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頭の中を可視化する

頭の中で物事を考えている間は、どんなに頑張って思考を巡らせても決して答えには辿り着けない。

これは最近、私自身が感じたことです。

何度も何度も繰り返し、頭の中で考えて。どうすればいいのかを、一生懸命思案して。同じ言葉を頭の中で、飽きることなく掻き回して。それでも結局、答えには辿り着けない。

「どうしよう…。全然答えが見えてこない…。」

こんな風に一度負のループに入ってしまうと、なかなか抜け出すことはできません。むしろ考えれば考えるほど、何をどうすればいいのか分からなくなる。そして、最終的には。自分がどうしたいのかすら、分からなくなってしまう。

「現状を脱したい。」「問題を解決したい。」

そう思えば思うほど、頭の中がぐちゃぐちゃになって訳が分からなくなる。私の場合は一度この状態に陥ってしまうと、もうアウト。どうしようもありません。事態は泥沼化する一方で、ズブズブと沈んでいくばかり。

長年そんな状況を繰り返してきた私は、いつしか「悩むだけ無駄だから。」と考えることを放棄してしまうようになりました。

「悩んだところで答えは出ない。ならば流れに任せよう。」

そうやって楽な方に流されて。どんどんと悩み、考えることから逃げて。そんな状態が何年も続いた私は、いつの間にか何に対しても疑問を抱けなくなっていました。

以前の私なら「どうしてこうなったんだろう?」と悩んでいたような事柄に全然引っかからない。普通なら疑問を抱くべき所に、自分で気づけない。他の人が眉を顰めるような事柄にも、微かな違和感を抱くのみ。

そんな状態になっても、私は考えることを放棄し続けました。それは「考えても仕方ない。」その思いが常に心の片隅にあったから。

私でしたが、ある出来事をきっかけに自分の思考力の低下に愕然とすることになります。きっかけは友人たちとの些細な会話でした。

みんなで自分の意見を投げ合い、内容を吟味してさらに深く掘り下げる。以前の私は積極的な発言こそしないものの、頭の中で様々な思考を巡らせてその会話を楽しんでいました。ところが。久しぶりに参加した議論の場で、私はその思考の速さ・深さに着いて行く事ができませんでした。

以前は容易くできていた意見の交換、駆け巡らせる思考。それが今は誰にも、何にも繋がらない。この状態に陥って初めて、私は思考を放棄することの怖さに気づいたのです。

思考を放棄することは自分自身を腐らせ、人との繋がりを捨て去る行為なのではないか。

そう思い至った私はすぐさま行動に移りました。と言っても、そんな大袈裟なことは何もしていません。元の考えしいな性格に戻しただけです。

長年考える事を放棄していたので、すぐに戻ったわけではありませんが。意識的に考える回数を増やして、徐々に思考を巡らせるリハビリをしていきました。

そうして戻ってきた、懐かしい感覚。久しぶりの考え事だらけの頭の中は見事にぐちゃぐちゃで、とても愛おしい。

とはいえ、です。いくら考えても答えが出ないものに、いつまでも時間を費やすわけにはいきません。時間は有限である上、問題は次から次へと出てくる。さて、どうしよう…。

私がnoteを始めたのも、ちょうどこの頃でした。

「自分で何かを発信したい。」

その思いから書き出した文章。始めた頃は自分の頭の中にあるものを文字で表現できるのが楽しくて。気がつけば、私は書くことに夢中になっていました。そして、この「書く」という作業は私に大切な気づきをもたらしてくれました。

それは『頭の中がグシャグシャでも、それを文字にして可視化すると驚くほど気持ちがスッキリする』ということ。

今までの私は頭の中で同じことをグルグル考えて、結局答えに辿り着くことができませんでした。でも、その頭の中のグシャグシャを文字として可視化することで、自分が何に対してどう思っているのか、何が問題なのか。そういうのが明確に分かるようになった気がします。

もちろん、器用な人なら可視化なんてせずとも頭の中で結論を導き出せると思います。そういう人からすれば、私みたいにいちいち文章にするのは無駄に見えるかもしれません。

でも、残念ながら。私は問題を可視化しないと、解決の糸口が発見できないタイプの人間みたいです。

個人的には頭の中で同じことをグルグル考えるくらいなら一旦文字にして可視化した方が情報を整理できるし、おまけに記録にもなる。まさに一石二鳥ではないかと思っています。

私はこれからも文章を書き続けます。それは書くのが好きというのもありますが、それ以上に。自分の考えを可視化して、頭の中を整理するために。

人の考え方は十人十色。だから、私の考えは合わない方もいらっしゃると思います。でも、ここに記す文章はあくまで私個人の考えであって、それを誰かに押し付けたいわけではありません。

私が書く文章は、私自身の為のもの。でも、もしその文章が誰かの心に寄り添えるなら。書き手としてこれほど嬉しいことはないと思います。


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