

①マラーク教

実はポートレア家について色々調べてみたんだ。
彼らが進行するマラーク教では…。
「空の上には神がいる。」
「神は常に人々を守っている。」
「しかし、人が神の意志に背けば…。」
「神は怒り、天使をもって罰をくだす。」
と言われていてね…。

イベント「白の崇拝」にて、マラーク教について述べるルカス

南の大地の、おそらくだがポートレア家支配領地内で信仰されている宗教。
年に一度、祝祭を開催し彼らの信仰を「神」に示す。

②星辰崇拝
イベントストーリー「星々の加護」にて登場するサムルス村の信仰。
星を信仰し、死後は星になれると信じられている。

③中央?の大地で信仰されている宗教

ゴエティア・クライアン。
私のお父様です。
(略)
父と言っても、実の父ではありません。
孤児だった私を育ててくれた…。
教会の神父様です。

ゴエティア様との関係を話すベリアン

ハナマルがたどり着いた教会のシスターといい、一体どのような信仰を掲げる教会だったのだろう?
現在では具体的描写がない。
だが、「執事の祈り」ベリアンカドストで描写されている孤児院の様子からして、南の大地にある教会でなかったことは確かだ。

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