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リミックスという実験音楽

リミックスという音楽ジャンルがありまして、最近ちょくちょく作ってみたりしてます。

リミックス(remix)とは、複数の既存曲を編集して新たな楽曲を生み出す手法の一つ。(wikipediaより)

ようするに元々ある曲の別バージョンって感じです。でもさ、リミックスを作ってても聴いてても思うことがあって、それは原曲聴けば良くない?っていう。こういう気持ちになってしまったら最後リミックスに関わる理由は無かったんだけど、面白いことに気づいたから最近またリミックスに挑戦してみている。

タイトルにもあるとおりリミックスは良い実験場だと思う。これからやってみたい音楽表現を既存の人気曲で試すことができる最良の場だと思うんです。こないだはボカコレのサイトから「マーシャル・マキシマイザー」という曲のデータをお借りして色々実験してみました。

聴いてもらうと分かるんですけど、「音数」と「停止」を意識して作ってみてます。あんまりリミックスしててもっと良くしてやるとか思ってないしそこまでの労力をかけたくないので元のデータを殆ど使ってるんですけど、こんなにメロディがいい曲だから余計なものは要らないと思って伴奏のピアノ、シンセのメロディ、ベース以外の音源は消しました。最低限のFXエフェクトだけ残ってたりするけど、ほとんど消しちゃいました。


ボカロはDAWで作る音楽だから、音の重なりが異様に多いし味の濃いジャンクフードみたいな音楽だと思ってます。でも一応音楽的に成立する要素だけで構成したらやっぱり歌のメロディがより一層前に出てきてスッキリした印象になるなあって。音圧が無いとつまらない!みたいな気持ちになりがちだけど歌のメロディに改めて耳を傾けるような曲も良いなって思った。まずは良いメロディを作るところからだけどね。とにかく引き算の音楽を再確認。

停止の部分に関しては、完全に実験でリバーブやエコーの残響含めて音声波形ごと切って完全な無音部分を出してみた。ただこの無音部分が4拍子の終わりの部分で気持ち良く切ってみたり、2.5拍目で切ってみたりといろいろやってみた。ボーカルだけは鳴らしたり、ベースとドラムの消える位置を少しズラしたり色んなリズムパターンを試してみたけど思ったより面白い表現になったかな?こんなことやってる人居るのかな、、。居なかったらこの時代に新しい音楽を発展させることになるから上手いことポピュラーミュージックに昇華させていきたい。

こういう有名な曲をリミックスすることで普通に楽曲を出すより多くの人にアプローチできるだろうし、普段実験音楽とは正反対の位置に居る、ポップスの視聴者層だからボカロというフィルターを通して被験者みたいになってもらうのがとても面白い。アバンギャルドなものを聴け!とは言わないけどこういう変なアプローチをしてくる奴がたまに居るっていうのを何年もかけて実践していけたらいいな。これで培った感覚を自分の曲で上手くアプローチしていったらボカロも含めて自分だけの音楽に辿り着くことができるんじゃないかなと思う。

ボカコレから素材頂いてるので一応ボカコレの枠で出してみたけど、やっぱり再生数!評価して!みたいな空間は結構しんどいね。ボカロ自体が盛り上がるのは良いことだからボカコレ自体を否定はしないけど、やっぱり自分の世界を追い求めるのが1番楽しい。夏もあっという間に終わるだろーけど、終わる頃にはどんな音楽を作れてるかな。楽しみだ。

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